AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


トラトーレ 2



火影室から連れ出されたイルカは、カカシが少々不機嫌なのことに気づいた。
もしかしたら、自分のせいかもしれない。
思い当たることはある。
「カカシ先生。あの。」
「何でしょう?」
火影室から離れた場所でカカシは足を止めた。
握った手を離さずに、イルカを見る。
「怒ってますよね?」
恐る恐るイルカは聞いてみた。
「何で?」
「何でって。俺が、虎のカカシ先生に触ったからです。」
「触ると、何で怒ると思うんです?」
「だって、虎に変化したとはいえ、男が男に触るなんて気持ち悪いでしょう。」
イルカは項垂れて。
「すみません。あんまり虎のカカシ先生が可愛かったから。」
と小さな声で詫びる。
カカシはイルカの様子を見て肩を竦め、握った手を持ち上げた。
「触られるのが嫌なら、何ゆえ俺とイルカ先生は、未だ手を繋いだままだと思いますか?」
「え?」
「火影室から出て、手を離してませんよね。」
「はい。」
「イルカ先生と俺、男同士なのに手を繋いでますよね?」
イルカは少し考えて。
「手を離すのを忘れていた??」
「違います。」
「カカシ先生が実は男じゃない?」
「ちっがいます。」
「手繋ぎマニア?」
「ちっがっいます。」
イルカの答えを聞くに連れて、カカシの顔がどんどん険しくなっていく。
ついでに、不機嫌に拍車が掛かってか、妙な迫力も出していた。
正直、イルカはカカシが怖くなってきて手を離してもらいたかったのだが。
中忍は上忍には敵わず、手を振り切れない。
「え、えーと。」
イルカは、破れ被れな気分で言ってみた。
「俺と手を繋いでいたかったから。」
ふっと、繋いだ手の力が緩んだ気がした。
「もしかして、俺が好きとか。」
なんちゃって、とイルカは冗談のつもりで言い、笑うことで少しでも場を和ませようと思っただけだったのだが。
結果は意外な方向に出た。






カカシは、ゆっくりとイルカから手を離して。
真剣な眼差しでイルカを見た。
今まで見たことないような表情で。
静かに言った。
「当たりです。」



当たりです、とカカシの声がイルカの中に入ってくる。
しかし、意味を解らない方がいいような気がするのは何故だろう。
当たりです、と聞く前に自分は何と言っただろうか?
「え?今なんて?」
イルカは聞き返してみた。
きっと空耳だ、と思おうとしたのか。
「祟りです、って言いました?」
変な風に解釈している。
「あ、ハッタリです、とか。」
「違います。」
カカシは遮り、強くきっぱりと言った。
「当たり、と言ったんです。」
あり得ない状況にイルカはカカシから一歩退いた。
ちょっと顔が青ざめ気味だ。
「俺がイルカ先生のことを好きだということが、当たりです、と言ったんです。」
カカシがイルカに一歩近づいた。
そして、告白した。



「イルカ先生、好きです。」



突然のことにイルカは動けない。
「本当は、今、言うつもりはなかったのに。」
カカシはイルカを睨んだ。
「イルカ先生が言わせたんですからね。」
責任とって貰いますから、と強気に出ている。
「ええ〜。そんなあ〜。」
「そんなあ、じゃありません。」 それはこっちの台詞ですよ、とカカシは溜め息をついた。
もっと、二人の間が好いムードになったら告白しようと思っていたのになあ。






カカシの突然の告白に驚いていたイルカだが、以外に立ち直りは早かった。
「で?具体的に責任て、どう取ればいいんでしょうか?」
心配げに聞いてくる。
「責任っていっても、俺、お金ないですよ。」
「愛にお金は要りません。」
「じゃあ?」
うーん、とカカシは考えて。
「とりあえず、今まで通りでいいんじゃないですかねえ。」
「今まで通り?」
「ええ。今のまま、お互いの家に行ったり来たりして週末泊まったりもしてね。ご飯も食べに行ったり。」
そう言うと、イルカは安心したようだ。
「そうですか。良かった。」
安心して微笑んだ。
「じゃ、カカシ先生。今まで通りってことで。」
それでは、と爽やかに立ち去ろうとするイルカをカカシは引きとめた。
「ちょっと、イルカ先生。安心しすぎですよ。」
「え?」
「俺の気持ちを知ったなら、少しは意識してください。」
「はあ。」
「これから、俺のことはカカシ先生ではなくて『カカシさん』て呼んでください。」
「家にいる時や二人きりの時は、いつもカカシさんて呼んでるじゃないですか。」
「これからは外でもです。それから・・・。」
「それから?」
こほんとカカシは咳をして。
イルカの両手を包み込むように握る。
「俺と、恋人を前提にして付き合ってください。」
瞳を必要以上に、キラキラ煌かせて、格好良く微笑んだ。






トラトーレ 1
トラトーレ 3



text top
top