AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


うちの子どんな子かわいい子、おれのあの子はかわいい子38




その夜。
眠る時になってカカシは迷った。
果たしてイルカと一緒に寝ていいものか・・・。
あんなこともあったし、と酔った時にイルカにしたことを思いだすと、なんとなく躊躇われる。
イルカは許してくれたけど、でもなあ。
ベッドを見ながらカカシは悩む。



イルカはカカシと一緒に寝ることに躊躇はないのか・・・。
別々に寝た方がいいのかな、とも考えた。
「ねえ、イルカ。」
ちょうど台所で風呂上りの一杯、といってもジュースを飲んでいたイルカの肩を後ろから、ぽんと叩く。
ほんのちょっと軽く肩に触れただけなのに、イルカの細い肩は大仰に動いた。
イルカの体に緊張が走ったのがカカシには分かった。
「・・・何、カカシさん?」
振り向いたイルカの顔には笑みが浮かんでいたが・・・。
「あー、うん、そのね。」



がしがし、とカカシは頭を掻くとイルカに言った。
「まだ、残暑が厳しいから別々に寝た方がいいんじゃないかなあって。」
「え、そう・・・。」
「うん。俺、下で寝るからイルカはベッドで寝なさい。」
「えっ。」
「いいから。」
決定事項としてカカシはイルカに告げる。
ベッドから掛け布団と一枚貰い、床に横になった。
イルカはカカシのことを許してくれると言ってくれたけれども・・・。
心のどこかでカカシのことを怖がっていることが解ってしまった。
もしかしてイルカのトラウマになって残ってしまったのかもしれない。



「ねえ、カカシさん。」
イルカはカカシの傍に、にじり寄ってきて熱心に言った。
「カカシさんがベッドで寝てよ。任務から帰ってきて疲れているのに床で寝たら体が痛くなっちゃうよ。」
「屋根のあるところで寝られるだけ任務よりましだよ。それに、これくらいで体が痛くなるようなヤワじゃないし。」
「でも。」
心配そうな顔をするイルカの頭をカカシは撫でる。
少しだけ撫でて、すぐに手を離した。
「イルカは優しい、いい子だね。」
安心させるように、にっこりと笑って見せた。
「だったら明日にでも、もう一組、布団を買いに行こうかな〜。」
付き合ってくれる?と訊くとイルカは頷いたが。
「布団を買うお金がもったいないような・・・。だったらカカシさん、家に帰ったほうがいいんじゃない?」 と可愛くないことを言っていた。
「どうして、そういうこと言うかなあ〜。」
ちょっと膨れたカカシはイルカの柔らかい頬を、むにーっと引っ張った、痛くないように。
頭を撫でても頬を引っ張っても今のイルカはカカシを怖がっていない。
カカシが目の前でイルカに触れる分には怖がらないらしい。



「俺と一緒に居たくないの、イルカは?」とカカシは不満そうに言ってみる。
カカシに引っ張られた頬に手を当てながらイルカは首を振った。
「一緒に居たいけど。カカシさんにだって生活あるでしょう。」
「俺の生活はイルカを一緒にいることです。」
少しだけ真剣な声で言うとイルカは俯いた。
「なら、いいんだけど。」
弱気な声である。
「何か問題でもあるの?」
いつもと違うイルカの様子に横になっていたカカシは、きちんと座りなおすとイルカと向き合った。



向き合ってもイルカは俯いたままである。
何も言わないイルカを見つめていたカカシであったが、ふと好い香りがイルカから漂ってくるのに気がついた。
そういえば、イルカは風呂上りである。
漂ってくるのは石鹸かシャンプーの香りであろう。
そのことに気がつき何故か、どきっとしてしまうカカシである。
それに風呂上りのイルカの下ろした髪が、まだ濡れていて妙に艶めいているように見えた。
いかんいかん、と浮ついた気持ちを引き締めながらカカシはイルカに話しかけた。
これ以上、イルカに黙っていられると、おかしな気持ちになってきてしまいそうな予感がする。



「どうしたの、イルカ。」
できるだけ穏やかな声で話しかけた。
「何か気になることであるの?」
「うん・・・。あのね・・・。」
思い切ったようにイルカが顔を上げてカカシを見る。
その瞬間、カカシは「うっ。」と呻いて口元を押さえた。
なぜならば数日経って薄くなっていたキスマークが、風呂上りの上気したイルカの肌に、くっきりと浮かび上がっていたのだ。
自分のつけたキスマークを見せつけられてカカシは、どきっとするどころではない。
どきどきどきどき、としていた。
あんなに沢山つけたのか、俺・・・。
見ちゃいけないと思いながらもイルカの露になった首筋のキスマークから目が離せない。
パジャマを着ていたイルカであったが暑いのか、首元は緩めており鎖骨まで見える。
そこにもキスマークはついていた。
俺って俺って、そんなとこまで・・・。
なんて酒癖が悪いんだ、と思いつつも、頭の隅で酔ってない時にしたかったと余計なことを思ってしまうカカシである。



カカシが自分でつけたイルカのキスマークを見て動揺しているとも露知らず、イルカは言った。
「カカシさんて好きな人いるの?」
「好きな人?」
揺れる心を沈めてカカシは眉を潜める。
さっき、自分はイルカのことを好きだと言ったはずである。
やっぱり伝わってなかったのか、と、ちょっと落ち込んだ。
しかしイルカの言いたかったことは違っていて・・・。
「家に恋人が待っているんじゃないの?」
衝撃的なことを訊いてきたのだった。





うちの子どんな子かわいい子、おれのあの子はかわいい子37
うちの子どんな子かわいい子、おれのあの子はかわいい子39




text top
top