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ネコは人にあらず7



カカシの膝に懐いたイルカは、その夜、カカシの家に泊まることになった。
イルカがカカシから離れたがらなかったこともある。
まあ、イルカ先生、明日は休みだって言っていたしなあ。
店でのイルカの発言を思い出す。
自分の膝を枕にして、喉を鳴らさんばかりに懐いているイルカと実は一緒にいたいと思ってしまったのもある。
・・・・・・別に何しようって訳でもないし。
カカシは自分を納得させた。
ネコみたいなイルカ先生が可愛いから撫でたいだけだから。
その思考は危なくはないのか?とアスマがいたら突っ込まれそうだ。
可愛がりたいだけなんだからいいよね?
悪いことしようとしてないし。
これまた悪いことって何だ?と突っ込みたくなる。
そうそう、大丈夫だオレ。
膝の上のイルカを撫でることに無心することで面倒な考え事から逃げようとするカカシであった。



「あ、そうだ」
カカシは膝の上にイルカに話しかけた。
「イルカ先生、風呂に入りませんか?タバコの臭いがすごいでしょ?」
喫煙者のアスマの隣に座っていたイルカにはタバコの臭いが染み付いている。
カカシもタバコ臭い。
「風呂、沸かしますからイルカ先生、先に入っていいですよ」
イルカは風呂が好きらしいということをカカシは指導している下忍の子供たちから聞いていた。
もっと詳しく言えば風呂ではなく温泉が好きなのだという。
だから、まさか断られるとは思ってもみなかった。
「風呂は嫌です」
「え、嫌?」
「水は嫌いです」
「ああ・・・」
そういえば、一般的にネコは水が嫌いらしい。
カカシは忍犬を使役しているので犬の習性なら詳しいがネコは、何となくしか知らなかった。
「そう、でもさー」
困ったな、と思いながらカカシはイルカを説得した。
「風呂に入らないと臭いが取れませんよ。そのままでもいいですけど」
できたら風呂に入ってほしい。
「タバコの臭いが布団に付くのは・・・」
タバコ臭い布団で寝るのは勘弁だ。
しかしカカシの言葉にイルカの耳が、ぴんと立った。
「もしかして」
きらんと光る目でカカシを見る。
「風呂に入ったら、このベッドで寝れるんですか?カカシさんと一緒に?」
「え、そうだねえ。うちに布団ってかベッドは一つだし」
「じゃあ」
イルカの耳が、ひくひくと動く。
「オレ、風呂に入ります」
「嫌いじゃなかったの?」
「嫌いですけど頑張って入りますから」
「そうしてくれると助かるけどね」
「分かりました!」
返事をしたイルカはご機嫌で風呂場に向かう。
「あ、イルカ先生。着替えはオレの貸しますから。バスタオルはこれ使ってね」
「はーい」
イルカは元気よく風呂場に消えていった。
「なんかさー」
カカシは、ぽつりと呟いた。
「ネコの耳と尻尾が生えてからイルカ先生の性格が変わったような気がする・・・」と。




風呂から上がって来たイルカは明らかにトーンダウンしていた。
というより、落ち着いていた。
ネコの尻尾が消えていた、耳は残っていたけれども。
「イルカ先生?」
話しかけるとイルカは弱弱しく微笑んだ。
弱っているイルカを見るのは初めてで、どきりとしてしまった。
よっぽど風呂が嫌だったのか。
「何ですか?」
「えーと、大丈夫?」
そんな言葉しか出てこない。
「はい、大丈夫です」
「なら、いいけど・・・」
釈然としないが、しょうがない。
「オレも風呂に入ってきますが先に寝ていていいですよ」
布団を捲って、ぽんぽんと叩く。
「はい・・・」
心なしか、しょんぼりとしている。
どうしたのかなあ。
そんなに風呂というか水が嫌だったのかな。
イルカに元気を出してほしいとカカシは思ったのだが慰め方が解らなくて。
垂れた頭と耳を黙って、よしよしと撫でたのだった。



カカシが風呂から上がるとイルカは既に眠りに就いていた。
丸まって眠っている姿はネコのようだった。
「ふふ。可愛いなあ」
気配を消して静かに近寄ったのにイルカのネコの耳は、ぴくりと反応した。
しかし目は閉じたまま。
安心して眠っている。
カカシに心を許しているのか。
空いている場所に体を滑り込ませてカカシは寒くないように布団をイルカに被せた。
するとイルカは無意識に、すりと体を摺り寄せてきた。
二人で、くっ付いていると温かい。
その夜、カカシは久しぶりに熟睡した。
深い眠りに落ちた。
次の日の朝。
目覚めるとカカシの隣で、まだイルカは眠っていた。
そしてネコの尻尾も再び、生えていたのだった。





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