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うちの子どんな子かわいい子、おれのあの子はかわいい子20



長期任務が終わり木の葉の里へと帰還する道のりで、カカシの心は躍っていた。
二年ちょっと、里から離れて暗部の任務に出ていたので里に帰れるのは勿論、嬉しい。
だが、里へ帰れて嬉しい理由は他にもあった。
やっと、あの子に会えるとカカシは弾む心が抑えられない。
過酷な任務をしながら、あの子のことを忘れたことはなかった。
寧ろ、離れていればいるほど、あの子のことを鮮明に思い出すことが多かった。
早く、会いたい。
カカシは、あの子の名前を呟いた。
「イルカ。」と。




「おい、カカシ。」
カカシの浮き足立った様子を感じとったのか、一緒に里へと帰る暗部の仲間が話しかけてきた。
「なんだよ?」
「何やら、ひどく嬉しそうだが・・・。」
「いいでしょ、別に。」
「まあ、里に帰れるから嬉しいよな。」
うんうん、と暗部の仲間は頷く。
この仲間はカカシと同じ期間、同じ任務に就いていたので顔なじみだった。
おまけに出発前、里でも時々、顔を合わせていたのでカカシのことを、よく知っている。



「そういえば。」と暗部の仲間は思い出したように言った。
「里に帰ったら、あの、ちびっ子に会うのか?」
「・・・もう、ちびっ子じゃないと思うけど。」
ちびっ子とはイルカを指した言葉だった。
以前、イルカは腹を空かした暗部たちに食料を運んで来たことがあったのだ。
だからイルカのことも知っていた。
ついでに、その時のイルカの年齢のこともあるが、体が細く背も小さかったので暗部の誰かが、ちびっ子なんてイルカのことを呼び始めたのが切っ掛けで、ちびっ子の呼び名が定着してしまっていた。



「とにかく、会うんだろ?」
暗部の仲間は走りながら訊いてくる。
「うん、会うよ。」
イルカに会うために里に帰るようなものなのに、会わないわけがない。
「じゃあ、一つ助言をしてやろう。」
仲間は尤もらしく言った。
「序言?」
「助言だ、助言。忠告だ。」
「なによ?」
面倒くさそうにカカシが訊くと仲間を、びしっとカカシを指差した。
走りながらである。




「未成年には手を出すな!だ。」
「・・・・・・は?」
眉を顰めたカカシに仲間は更に言い募る。
「ちびっ子は大きくなったといっても、まだ未成年だろ。」
「ああ、多分・・・。今、十六歳くらいかな?」
「だろ。カカシは、もう二十歳で・・・。」
二年ちょっとしてカカシは、もう二十歳を越えて成人していた。
読みたかった十八禁の本も読める年齢になっていて、今では愛読書になっている。



「未成年相手によからぬことを考えるなよってことだ。」
その本みたいなことをな、とカカシが手にして本を指差す。
カカシは愛読書を肌身離さず、手に持っていた。
走りながら読んだりもする。
「ちびっ子は体は大きくなっているかもしれないが、外見だけで判断するなよ。」
「精神は、子供だってこと?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないし。十六歳といったら、まさに思春期真っ只中。人生で最も不安定な年頃だ。」
暗部の仲間は強調した。
「不用意なことして傷つけたりするなよ。」
「はいはいはい。」
カカシは適当に返事をして、自分がイルカを傷つけたりする訳がないと思ったのだった。




里に着くと、まずは任務終了の報告、それから自宅に帰った。
久しぶりの自宅は落ち着く。
少し、のんびりするとイルカに会いたくなってきた。
あれからイルカは、どうしたんだろう?
別れ際に怪我していたけれど、ちゃんと治ったのだろうか。
無性に会いたくなってきた。
イルカ・・・。
幼い寝顔や笑った顔を思い出すと居ても立っても居られない。
普通の忍服を身につけるとカカシはイルカの家へと向かった。



里の中を通り抜けてイルカの家へと向かう。
里の中は相変わらず賑やかで人が、たくさんいる。
きょろきょろとしながら歩いていると、ちょうど店が途切れる場所へと来た。
前は、この辺でイルカを再会したんだっけ。
懐かしくなる。
また、ここで会えないかと前方を見てみるがイルカの姿は見えない。
そうそう、都合よく行くわけないか、とカカシが諦めた時だった。
後方から、すごい速さで近づいてくる気配がある。
この気配は知っている・・・。
もしや、と振り返ったカカシの胸に飛び込んできた人物がいた。



「カカシさーん!」
どーんとぶつかる様にカカシの胸の飛び込んできたのは、あの子だった。
「イルカ!」
ぶつかってきたイルカを抱きとめて胸に抱く。
こんなに早く再会できるとは思っていなかったので夢のようだった。
「カカシさん!」
イルカはカカシを見上げてくる。
背は少し伸びたようだった。
顔つきも大人びて子供というより少年という言葉が、ぴったりとくる。
「お帰りなさい!」
その言葉にカカシは「ただいま。」と微笑んで・・・。



「帰ってきたよ、イルカ。」
そう言ってイルカを、しっかりと抱きしめたのだった。





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