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それからどしたの?うさぎちゃん 5



その日は飼育ゲージの中で一晩過ごしたけど、結局、今はゲージの外にいる。
カカシ先生が「いい子だから、ゲージの外でも大丈夫だよね。」と出してくれたのだ。
勿論、俺はいい子にしてるので大丈夫だ。



ただ。
ご飯が野菜ばかりなのが辛い。
兎の身なので、野菜が美味しく感じられるんだけどさ、でもさ。
ラーメンが食べたいんだ!
任務の後は、ラーメン食べるって決めてるんだ。
なのに。



俺はしょりしょりとレタスを食べた。
さっきは人参食べて大根の葉っぱなんかも食べちゃって、なんて健康的なんだ。
でも野菜はもう飽きた。
飽きたのに食べてしまうのは兎の性分なのかな。
「おー、いっぱい食べたねえ。」
カカシ先生が褒めて体を撫で撫でしてきた。
「ご褒美にこれ、食べる?」
目の前に差し出してきたのはバナナ!
「兎はバナナ、食べていいんだって。」
バナナを剥いて小さくして食べさせてくれる。
バナナが美味くて俺は夢中で食べた。
あっと云う間に一本食べたらしい。
「お終いだよ、うさぎちゃん。」
カカシ先生が食べたバナナの皮を揺らして中味がないことを俺に確認させた。
そっか、残念。
でも満腹だからいいや。
満腹になると眠くなってきた。
うとうとすると、カカシ先生が抱き上げてゆらゆらと揺らしてくれる。
「うさぎちゃん。」と呼ばれながら。
なんて心地良いんだ。



三日が過ぎた。
好きなだけ眠って、ご飯食べてカカシ先生に撫でてもらって抱っこしてもらって。
なんか幸せ、兎でも。
怪我の手当ても小まめにしてくれて、もう直ぐ治りそうだし。
兎も悪くないなあ。
なんて夢見ていたが、はっと気がついた。
行方不明の俺の元生徒はどうなったんだろうか?
こんなことしてる場合じゃないじゃないか!
兎になってるから、脳みその容量が少なくて、大事なことをすぐ忘れてしまうのか。
俺ってやつは〜。
駄目駄目じゃん。





どうしよう、俺の元生徒がどうなったのか聞きたい、知りたい。
そう思って、俺を抱っこしているカカシ先生の顔を熱心に見ていたら、カカシ先生の顔がふっと緩んだ。
「あー、そういえばねえ。昨日、少年の忍が見つかったんだよねえ。何でも道に迷っていたとかで。」
そ、そうか、良かった。
はあ、安心した。
「でもねえ。」
カカシ先生の眉が寄る。
「イルカ先生が見つからないんだって。」
俺・・・ここにいるから、まあ、何とかなるさ。
「で、疑問が一つ。」



カカシ先生が俺を自分の目の高さまで持ち上げた。
「じゃあ、今、俺のとこにいる、このうさぎちゃんは誰でしょう?」
目が細められて、ニヤリとされた。
「この可愛いうさぎちゃんは誰かなあ?」
誰かなあって言われても。
中忍の海野イルカです。
「解術薬、飲ませたらいったい誰になるのかなあ。あ〜楽しみ〜。」
妙な方向に話が流れているような。
解術したら誰になるかなんてことを、カカシ先生はどうして楽しみにしているんだろ。
「実はさ〜、俺、この可愛いうさぎちゃんが誰なのか心当たりがあるんだよね。」
カカシ先生は何を言おうとしているんだ。
俺だって分かっているのか?
「多分、恐らく、俺の想像で間違いなんだけど。その人ね、俺が長年、想い焦がれていた人なんだよね。」
んん?
「子供の時分に一目惚れしちゃってさ、ずっと告白の機会を狙っていたの。」
「その時も兎に変化していたんだけどね。」とか言っている。

カカシ先生の恋愛話し、かな。
子供の時からずっと想っているなんて、すごい執念、いやいや情熱的な人なんだな。
「子供の頃はすごーく可愛くてね、大人になっからは随分カッコよくなっちゃったけど、子供の頃の可愛さは健在でね。」
時折みせる純情可憐な可愛さが堪らないの、とカカシ先生は頬染めて話している。
「大人になってからは話す機会が中々なくて大変だったけどね〜、やっと手に入りそうなんだよ。」って。




念のために言うけど、俺じゃないよ、ね?
俺、間違っても可愛くなんてないし、純情可憐なんて言葉とは一生無縁だし。
でも。
子供の頃に変化に失敗して兎になったことを今、思い出したけど。
その時に妙な服装の男の子に捕まって逃げるのに苦労したけど。
どうにか変化を解いて逃げ出したんだけど。
俺をとっ捕まえた、その男の子は銀髪で顔半分に覆面をしていたけど。
カカシ先生じゃないよね・・・。





ふふふ〜とカカシ先生は笑って。
「うさぎちゃんが、その人だって判明したのは里に帰ってきてからなんだけど。ああ、最初に早まって喰わなくて本当に良かった。」
喰っちゃったら無くなっちゃうもんね、心も体も何もかも。
そうなったら後で本当に喰えなくなっちゃう、って言っている。
「体は兎だけど、ここ数日、一緒にいられて本当に幸せだったんだよね〜。だって俺一人だけのものだもの。俺だけが独占できて誰にも会わない。最初は人間としての意識があるか、心配だったから色々とカマをかけたりしたけど。」
ほら、ナルトのこととか元生徒のこととかね。
「案の定、反応があったよね。」





楽しそうな意地悪そうな顔をして兎の俺をじっと見るカカシ先生。
ってことは・・・。
俺が誰か知っているのか、カカシ先生は。
そして、カカシ先生は俺の名を呼んだ。



「ね、イルカ先生。」




それからどしたの?うさぎちゃん 4
それからどしたの?うさぎちゃん 6



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