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うちの子どんな子かわいい子、おれのあの子はかわいい子23



風呂から上がったイルカは髪を拭きながらカカシに尋ねた。
「カカシさんって、今日、俺んち泊まっていく?」
「え、どういうこと?」
意味が分からないという風にカカシは逆に尋ねてくる。
「えーとね。」
イルカは髪を拭いているタオルで、わざと顔を隠すようにして髪を拭いた。
顔を見せると寂しい気持ちが悟られてしまうかもしれないから。
「カカシさん、久しぶりに里に帰ってきたから自分の家の方がいいんじゃないかと思って、それで。」
一応、気を遣ってみたのだ、イルカなりに。
本当はカカシといたかったけれど。



「ああ、そのことね〜。」
カカシはイルカが髪を拭いていたタオルを取り上げるとイルカを座らせて背後から、丁寧にイルカの髪をタオルで拭き始めた。
「俺ね〜、所属している部署は同じだけど、里に帰ってきてからは里を中心にして動くことになったから、自分の家にはいつでも帰れるんだよね。」
だから、とカカシは続けた。
「イルカの家にいたいんだけど、いいかな〜。」なんて言ってくる。
「ほんと?」
それを聞いてイルカは嬉しくなる。
髪を拭いてくれている背後のカカシに振り返り、目を輝かせた。



「本当に?」と訊くイルカにカカシは頷く。
そして優しい声で言った。
「前に別れるときに、今度はずっと一緒にいるよって言ったでしょ。」
「・・・うん。」
「だから・・・。約束は守るよ、俺はイルカと一緒にいる。」
「やったあ!」
イルカは諸手を上げて喜んだ。
「嬉しーい!」
誰と一緒にいられるなんて嬉しい、とイルカは素直に喜びの声を上げる。
家で誰かが自分のことを待っていてくれたり、自分が誰かを待つなんて、とても素敵なことだと思った。
しかも大好きなカカシが一緒にいてくれるのだ。
もう一人じゃない、そんな気がした。



「ああ、でも、時々、任務でちょっといなくなるけど平気だよね?」
念のためという風にカカシは確認してきた。
「すぐ帰ってくるし。」
「うん、大丈夫!待っているよ、俺。」
イルカが言った『大丈夫』は以前、カカシと別れる時に言った言葉と同じだったが、今は全然、意味合いが違う。
前は寂しいのを隠すための『大丈夫』だったが、今度は嬉しい意味合いの『大丈夫』である。
「うん、いい子だね。」
そう言ってカカシは笑った。




カカシも風呂から上がり寝る段になってからイルカは気がついた。
「あ、ベッドが狭いね。」
以前は二人で寝ても広いベッドであったがイルカが成長したので、現在ではカカシとイルカが寝るとベッドが狭く感じそうなのだ。
「どうしよう・・・。」とイルカは考え込む。
カカシは、ふむと頷いて「じゃあ、今日は帰ろうかな。」と言い出した。
「えっ、帰っちゃうの?」
寂しそうな声をイルカは無意識に出す。
せっかく再会したのに、そんなの嫌だと。
「だって、まあねえ。」
ベッドに視線を走らせたカカシは腕組みをして、何事かを考えているようだった。



「やっぱり、一緒に寝るのは不味いかなあと思って・・・。」
そう言ったカカシの語尾は小さく聞き取りにくかった。
故にイルカには明確に聞こえていない。
「あっ!そうだ!」とイルカは、あることを思い出して、それをカカシに提案した。
「カカシさん、俺に腕枕してよ。そうすれば、このベッドで二人で寝ても狭くないよ。」
二人で、ぴったりくっ付いて寝れば、狭いベッドも広くなるとイルカは考えたのだ。
腕枕は幼い頃、イルカが添い寝してもらった父親にやってもらったのを思い出した。



「えっ、腕枕!」
カカシは、その言葉に衝撃を受けたようだった。
「腕枕って・・・。イルカは誰かにしてもらったことがあるの?」
そんなことを訊いてくる。
「うん、あるけど。」
父親に添い寝したもらった時だけだが。
なのにカカシは更に衝撃を受けたようだった。
「ええっ。だ、誰にしてもらったの?」と声が裏返っている。
「えっと。」
イルカは正直に答えた。
「ちっちゃい頃、父ちゃんに。」



答えた途端、カカシが、どっと肩の力を抜くのが分かった。
「・・・お、父さんに。」
「うん、昼寝の時とかしてもらったんだよ。」
ふーっとカカシは安心したように溜息を漏らしたが、イルカには何故カカシが安心したのか、いまいち解らない。
「俺は、また、誰かがイルカと・・・。」と聞き取りにくい声で不明瞭なことを盛んに呟いていた。
さっきからカカシは、なんだか様子がおかしい。
やっぱり帰ってきたばかりで疲れているのか、とイルカは思い、諦めの言葉を口にした。
「あの、カカシさん。ごめんね、疲れているんでしょう。だから今日は・・・。」
自宅に帰った方が、と言おうとしたのだが何を思ったのかカカシは、ひょいとイルカを抱き上げてベッドまで運んでしまった。
さっさと横になったカカシは片腕をイルカのために差し出してくる。



「いいよ、腕枕。どうぞ。」と。
「あ・・・。ありがとう。」
電気を消してからイルカはカカシの腕を枕にベッドに横になる。
力強くて逞しい腕で、イルカの細い腕とは全く違う。
カカシが肩まで布団を掛けてくれた。
そして腕枕をしてない方の手でイルカの背を撫でてくれる。
ゆっくりとゆっくりと。
背中全体を撫でているのか、時折、カカシの手が腰まで下りてきたりした。



その仕草は子供をあやして寝かしつける態ではあったのだが。
撫でてくれるカカシの手の心地よさに、うとうととしながらイルカは思った。
カカシさん、前とは感じが、ちょっと違うなあ。
優しいところや叱ってくれるところは前と同じなんだけど。
なんていうか・・・。
イルカは目を閉じた。
カカシさん、雰囲気が変わったっていうか、男らしくなったっていうか。
よく解らないがカカシは、どこかが変わったような気がする。
しかし、その正体が何かは解らないままカカシの腕の中で、イルカは眠りに落ちていったのだった。





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