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台風少年19



キスの最中にイルカの口から何かがカカシの口に移されてきた。
多分、さっきの錠剤であろうことは予想されたが、キスを中断したくなかったカカシは錠剤を、ごくりと飲み込んだ。
そしてキスを続ける。
腕の中にイルカがいて自分とキスをしている。
そのことに酔いしれてキスすることに夢中になっていた。
好きな人とのキスって、こんなに気持ちのいいものなんだ。
キスが醸し出す甘い雰囲気にカカシは、うっとりとしていたのだがイルカは違っていた。



カカシの薬を飲ませるという目的を果たしたイルカはカカシの腕の中から出ようと必死に、もがいていたのだがカカシの腕の力が余りにも強く容易に抜け出すことは出来ないでいた。
「んんっ!」
キスをしながらイルカは呻いてカカシを突っぱねようとしていたのだが上手くいかない。
それどころか、どんどんとカカシのキスが深くなり救助に来たのに、それが意味を成さなくなってきてくる。
キスによって気持ちが高揚し、体が甘く痺れつつ手足の力が奪われ、雰囲気に流されてしまいそうになっているイルカは最終手段に出た。
がっ、とカカシの脇腹を肘で突いたのだ。
怪我をしているカカシの脇腹を。



「いってー。」
脇腹を押えてカカシは、しゃがみこんだ。
「ひどいよ、イルカ。」
恨めしそうにイルカを見上げる。
「キスの最中に、こんなことするのはマナー違反だよ。」
「・・・キ、キスにマナーなんてないだろ。」
漸く、カカシから開放されたイルカは息を切らせていた。
顔は真っ赤になっている。



「こ、こんな時に長々とキスするなんて何を考えているんだよ!」
「えー、最初に誘ってきたのはイルカじゃない。」
「さ、誘う!ば、馬鹿・・・。これは救助の一環としてカカシに薬を飲ますためのもので・・・。」
カカシの見詰められて、居心地悪くなったのかイルカの声は小さくなっていく。
「・・・キスとは違うから。」
ふい、と赤い顔をカカシから背けてしまう。
「可愛いなあ、イルカは。」
脇腹を押えながらカカシは立ち上がってイルカの顔を覗きこむ。
顔は、にやけていた。



「あのねえ、カカシ。こんなことやっている場合じゃないんだって。」
溜め息まじりにイルカは現実をカカシの突きつける。
「早くカカシは逃げないと。」
その言葉にカカシは、きりりと顔を引き締めた。
「逃げるって俺だけ?イルカはどうするの?」
「俺は・・・。」
言いながらイルカはカカシが見たこともないような印を素早く組み始める。
複雑な印を組む顔は真剣そのものだ。
イルカの手に集まってきたチャクラが、仄かな光を発している。
温かな光だった。



「俺のことはいいから。」
温かな光を放つ術をイルカはカカシに掛けていく。
「水を渡る術は術者であってもなくても一回に一人だけしか水の中を渡れないんだ。」
「え、じゃあ、イルカは・・・。」
「それに俺のチャクラの量じゃ、この術を使うのは一日二回が限度だし。」
カカシに術を掛け終わったイルカは、吹っ切れたように微笑んだ。
「俺は、ここで仲間の助けを待つから。カカシは一人で先に木の葉の里に帰るんだ。」
残酷なことを平気で言う。
「水を渡った先にはアスマ兄・・・さんたちがいるから心配ないよ。怪我の治療もできるように医療班も待機している。」
術を受けたカカシの体は透明になって霞んでいき、足元の水と同化し始めた。



「いやだ!」
カカシは叫んだ。
「イルカを残していくなんて、できない。」
透明になりつつある体でカカシは腕を伸ばして、イルカの手首を掴み体を引き寄せた。
「もしかしてイルカは帰ってこないかもしれないじゃないか・・・。」
悲痛な声がカカシから出る。
「死んでしまうかもしれない。もう会えないかも・・・。」
敵がやってくるだけでなく、炎に囲まれた、この場所にイルカを一人残して行くなんて考えるとカカシの胸は潰れそうになった。
いつになるか、だいたい、やって来るのかも分からない救出を待つなんて無謀ではないのか。
「俺なら大丈夫。」
なんの根拠もなくイルカは自信満々に言ってカカシの胸を押す。
「ほら、行くんだ。カカシ。」
さよなら、と最後に放ったイルカの言葉とともにカカシの体は水の中に解けていったのだった。




台風少年18
台風少年20





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