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うちの子どんな子かわいい子、おれのあの子はかわいい子34




「面白いっていう話か?」
「いや、面白いって類の話じゃなかろう。」
「どちらかというと、倫理観が問われるというか・・・。」
「道徳的な話?」
「そっち方面だな。」
カカシを、そっち退けで暗部たちは話を進めている。
腕組みをして真剣に討論しているようだった。
「ちょっと!」
無理やりカカシは話に割り込んだ。
「俺も話に混ぜろ!」



すると割り込んできたカカシを暗部たちが、じっと見つめる。
その視線は妙に意味深だ。
咎めるような、疑われているような感じがする。
注目されてカカシは居心地が悪くなった。
「何だよ?何か俺、悪いことした?」
重い沈黙が漂う。
「それより、さっき、ちびっ子とか何とか言っていたでしょ?イルカがここに来たの?」
仲間たちは目配せするばかりで誰もカカシの問いに答えようとはしない。
「それに、キスマークって何?」
そこがカカシが一番、訊きたいことであった。



口を閉じている仲間にカカシは苛立つ。
「誰かなんとか言ったら、どうなんだ?」
やっと仲間が口を開く。
「・・・なんとか。」
「そうじゃなくて、キスマークの発言に至った経緯を聞いているんだって!」
寒いギャグを言われて、ますますカカシは苛立った。
イルカのことが知りたいのに。
キスマークがイルカに、どう関係するか知りたいのに。



やっと仲間の一人が重い口を開いた。
イルカの話を聞いてやった暗部だ、秋祭りにイルカと一緒にいた。
「怒らないと約束するなら話す。」
一瞬、迷ったもののカカシはイルカのことだと自らに言い聞かせ、渋々、約束した。
「分かった、怒らない。」
「絶対だな?」
「絶対。」
「怒ったら、そこで話すの止めるからな。」
「分かったって!」
だから話せとカカシが迫ると、その暗部は肩を竦めて要所要所を掻い摘んで簡単に話し始めた。



「確かに、ちびっ子はここに来た。里から食料を持ってきたんだ、つまり任務で来た。」
「それで?」
「非常に思いつめているようだったから大人として話を聞いてみた。」
「・・・それで。」
「二つのことで悩みでいるようだった。呪われているってことと・・・。」
「呪い?」
「そうだ。」と言って話している暗部は、びしっとカカシを指差した。
「お前が悪い!」
話を聞いていた周りの暗部たちもいっせいに頷く。
「ええ、俺が?なんでさ。」



「二年前にちびっ子に暗部の面の下を見た者は呪われるって言ったそうじゃないか。」
「・・・・・・え。」
そんなこと言ったかな?とカカシは首を傾げる。
全く記憶にない。
「それで呪われて死ぬんだって、ちびっ子は信じ込んでいたから、そこは訂正しておいた。そんなことで呪われることはないし、ましてや死んだりしないってな。」
「それは分かったけど、誰の面の下を見たの?イルカは。」
すっと全員の人差し指がカカシに向けられた。
「俺?」
「お前しかいないだろ。暗部が面を外すなんて、そうあることじゃないし。カカシは二年前にちびっ子の前で面を外した覚えはないのか?」
「面ねえ・・・。」
腕組みをして考えていたカカシは暫くして罰が悪そうに言った。



「・・・・・・そういや、あったかもしれない。」
「ほらな。」
「鍵を落としていったイルカを追いかけていったら頭を打って気絶していたから、頭部の怪我の状態を診ようとして邪魔だった面を外したような気がする。」
見られたとしたら、その時しかない、とカカシは思った。
そしてイルカの部屋に大量にあった呪いに関する本がある訳にも思い至る。
自分が呪われていると思ったから呪いに関する本を集めていたのか・・・。
悪いことしたな、とカカシは反省した。
「まあ、面の下を見られたことは、この際、不問としよう。」
本来、暗部は面の下を見られることなく正体を隠して任務を遂行するものである。
「しょうもない事をちびっ子に言ったのも、まあ、若気の至りってことで水に流そう。」
そこまで話して暗部は面の下で眉を潜めた。
「問題は、その先だ。」
「ああ、もう一つのイルカの悩み?」
カカシは気軽に言ったが、今まで話をしていた暗部は続きを話したくはないらしく黙ってしまった。



助けを求めるように周りの仲間に視線を送っていたが、皆、さっと顔を背けてしまっている。
イルカの、もう一つの悩みには誰も触れたくないようだった。
「でもさー。」
誰も話したがらないのでカカシから話を振ってみた。
「なんで呪われたとイルカは思ったの?もう、二年も前の話なのに。」
そのカカシの言葉で、その場は、しーんと静まりかえる。
「何か呪われたと思われることでもあったわけ?」
「・・・それは、だな。」
咳払いをして最初に話をしていた暗部が言い難そうに、どちらかというか言いたくなさそうに言った。
「酔っ払いに・・・。」
「酔っ払いに?」
「怖いことされて・・・。」
「怖いこと?」
だんだんとカカシの声が低くなり眉が釣り上がっていく。
「キスマークをつけられて・・・。キスマークなんて見たことないようだったし、これは呪われた証し、呪いのマークじゃないのかと・・・。」



その言葉を聞いた途端、カカシは話していた暗部に掴みかかっていた。
「キスマーク!あんたがやったの?」
「なんで俺が!」
「だって、祭りの日にイルカと一緒にいたじゃない!」
任務に出る日の朝、イルカの首にたくさん貼ってあった絆創膏は誰かにつけられたキスマークを隠すためのものだったのだ。
祭りの当日には、キスマークなんてなかったのは浴衣を着せてやった自分が一番、よく知っている。
「ちょっと待て!落ち着けって。」
カカシに掴みかかれた暗部は、やはり暗部であったのでカカシの掴みかかってくる手を巧みに避けて叫んだ。
「酔っ払いにされたって言っただろ!俺は生粋の下戸だから酒は飲めん。」
「あ。」
「去年の忘年会、罰ゲームで酒を一滴飲まされて気を失っていたじゃないか!」
「そういえば・・・。」
情けないことまで告白して、祭りの日にイルカと一緒にいた暗部の疑いは晴れた。



「じゃ、誰が・・・。」
呆然とするカカシだったが周りの視線が痛いほど自分に突き刺さってくるのを感じて肩を竦める。
「まさか〜、俺が?イルカに怖いことして、キスマークをつけるって?ある訳ないじゃない。」
「あるか、どうか視てみたらいいじゃないか。」
誰かが言った。
「視るって?」
他の誰かも言った。
「写輪眼があるだろう。記憶を探ればいいじゃないか。」
「ああ。」
もう一度肩を竦めたカカシは、写輪眼で記憶を遡ってみた。
祭りの日の夜まで。



記憶を視ていたカカシの顔が面の下で青褪めていく。
総てを視たカカシの肩は、がくりと力が抜けた。
結果なんて聞くまでもなさそうであった。






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