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うちの子どんな子かわいい子、おれのあの子はかわいい子6



「で、気になることって何よ?」
気を取り直したカカシは一応、礼儀として尋ねた。
「ああ、そうそう。」
年配の忍は、今、思い出したかのように、ぽんと手を打つ。
「この子のことだが。」とカカシの腕の中にイルカを指差す。
そして言った。
「痩せすぎじゃないのか?」と。



「痩せすぎ?」
言われたことにカカシは眉を潜める。
「まあ、この子は体は小さめだけど・・・。体格的には標準の域じゃないの、多分。」
「そうか?いやー、ちょっと発育不良気味だと思うがなあ。」
年配の忍びは首を横に振った。
「俺には息子が五人いるが、どいつもこいつも、この子の年には、もうちょっと、でかかったぞ。」
自信たっぷりに言い切る。
そしてお節介を焼いた。
「この子は、きちんと三食、飯を食べているのか?ちゃんと食わせないと駄目だぞ、特に今は成長期で大事な時期なんだから。」
得々とカカシに言う。
「カルシウムを取らせろ、牛乳は毎日飲ませて、だ。それから小魚食わせろよ、緑黄色野菜も忘れるな・・・。」
延々とお節介は続きそうだった。



「あのねえ。」
強い口調でカカシはお節介な忍の言葉を遮った。
「ご飯は、ちゃんと食べさせてます!」
さっき、イルカには握り飯を食べさせたばかりだ。
「それに同じ年の子供でも体格に個人差ってあるでしょ。食事の量ってのも人それぞれで個人差があるしさ。」
それは先ほどイルカがカカシにご飯を食べる量を指摘されて、言い訳に言っていたことである。
「だいたい、何なの?発育不良気味って失礼な・・・。」
カカシは、ぎろりと相手を睨みつけるが動じる気配はない。
「この子の年にはって言うけど、年齢なんて見ただけ判るわけ?」
「まあまあ。」
突っかかってくるカカシを年の功で軽くいなして、年配の忍は言った。



「年齢は・・・。そうだな、この子の骨格の形成状態から見て、十三歳。でも来月か再来月には十四歳になるな。」
絶対に間違いない、と、これまた自信たっぷりだ。
「どうだ?違うか?」とカカシに、したり顔で訊いてくる。
「・・・そうだよ。」
かなり正確に年齢を当てられて悔しく思いながら、カカシは不承不承に答えた。
イルカの体が小さいのは事実であるが第三者から言われると何故か腹ただしい。
「やっぱりな〜。」
年配の忍は頷いてイルカの頭を撫でた。
「あっ、触るなって!」
その行動にカカシは、いきり立つ。



あっはっはっ、と年配の忍は余裕を見せ、手を腰に当てると豪快に笑いカカシに言った。
「俺が言いたいのは、その子には飯を、もっと食わせて太らせろってことだ。でないと木の葉は子供に飯を食べさせないって言い触らすからな。」
「・・・はいはいはい。」
カカシの返事は適当だ。
「それから身の丈に合ってない武器は使うなってことと・・・。」
「分かってるって。」
続くお節介にいつまで、この忍、ここにいるのだろう?とカカシが不審がりだした時に年配の忍は身を翻した。
やっと、この場を去るつもりらしい。
「あ、そうだ。その子は後頭部を強く打っているから、よく診てやれよ。まあ、大丈夫だとは思うが。」
一番大事なことを最後に告げた。



「それを早く言え!」
カカシが叫ぶと年配の忍は最後に笑って、どろんと姿を消した。
余計な一言を残して。
「じゃあな、木の葉のピチピチ十七歳!」
「うっさい、おっさん!さっさと行っちまえ!」
ようやく、人の気配が無くなり静けさが訪れた。
はあ、とカカシは妙な疲れを感じて溜息を吐く。
年配の忍が去った方角を見やり呟いた。
「・・・変なやつ。」





ふう、ともう一度、息を吐くとカカシは腕に抱いていたイルカを、そっと地面に下ろした。
柔らかい草の生えている場所を選んで、ゆっくりと横たわらせる。
装備していた鉤爪を外し、そこら辺に、ほっぽり出す。
「えーっと、後頭部後頭部。」
強く打ったらしい場所を探す。
頭を触ってみた限りでは出血は特にない。
もっと、よく見ようとカカシは顔を近づけたが暗部の面が邪魔をした。
見づらいこと、この上ない。
「あー、邪魔。」
短く言ってカカシは面を頭上に押し上げた。
森の中の澄んだ空気の中にカカシの素顔が晒される。
誰も見ている者はいない。



「どれどれ・・・。あー、ここかな?」
カカシはイルカの頭の後ろを慎重に触った。
「少し瘤になっているみたいだけど、酷くはないな。」
これなら大丈夫だろう、とカカシは判断する。
ついでに痛いの痛いの飛んでいけ〜、みたいなこともやってしまう。
優しく頭を撫で擦った。
その時だ。
面を外してイルカの後頭部を覗き込んでいるカカシの素顔を目撃してしまった者がいた。
イルカだ。




頭を撫でる優しい手と優しい気配に、薄っすらと意識を取り戻したイルカが瞼を少し持ち上げた。
暗部の服を着た、銀色の髪の人間が視界に入る。
あの銀色の髪の暗部だと、すぐに判った。
銀色の髪の暗部は一人しかいない。
しかも面を被っていなかった。
素顔を晒した銀色の髪の暗部の左目には傷があった。
ぼんやりとしているイルカの脳裏に、銀色の髪の暗部が言っていた恐ろしげな言葉が鮮明に浮かぶ。
『この面の下の顔を見た人は呪われちゃうんだよ〜。』
俺、呪われちゃったかもしれない・・・。
どうしようどうしよう、と心臓が自然、どきどきとしてくるのが抑えられない。
・・・・・・呪われるんだ、俺、短い人生で終わるんだ、俺。
そんなの嫌だ、どうすればいいのだろう・・・と数秒間、悩んだイルカは即効で決断した。
即ち、暗部の面を下なんて見なかったことにしようと決めて、ぎゅっと固く目を閉じたのだった。






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