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台風少年8



カカシがアスマ共に任務に就いたときだった。
任務の合間にアスマがポツリと呟いた。
「イルカの様子がおかしいんだ。」
「イルカが?おかしいって何が。」
「長期任務から帰ってきてから、俺に近寄ってこない。」
「近寄ってこないって、犬猫じゃないんだからさ。」
「そういう意味じゃねえさ。」
アスマは眉間に皺が寄る。
「距離を置かれているっていうか。帰ってきてから笑ったところ見てねえし、俺のことも猿飛上忍なんて鯱張って呼ぶんだよ。」
「ふーん。」
横で聞いていたカカシは、あっさりと言った。
「考えすぎなんじゃないの?一年以上離れていれば、成長して考え方も変わって大人にもなるだろ。」
「まあな。」
「要するに、親離れ子離れの時期ってことなんだよ。」
暗にアスマが心配性だと茶化すように言ってやれば、アスマが怖い目で睨んでくる。
「俺だって、イルカは成長したなと思っているさ。でもなあ、怪我も治らないうちから徹夜で勉強したり鍛錬したりと自分の体を省みないで無茶しているから、傍から見ていてハラハラしているんだぜ。」
「怪我?」
「ああ、任務の帰還間際に怪我して療養していたから、イルカだけ帰還が遅れたらしい。この前、会って怪我に気が付かなかったのか?」
「いや・・・。」
カカシは力なく答える。
気づけなかったことに少しショックを受けた。
イルカは気づかれないように血の匂いを消していたのだろうか。
「なあ、カカシ。」
アスマが相談事を持ち掛けるように言ってきた。
「お前、イルカと年が近いだろ。何か悩みか心配事でもあるのか聞いてくれないか?」
「俺が?」
「頼むよ。」
アスマが両手を合わせて頼んでくる。
断れない雰囲気が漂って、結局引き受けてしまった。
慣れないことを頼まれたかも、とカカシはちょっと後悔した。



アスマとの任務が終わってから、イルカが、いつも鍛錬しているという、里の賑わいから外れた場所にある演習場に行ってみた。
もう、夕暮れなのでイルカはいないかもしれない。
いないといいな、いや、いなくても探して話してみないといけないしな・・・。
そんなことを思いながら、演習場を除くと果たしてイルカは、そこにいた。
夕暮れ時の薄暗い中、演習場の真ん中に正座していて俯き動かない。
両手を固く握って膝の上に置いている。
その姿は何かを耐えているような、反省しているように見えた。
どんな表情をしているのか、気になってカカシは顔が見えるところまで、そっと静かに近づいた。
イルカは、きつく唇を噛みしめて目は閉じていない。
どこか、一点をじっと見つめていた。

妙に緊張した空気が漂っていて、声が掛けづらかった。
カカシがどうしようか、迷っていると不意にイルカが顔を上げた。
カカシの方を見たので視線同士が、かち合う。
ところがカカシを見たはずのイルカの目は、すぐに伏せられた。
「・・・イルカ。」
どうしたものか、と考えながらカカシはイルカの正面に周り下から見上げるように顔を覗き込んだ。
「何しているの?」
イルカは答えない。
「髪、切ったんだね。」
確か、イルカに先日会った時は髪が腰の長さまであったのだが、今は一番最初に会った時くらいの短さに戻っていた。
結った髪が頭の上で風に吹かれて揺れている。
「もう、夜になるよ。帰ろうよ。」
辺りは薄暗くなってきていた。
カカシが帰宅を促してもイルカは、それでも無言だ。
「ねえ。」
痺れを切らしたカカシは、イルカの手首を持って強引に立ち上がった。
すると、イルカがカカシの手を振り払われた。

「触るな。」
一瞬だけ目が強く光り、ぎらりと睨まれる。
「・・・・・・ごめん。」
すぐにイルカはカカシから顔を逸らして、小さい声で謝ってきた。
「・・・今は一人にしておいて。」
呟くように言ってくる。
「でも、晩飯まだなんだろ。」
再び、黙り込んだイルカの手をカカシは掴むと、今度は振り切れない強さで引っ張って歩き出した。
「どっか、晩飯食べに行こ。」
返事も待たずにカカシは、そう決めた。



カカシに引っ張られるイルカは抵抗せずに素直に付いて来る。
顔は俯きがちで黒髪の頭だけが見えた。
どうしたもんかな?
イルカに、どう話しかけたらいいのか、カカシには分からない。
とにかく、どこかで早く飯でも食べよう、食べながらだったら話題も出るかもしれないし。
ご飯を食べることで、どうにかなるとカカシは結論付けた。


食事をするために繁華街近くまで歩いていくと、カカシに話しかけてくる者がいた。
「おい。カカシじゃないか。」
知り合いの上忍だった。
「なんだ。あんたか。」
知り合いが現れたことでカカシは少し、ほっとしてしまう。
何も話さないイルカと二人で気詰まりで、自分でもどう話していいのか分からなかったからだ。



その知り合いの上忍はイルカにも話しかけていた。
「海野も一緒か。珍しいな。」
イルカは途端に背筋を伸ばして、きっちりとした態度になった。
「はい。その節はお世話になりました。」
堅苦しい声と言葉で挨拶をしている。
手はまだ、カカシに繋がれたままだった。
上忍はイルカを気遣うように聞いている。
「・・・傷はもう、治ったか。」
瞬間、イルカの顔は強張った。
それが繋がれた手からカカシにも伝わってきた。
イルカの目じりが、きりりと上がる。
「はい。大事ありません。」
「そうか。」
上忍は安心したように頷いた。
「良かった、心配していたんだよ。」
しかし、その言葉にはイルカは応えず頭を下げる。
「お気遣いは無用です。・・・・・・私はここで失礼します。」
あっと云う間にカカシの手を振り解くとイルカは全力で、あっという間に走って行って見えなくなってしまった。



「ああ〜、イルカ〜。」
カカシがイルカの消えた方向に虚しく手を伸ばしたが後の祭りだった。
がっくり、肩を落として恨めしそうに話しかけてきた上忍を見る。
「もう、イルカとご飯食べに行くところだったのに。」
「そりゃ、悪かったな。」
上忍は申し訳なさそうに頭を掻く。
それから、思いもかけぬことを言った。
「海野は、カカシに懐いているんだな。」
「懐いている?」
驚いたカカシが聞き返すと、知り合いの上忍は「ああ。」と頷く。
「だって、あいつ、以前に俺の部隊にいた時は、すごい人見知りが激しかったんだぜ。」


知り合いの上忍は、カカシの知らないイルカのことを詳しく話し始めた。





台風少年7
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