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うちの子どんな子かわいい子、おれのあの子はかわいい子32




その日。
任務前に仲間と落ち合うための集合場所に来たカカシは暗部の仲間に面の下で顔を顰められていた。
「酒臭いぞ。」
「飲みすぎか?二日酔いか?」
「まあねえ。」
ずきずきする頭にカカシも面の下で顔を顰めた。
「ビール飲んだら、頭が痛いんだよねえ。」
朝、起きた時よりは頭痛は治まってきている。
しかし体はだるく本音を言えば今日一日、寝ていたかった。



「あー、もう酒は飲まない。」
カカシが言うと他の暗部の仲間は苦笑したようだった。
「まあ、二日酔いになると誰でも、そう言うな。」
「けど二日酔いが治ったら、また飲むんだよな、これが。」
「なんたって落語にも、酒のない国へ行きたい二日酔い、三日目にはまた帰りたくなるってあるくらいだしな〜。」
酒好きな暗部が多いのか、暢気なことを言っている。
「俺は、もう酒飲まないって。」
渋い顔したカカシが言っても「まだ若いからな。」で笑って流されてしまう。
「ったく、大人はこれだから・・・。」
カカシも二十歳で大人の部類ではあるのだが二日酔いで上手いこと反論できず、こめかみを押さえて頭痛をやり過ごした。
「それよりも早く任務を終わらせて帰りたいんだけど、俺は。」



珍しくカカシが任務の期限について要求してきた。
いつも適当な感じで任務に行く前に、そんなことを言うのは初めてではなかろうか。
「ん?どうした、そんなことを言うなんて。」
暗部の誰かが面白半分に問いかけた。
「いやさあ。」
カカシが二日酔いとは違う、困ったような声を出す。
「今朝のイルカの様子が、おかしかったから気になるんだよ、ものすごーく。」
「イルカって、あのちびっ子か?」
「うん。」
暗部の仲間に割とイルカの存在は浸透していた。
「昨日は、あんなに俺に懐いていたのに、今日になったら距離と置かれたというか壁を作られて怖がられているような感じで・・・。」
少しだけ悩みを打ち明けてみた。



すると暗部の仲間たちは、それぞれに肩を竦める。
「あのちびっ子は、今、思春期だろ。」
「クロスワードパズルより難しい年頃だから仕方がないんじゃないか。」
「そうそう、頑張って大人の階段昇っているんだろ。」
と、てんで頼りにならない。
「もー、いいよ。」
ふてくされたようにカカシは言い捨て「で、任務の内容は?」と、とりあえずイルカのことはさて置き、頭を切り替えたのだった。




暗部たちが里を離れて任務に出て数日、持ってきた食料が早々に尽きた。
その食料は正確には米だ。
予想より無くなるのが、かなり早い。
「米、無くなるの早いな。」
「任務では食べるくらいしか楽しみないからな〜。」
うんうんと皆は、その言葉に頷く。
「何故か、任務先で食べる握り飯って美味くてな。」
「ああ、確かに。普段、食べる飯の量の倍くらい食べるな。」
「あ、俺も。」
「俺もだ。」
「・・・だから計画して持ってきたはずの食料が、すぐに無くなる訳だな。」
一応、食料担当の暗部は溜息を吐いた。



「で、飯の話をしていたら腹が減ってきたんだが。」
「里に食料調達の連絡したんだろ。」
「いつ届くんだ?」
口々に言う、食欲旺盛な暗部たちに食料担当の暗部は指を指した。
「もう、届く頃だ。ほら、あそこが・・・。」
指差した結界の先が歪んでいる。
暗部の結界が何者かに寄って一部、解かれようとしていた。
「食料を持ってくる忍に結界の解き方を内密で教えるように頼んでおいたから、多分、その忍が結界を通ろうとしているに違いない。」
「そうか!じゃあ、ナイスタイミングだな。」
「早速、飯の支度だ!」
暗部たちは食事ができることで、俄然、張り切りだす。



だが結界を解き、結界内部に入って来た者を見て、暗部たちは言葉を詰まらせた。
「すみません、遅くなりました。」
食料を背負い両手に持ち、頭を下げる人物。
その人物の頭の先で括った艶やかな黒髪が跳ねていた。
「伝達により食料を持って参りました。」
丁寧な言葉遣いで暗部たちに報告する、その人物は・・・。
カカシが様子を、とても気に掛けているイルカだった。



イルカは持ってきた食料、つまり米を暗部たちに渡した。
暗部たちはカカシから任務出発前にイルカに関することを聞いていたので、当たり障りのないように対応してしまう。
米を受け取った暗部たちは短く礼を言い、これ幸いと、さっさと食事の準備しに離れていってしまった。
運が良いのか悪いか、現在カカシは偵察に行ってしまっていて当分、ここへは帰ってこない。
残された暗部たちはイルカを前にして、どこか気まずかった。
気配を察したのか、届けを終えたイルカは、ぺこりと頭を下げる。
「では、これで失礼します。」
物静かなイルカの態度に暗部たちは、なんとなく緊張した。
しかしイルカが来たのに、ここで、そのまま帰したらカカシに何と言われるか分からない。
意外に執念深いところがあるカカシの性格の一面を仲間は把握していた。
皆で一致団結してイルカが来たことをカカシに黙っている方法もあるが、これは後々、ばれた時のことを考えると良策とは思えなかった。


「あー、そのだな。」
思い切って暗部の一人がイルカに声を掛けた。
この暗部は実は夏祭りの夜にイルカを一緒にいた暗部に他ならない。
「はい、なんでしょうか?」
イルカの黒い目が暗部の真っ直ぐに向けられる。
純朴で澄んだ瞳だ。
その目に、どきっとしながら暗部は言葉を続けた。
「あー、そのだな。」
戦術の一つとして話術は巧みなはずなのに、同じ言葉を繰り返してしまう。
「里から来て疲れているだろうから・・・。だから、その、少し休んでいったらどうだろう?」
苦し紛れのような、その提案にイルカは少し逡巡したものの、「はい。」と頷き、暗部の言葉に甘えたのだった。






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