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うちの子どんな子かわいい子、おれのあの子はかわいい子17



「ねえ、カカシさん。」
夜、ベッドに入って寝る間際、イルカが話しかけてきた。
もう電気は消してある。
「なーに。」
同じベッドで同じ布団に包まりながらカカシは答える。
ついでに欠伸もした。
今までイルカは就寝前にビデオを見る習慣というか、布団に包まりビデオを見ながらテレビの前で寝ていたのだがカカシが来てからは、きちんとベッドで寝るようになった。
いいことだ、とカカシは思う。
布団やベッドで寝た方が体には断然いいし、疲れもとれる。
食事も割合、まともに摂っているしイルカもだがカカシも健全な生活を送っていた。



「どうしたの?」
何やらイルカは眠れないらしい。
イルカの頭を、そっと撫でると、うつ伏せになり枕に顔を埋めたイルカが目だけカカシの方を向いてきた。
黒い瞳が暗闇の中、いっそう黒く見える。
「・・・あのさあ、呪いってあると思う?」
そんなことを訊かれる。
「呪い、ねえ。」
いきなり言われても何と返してよいのか解らない。
どう答えようか考えているとイルカが秘密でも告白するかのようにカカシに囁いてきた。
「父ちゃんがさ、この世には本物の呪いが存在するって言っていた。」
「お父さんが?」
「うん、内緒だぞって俺に教えてくれたんだよ。」
どうやらイルカは父親に言われたことを信じているようだった。



「ねえ、カカシさんは呪いって信じる?」
「えーと、そうだねえ。」
カカシは呪いなんて非科学的なことを信じていなかったが、イルカの父親が言ったことを無下にはできない。
「あるかもねえ、もしかして。」
イルカの気持ちに配慮して、そう答えた。
「お父さんが言ったのなら、多分、あるんじゃないのかな。」
「・・・やっぱり。」
大きな息がイルカの口から漏れた。
「呪いってあるんだ・・・。」



ちょっと絶望的な声を上げる。
「どうしたの、イルカ。」
イルカの反応にカカシの方が慌ててしまった。
呪いを否定した方がよかったのか?
「ううん、なんでもない。」
イルカは枕に完全に顔を埋めてしまった。
表情が見えない。
くぐもった声が聞こえる。
「おやすみなさい、カカシさん。」
顔を埋めた枕を、ぎゅっと抱きしめながらイルカは眠ってしまったようだった。



「どうしたのかな、イルカは。」
以前、イルカに言ったことなど疾うに忘れていたカカシは訝しげに呟く。
「急に呪いだなんて。」
眠ってしまったイルカを、うつ伏せでは苦しいだろうとカカシは小さな体に手をかけると起こさぬように細心の注意を払いつつ、仰向けに引っくり返した。
枕を、きちんと頭の下に入れてやる。
目を瞑っているイルカの寝顔は安らかで、安心しきっていた。
「可愛い顔して眠っちゃって、まあ。」
そっと頬を撫でると前に触った時のように、つるつるとしていて艶やかな感触だった。
「ほんと、可愛いなあ。」
飽きることなくカカシは、こっそりとイルカの顔を触っていたのだが、何かの拍子に指が逸れてイルカの唇に触れた。



イルカの唇は顔のどことも感触が違い、ふわんと柔らかくカカシの指を弾き返す。
ふっくらとしていて、健康的だ。
カカシは指でイルカの唇の端から端、上から下へと、ゆっくりとなぞる。
強烈に惹きつけられるような感覚に陥ってカカシはイルカの唇から、指を離せなかった。
もっと触ってみたい。
そう思うことを止められない。
なんだか悪いことをしているようで心臓が、どきどきと音を立て始めた。
なのに自分を止めることができない。



そんなカカシを知ってか知らずかイルカの睫が、ぴくぴくと動いた。
もしかして目を覚ますのかもしれない。
ふーっとイルカが息を細く吐いた。
それは目を覚ますのではなく、一段と深い眠りに就いた兆候でカカシは、ほっと安堵する。
「・・・起きてないよね。」
一応、確認するとイルカは、しっかりと目を閉じていた。
チャクラも安定していて起きている時とは違う。



「よかった。」
カカシはイルカの唇から、やっとのことで手を離した。
まだ、どきどきしている。
イルカの唇を触っていた指を見つめ、そっと自分の唇に当ててみた。
どきどきは収まらなかったのだが、でも、なんだか、それはひどく甘く優しく・・・。
今まで経験したことのないような感覚をカカシに齎したのだった。




次の日、朝食を終えたイルカを任務に送り出したカカシは、たいてい日がな一日、ごろごろしていた。
食事を作ったり食事の本を読んだりする以外は、ごろごろと寝ている。
偶に用事があって自分の家に帰ったりもするけれど。
基本、だらけていた。
「休みなんだからいいじゃない。」
それがカカシの持論だ。



さー、今日もだらけるぞ、と意気込んでいるカカシの目に白い小鳥が見えた。
窓の外に。
小鳥は任務を伝える式だ。
「えー、また任務?」
いやいや式を受け取り、その内容を読んだカカシの顔色が変わった。
「・・・・・・嘘だろ。」
そこには休暇を切り上げて任務に行くように、と書かれていたのだった。






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