AIで普通の動画を3D動画に変換する


地球征服物語 5



※イルカ先生に流血表現あり




「あのね〜。」
カカシは呆れたように溜め息を付いた。
「死んでいい人間なんているはずないでしょ。」
強い口調だったが諭すように、宥めるように言う。
それでもイルカはカカシを見ない。
「何か訳があるんでしょ?いい加減言ったら、どうですか、イルカ先生。」
何かに耐えるように目を閉じたイルカの髪を落ち着かせるように撫でながら、カカシは辛抱強く言い聞かせるように言う。
幼い子供に言うように。
「イルカ先生は本当はこんなことしたくないんでしょ?」
ねえ、と優しい声を出す。
「言ってみなさい。イルカ先生。」




イルカが目を開けて静かにカカシを見た。
その目は、いつか月夜の晩に見た悲しそうな目であった。
「俺。」
イルカは言った。
「人間じゃないんです。」
「・・・え?」
「人じゃないんです。」
「・・・・・・え?」
「地球人じゃないんです。」
カカシは無言になってしまう。
予想もしない告白で、柄にもなく混乱していた。





人間じゃないって、どういうことだ?
毒が強くて記憶に影響が出たのか?
いや、解毒剤を間違って脳に何らかの影響が?
それとも・・・、とカカシが考えを巡らす横でイルカは起き上がった。
ベッドの傍にあったホルダーからクナイを取り出す。
「言っただけじゃ信じてもらえないと思うので。」
実際に見てください、とイルカがクナイを指先に当てて、すっと横に引いた。





しかし、切れた指先から滴り落ちたのは真っ赤な血だった。
「ちょっと、イルカ先生。」
イルカの突然の行動に焦るカカシは慌てて傷口に布を当てて止血しようとする。
だけども「あれ?」とイルカは眉を曇らせた。
「おかしいな。」
そう呟いて、もう一度今度は手首にクナイを当てる。
何をしようとしているのか一目瞭然でカカシは慌てて制止した。
「イルカ先生、止めなさい。」
しかしイルカは首を振る。
「大量に血が出ないと駄目なのかもしれません。よく見ていてください。」
一瞬ですから、とイルカは勢いよく手首にクナイを走らせた。





一瞬よりも少し長くそれは見えた。
「緑の血!」
手首から流れ出た血は鮮やかな緑色だった。
だが、それは見る見るうちに赤色に変わる。
「見ましたか?カカシ先生。見ました?」
興奮したイルカが聞いてきたが、カカシはそれどころではない。
「見ましたけど。早く血を止めないと。」
カカシは、上忍の力を発揮して、これまでにない速さでイルカの止血をする。
ぎゅっと傷口を押さえて、そのままイルカをベッドに戻した。
イルカは尚も興奮気味に「見ましたか?分かりました?」と喋っている。
止まりそうもない。
こりゃ、駄目だ。
そう感じたカカシが、先ずしたことはイルカを眠りに就かせることだった。
色々聞きたかったが、写輪眼を使って強制的に眠らせた。




騒動があった次の日。
「はあ。」
カカシは上忍の控え室で深い溜め息を付いていた。
「はあ。」
溜め息は止まらない。
あれからカカシはイルカを眠らせ、丁寧に傷口の手当をした。
血がたくさん出たものの、縫うほどの傷ではなかったの一応安心はしたのだが。
そして、今日はイルカは強い毒を摂取したために体力が落ちており尚且つ出血もしたので、カカシの家で休ませている。
今日一日起きないように術も使って眠らせてきた。
イルカの勤務先のアカデミーにも連絡はして休暇は受理されている。




けれど。
カカシの気は重く溜め息は止まらない。
昨日見たイルカの血は一瞬だったが確かに緑色で、でも見ている前で直ぐに赤色に変わった。
念のために成分も調べたが普通の人間と大差はなく、イルカ自身の体も眠っているうちに調べさせてもらったのが異常なところはない。
幻術かとも疑ってみたが、それもない。
地球人じゃない、と言った意味も解せない。
答えが分からなくて、うーんうーんと唸っていると肩をぽんと叩かれた。




「ん?アスマ、なんか用?」
同僚で上忍の、髭を生やした大男のアスマだった。
「いや。な〜。」
アスマはタバコを銜えながらカカシの横に腰を下ろす。
「面白い噂を聞いたんでな。」
「噂?」
「ああ。」
そこでアスマはカカシを横目で見た。
「カカシが中忍を苛めている、ってな。」
「はあ?」
カカシは間が抜けた声を出した。
寝耳に水だった。




「中忍苛め?」
「ああ。」
「俺が?」
「ああ。」
「やるわけないでしょ、馬鹿馬鹿しい。」
カカシは一蹴したがアスマは食い下がってきた。
「だがよ、かなりの確証はあるんだぜ。」
「確証って?」
カカシは不機嫌を露わに尖った声を出した。
アスマは厭わず、あることをカカシに聞いた。



「イルカ先生は、どこにいる?」



「どこって・・・。」
話題が飛んで、カカシは意表を突かれた感じになる。
こんなことを聞かれるとは予測していなかったからだ。
「イルカ先生なら、俺の家にいるけど。」
「何してる?」
「寝てる。」
「どうして寝てるんだ?」
「毒飲んで手首切ったから。」




アスマは息を飲み目を見開いた。
次に険しい目つきでカカシを睨む。
「毒飲んで、おまけに手首切ったって!」
「ああ・・・。」
経緯を説明しようとしてカカシは口を開いたが、先のアスマの言葉に唖然となった。




「別れ話が拗れたのか?」
「はい?」
不可解な話が続く。
「だから、中忍のイルカを苛めているんだろ?」
カカシは激しく目を、ぱちぱちさせた。
話の展開に、どうも付いていけない。
「カカシとイルカは密かに付き合っていたが、最近別れ話が出た。」
アスマは噂の内容を話してくれた。
「別れたくない片方は、相手に毒をもったり自殺未遂までさせている。」
「もしかして。」
嫌な予感がする。
「別れたくない方って・・・。」
アスマの人差し指が自分の方を指す。
カカシは念のために周りを見渡し、自分ではないことを確認しようとしたんだがアスマは、あっさりと言った。
「お前、イルカと別れたくないんだろ?」
最後通牒を突きつけられた。




地球征服物語 4
地球征服物語 6



text top
top