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それからは、ずっと幸せ1




俺は川岸で夜空に向かって叫んでいた。
「自分のばかっー。」
誰も居ないから、もう一度大声で叫ぶ。
「人生のばかやろーっ。」
前にも、こんなことがあったような気がするが、この際構うもんか。
叫びすぎて息が切れてきたので、手に持っていたビールを飲んで喉を潤した。
ぐいぐいと飲むから直ぐにビールは空になる。
空き缶を傍に置き、俺は大量に買ってある新しいビールが入ってある袋に手を伸ばした。
その手を、すっと押さえられた。
俺より若干小さくて細い手に。
「イルカ先生、もう止めた方が。」
お体に障りますよ、と静かに言うのは、日向ネジ。
長い黒髪と白眼の持ち主で、すごい才能がある忍者だ。
そして、俺の嘗ての教え子ヒナタの従兄に当たる人物である。





俺が夜空に向かって叫んでいる間、ネジは横でオレンジジュースを飲んでいた。
オレンジジュースは俺の奢りだ。
付き合ってもらっているから、細やかお礼なのだ。
ある現場に居合わせて、そのまま無理矢理連れて来た。
どうにもこうにも、一人で居られそうにもなかったから。
オレンジジュースを買ってやるからと、ちょっと其処まで付き合えと言って。
俺に巻き添えと喰らったと言ったほうが有っているかもな。





「辛い気持ちは分かりますが。」
ネジは落ち着いた瞳の色で俺を見る。
いつも静かな雰囲気を携えて不思議な子だ。
クラスを直接受持ったことはないが、常に冷静で大人びた感じがしていた。
それに比べて、こんなことをしている俺は何て子供っぽいんだろう。
「うん、分かった。もう止めるよ。」
自分が酷く小さく見えて堪らない。
溜め息が思わず洩れて、その場で膝を抱えて蹲ってしまった。
途端に悲しくなる。
泣きたくなってしまうのは何故だろう?
そんな俺に暖かい手が降りてきた。
ネジの手が俺の頭を撫でている。
「イルカ先生。」
ネジが静かな声が響く。
「あの男のことは忘れた方がいいです。」
俺は何も言うことが出来なかった。
ネジの言う、あの男とはカカシ先生のことだ。





俺はカカシ先生に三回告白した。
そして三回とも振られた。
今日はその三回目の告白をして振られて、その現場をネジに目撃されたのだ。
我ながら馬鹿なことをしたものだ。
俺のような人間がカカシ先生に告白だなんて。
あの伝説の忍者に。
少し優しくされて舞い上がって勘違いしてたんだな。
本当、馬鹿だな、俺。
同性同士なのに告白なんて考えなしだよな。
どんどん、気持ちが沈んできて浮上が難しくなってきた。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、ネジの手がゆっくりと頭を撫でる。
ネジは年下なのに年下じゃないみたいだ。




暫くすると気持ちがかなり落ち着いてきた。
気持ちの整理も出来るかもしれない。
今すぐカカシ先生のことを忘れるのは無理だけど、少しずつ時間をかけて忘れるようにしよう。
ネジが居てくれた、お蔭でだいぶ助かった。
ありがとう、と言おうとして顔を上げると意外に近くにネジの顔があった。
近くで見るネジの顔は綺麗な顔立ちだった。
それにヒナタにも似ている。
ヒナタの優しい笑顔を思い出してネジの静かな優しさで。
何だか少しだけ胸の閊えが取れたような気がした。






それからは、ずっと幸せ2





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