AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


それからは、ずっと幸せ2




「ありがと、ネジ。」
付き合わせてごめんな、とそう言って立ち上がると、ふらりとした。
思いのほか酔いが回っているのかもしれない。
ふらりとしたところをネジがさっと支えてくれた。
「大丈夫ですか?ちょっと酔っているみたいですね。」
気遣ってくれるネジ。
ネジはアカデミーを卒業して背が伸びたのか、身長はもう俺と殆ど変わらない。
逞しくなったなあ。
「イルカ先生?家まで送りましょうか?」
「いや、いいよ。」
宵の口とは言え、もう夜だ。
これ以上子供に迷惑は掛けられない。
だから「一人で帰れるよ。」と言おうとした、その時。




冷たい風が吹いて鋭い気配がしたかと思うと、目の前にカカシ先生が立っていた。
俺たちの方をを睨んでいる。
もしかして俺に文句でも言いに来たのかな・・・。
でも俺はカカシ先生を見ていられなくて視線を逸らした。
さっきのことを思い出したくなかったので今、会うのは可なり、きつい。




「その人から離れて。」
カカシ先生から声がした。
「返してくれる?」
・・・どういうことだろう?
俺が考えあぐねているとネジが先に答えた。
「だったら、もっとよく考えて行動したらどうですか?」
俺の横でネジはちょっと溜め息を付いている。
「解っているのに解ろうとしないのは駄目だと思いますよ。」
二人の話の先が見えてこない。
頭がくらくらしているので話の内容が纏まらないし。
こんなことなら酒なんて飲むじゃなかった。
「そういう態度は時に人を傷つけます。」
ネジの言葉にカカシ先生は言葉短く答えた。
「関係ないだろ。」
そうして眼差しが益々きつくなった。
ネジも負けず嫌いなのか言い返している。
「関係あるさ。俺はアカデミーでイルカ先生に時々だが指導を受けたこともあったし、イルカ先生はヒナタ様の大事な先生でもある。」
なのに何で、とネジが目を眇める。
「イルカ先生を悲しませるようなことをするんだ。」




「・・・ネジ。」
俺は、やっとのことで声を出した。
「もう、いいよ。」
頼りない声が出てしまう。
話の焦点は俺らしい。
ネジは俺の為に憤ってくれているみたいだけど、その気持ちだけで充分だ。
もういい。
それに悲しい気持ちに拍車が掛かって胸が苦しくなってきた。
自分が蒔いた種とは云え辛い。
この場に居るのは居た堪れなかった。




「帰るよ。」
呟くように言って俺はネジから体を離すと、残っていたビールと空き缶を拾って手に持ち、ぺこりと一礼すると二人に背を向ける。
二人がまだ何か言っているのが聞こえたけど、何を言っているのか分からなくて一人で夜道を、とぼとぼと帰った。




家に着くと、どっと疲れが押し寄せてきて荷物を其処ら辺に放り投げベッドに横になった。
考えまいとしても、先刻の出来事が頭の中をぐるぐるする。
カカシ先生は何で来たんだろう?
俺のことを振ったのに。
カカシ先生、と思うだけで再び胸が苦しくなった。
初めて会った時から、何かと俺のことを気にかけてくれたり優しくしてくれたりしたから、いつの間にか好きになってしまっていた。
・・・好きになっただけなら良かったのに。




後悔が押し寄せて胸が苦しくてしょうがない。
考えるのは後にしよう、今考えるのは駄目だ。
落ち着いてから考えよう。
だから今日はこのまま寝てしまおう。
俺は眠るために無理矢理目を閉じた。




こつこつこつ、と遠くから音が聞こえる。
玄関の方から音が聞こえた。
誰かが玄関のドアを叩いているのか。
夢現な俺は夢の中で音を聞いているような感覚に陥る。
そんな俺を起こすように音はもう一度聞こえた。
こつこつこつ、と控え目に。
夢じゃない、と俺は目を開けた。
こんな時間に誰だろう?
緊張して体がベッドの中で固まった。
でもベッドの傍の時計を見ると帰ってきてから左程時間は経っていない。
もしかしてネジ・・・とか?
気になったので玄関のドアを開けると、そこに居たのはカカシ先生だった。






それからは、ずっと幸せ1
それからは、ずっと幸せ3





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