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うちの子どんな子かわいい子、おれのあの子はかわいい子47




一世一代の告白をしたカカシは息を切らしていた。
告白をしただけで。
告白をしただけなのに。
人生で味わったことのない凄まじい緊張で動悸、息切れ、果ては目眩まで起こしていた。
顔が赤くなっているのも自分で分かる。
今まで、どんな任務でも、これほど緊張したことはない。
なのに。
好きな人に、たった一言、言うだけで、こんなにも精神的にも肉体的にも疲労するものなのか・・・。



ともかく遣り終えた。
そう思ったカカシはイルカの答えを待つことにした。
自分の気持ちは精一杯伝えた。
あとはイルカ次第・・・。
イルカも自分のことが好きなはずだ、だから大丈夫と思いつつも、どきどきしながらイルカの返事を待つ。
まるで試験の合否判定を待つような気分だ。
いや、それとも嫌いな天ぷらを克服しないと駄目なような、考えると深みに嵌っていく。
ああ、俺、これから一日一膳でも二膳でもするからイルカが、うんと頷いてくれますように。
カカシは心の底から願わずにはいられなかった。
時間が、ひどく長く感じられた。



「こいびと・・・。」
イルカが眉を潜めたカカシの言った言葉を復唱した。
「こいびとって・・・。」
その次の言葉を、どきどきしながらカカシは待つ。
だが、イルカは腕を組んで、うーんと首を傾げた。
「こいびとって、どんなの?」
恋人、という言葉に、ぴんとこなかったらしい。
「え・・・。」
イルカの言葉にカカシは固まる。
「こいびとって、何するの?」
無邪気にイルカは質問してきたのだった。



「恋人ってのは、えーと・・・。」
なんと言えばいいのやら、とカカシは四苦八苦してしまう。
ようやく、好きという気持ちが家族や兄弟に対するものではなく、恋愛的なものだとなんとなく分かったイルカはいきなり『恋人』と言われて戸惑ってしまったらしい。
好きだという気持ちが形になってきたところで、一足飛びに『恋人』の段階に進むには早すぎたかもしれない、とカカシは悟った。
「こいびとって、さっき、カカシさんが言っていたような・・・。」
恥ずかしそうにイルカは小声で言う。
「キスしたり抱き合ったり、の他に。」
ちら、とカカシに視線を寄越してくる。
「どんなことするの?」
率直に訊いてきた。



「どんなことって言われても。」
どんなことって、あんなことやこんなことやそんなこと、と頭の中だけでカカシは想像し、口には出すのを辛うじて堪えた。
「うーんとね。」
イルカを刺激しないように言葉を選ぶ。
「一緒の家に住んだり、一緒にご飯を食べたり、一緒に出かけたり、一緒の布団で寝たり・・・。」
イルカは黙って聞いている。
「いつも一緒にいることかなあ。」
そう言葉を結んだ。



「じゃ、それって今と同じってこと?」
鋭くイルカが突っ込んでくる。
「今も一緒の家にいたり、ご飯食べたり買物行ったりしてるよね?」
「まあ、そうだけど。」
「・・・一緒に寝たりもする時あるし。」
そこは何事か躊躇う事があるのか、イルカは言い淀む。
「うん、そうなんだけどね。」
「何が違うの?」
「何って・・・。」
あれもこれもそれも違うんだっ!と心で叫びつつカカシは出来るだけ穏やかに言った。



「何が違うかって。えーとね、お互いがお互いのことを好きだってことなんだよ。」
心と心が繋がっている、とカカシは説明した。
「心と心・・・。」
「そう、好きだっていうのが一番、大切なことなんだ。」
懇切丁寧にイルカに説明していると、なんだか学校の先生になった気分になってくる。
まさか、恋人のいろはをイルカ相手に言う羽目になるとは・・・。
無性に物悲しさにカカシは襲われた。
「イルカは俺のこと好きでしょう?」
恋愛の対象として、の意味で。
思わず、そう訊いてしまう。



そう訊いた時だった。
イルカの顔の変化が訪れた。
ぱああっと顔が仄かに桜色に染まっていく。
そして、それは桃色、薔薇色、緋色、紅色へと変わっていった。
「イルカ・・・。」
カカシが名を呼ぶとイルカは顔を背けたものの、カカシをとても気にかけているのか、何度も眼だけを動かしてカカシの様子を見てくる。
指は床に、のの字を書いて何やら思案しているようだった。
何かを言おうとして言えないような。
言いたいけれど恥ずかしくて照れてしまっているような。
カカシがイルカに『恋人になってほしい』と言った時の自分を見ているようで。
「イルカ!」
そんなイルカを見て、先ほどの物悲しい気持ちが一瞬で吹き飛んだ。
イルカの気持ちがカカシは解ったのだ。
もう一度、訊いた。
ゆっくりと気持ちを落ち着けて。



「イルカ・・・。俺のこと好き?」


するとイルカは何も言わず、こくりと頷いたのだった。





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