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台風少年14




後日、上忍の控え室で上機嫌なアスマからカカシは礼を言われた。
「イルカのこと、ありがとよ。悩みを聞いてくれたんだってな。」
背中を、ばんばんと叩かれる。
「ちょっと痛いんだけど、やめてよ。」
眉を顰めるカカシに構わず、アスマは言った。
「何か吹っ切れたみたいでよ。俺のことも前みたいに呼んでくれるようになったんだぜ。」
「あー、そう。」
「心配かけてすみませんでしたって殊勝に謝ってきたんだが、気にするなって言っておいたんだ。」
「へええ。」
「何が悩みだったのかは結局、言ってくれなかったが、思春期にはいろいろあるよな。」
「な、カカシ。」とアスマは言ってカカシを見て、ぎょっとした。



「なんで、いきなり機嫌悪くなってんだ?」
「さあね。」
カカシはアスマを目も合わせず、本にだけに視線をやっている。
「だいたい、アスマねえ。イルカにスキンシップが足りないんじゃないの?もっと構ってあげなよ。」
「そうか?」
アスマは思案顔になる。
「スキンシップ?裸の付き合いってやつなら、風呂は時々、一緒に入るけどな。それじゃ駄目なのか?」
「それは止めろ。」
即答したカカシは、じろりとアスマを睨む。
「風呂じゃなくて!普通に会った時、頭撫でるとか手を繋ぐとか抱きしめるとかあるでしょ。」
「抱きしめる?」
「あ、抱きしめるも手を繋ぐのも駄目。頭を撫でるだけにしろ。」
「なんで?」
少々、困惑気味のアスマだ。
突然、カカシが言い出したことに理解不能といった感じである。
「なんでって、なんでも。」
「だから、なんで?」
「俺が嫌だから!」
到頭、カカシは言ってしまった。



「はっはーん。」
途端にアスマは、にやりとした。
「焼きもちか?カカシ、イルカが気に入ったんだろう。」と図星を突いてくる。
「うるさいな。」
アスマはカカシの弱点を握って、ひどく楽しくなった。
「まあまあ、いいじゃないか。それよりも聞いたぜ。」
にやにや、とアスマは面白そうに笑っている。
「カカシ、彼女ができたんだろ?噂になってるぜ。」



ばさっとカカシの手から本が落ち間抜けな声が出た。
「はああ?何それ?」
「休日、女と手を繋いで、二人でソフトクリーム一つを仲良く食べて、指輪も買ってやったんだろう?」
知ってるぜ、と自慢げだ。
「黒髪に黒い瞳の麗しい美人なんだってな。」
アスマに噂を聞かされたカカシは落とした本を拾いながら溜息をついた。
「あのねえ。」
本に付いた埃を払う。
「それ、イルカだから。」



「・・・・・・なんだって?」
今度はアスマの口から間抜けな声が出た。
「・・・空耳か?幻聴?」
「空耳じゃないよ。この前、イルカが俺んちに泊まっていった時に二人で里中に出掛けたんだ。」
連絡したじゃない、と言うカカシを他所にアスマは目を丸くして驚いている。
言葉が出ないようだ。
「それにちょっと間違っている。一つのものを二人で食べたんじゃなくてイルカが食べているのを俺が一口貰っただけだし。指輪は、まあ、買ってあげたかな。」
どうしても欲しいって強請られたから、あ、因みに薬指に合うやつをね、とカカシは少し誇張して言ってみた。



「な、な・・・。」
「七?」
「ま、ま・・・。」
「ママ?」
アスマの口から出た言葉にカカシが首を傾げる。
「暗号?」
「違う!なんだって!まさか、カカシ、お前、イルカのこと・・・。」
好きなのか?と聞こうとしたのだがカカシは、きょとんとしていた。
「イルカがどうしたの?」
アスマの言わんとしていることがカカシは分かっていないようだ。
そんなカカシの様子を見て、アスマは浮かしけた腰を再び椅子に下ろした。
「いや、いい。」
「何がさ。」
「俺の勘違いかもしれないしな。」
勘違いであってくれ、とアスマは密かに願った。



カカシはイルカに対する自分の気持ちに明確に気が付いていないようである。
自分の気持ちに気が付いて、イルカとそうなったらなったで応援しなくでもないが、でもなあ、とアスマの心中はかなり複雑だ。
イルカが気になっているカカシ、その気持ちが何なのか分かるまでは、今少し時間が必要であった。



「ねえねえ。」
カカシは拾い上げた本に再び目を通しながら、さり気なくアスマに聞いてきた。
「イルカさあ。」
「あ?」
「俺のこと、何か言っていなかった?」
「ああ、うん?そうだな、優しい人だって言っていたな。」
「それで?」
「頼れる人だとも言っていたな。」
「・・・ふーん。」
それを聞いたカカシの雰囲気が急激に柔らかくなり、そんなカカシを横目で見ながらアスマは溜息混じりに煙草に火を点けた。




それからカカシには任務で忙しい日々が続き、やっと休みが取れた、ある日。
里中に赴くと偶然にもイルカに出会った。
泊まっていった日を境にイルカに会っていなかったカカシの胸は不用意にも高鳴ってしまう。
手を挙げて自分の方に向かって来るイルカの指には、きらりと光るものが見えた。
以前に、二人で出掛けた際に買ったあげた指輪である。
それを見てカカシの胸の鼓動は更に高鳴ったのであった。





台風少年13
台風少年15




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