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それはいわゆる一つの恋愛感情 4



「あら、カカシ」
「よう」
乗り込んで行った先には見知った顔があった
同じ上忍のアスマと紅である
「どうしたの?怖い顔して」
紅は突然、座敷に乗り込んできたカカシを怪訝そうに見た
「どうしたってイルカ先生が・・・」
カカシがイルカを指差した
イルカは未だ、すやすやと寝たままだ
「ああ、イルカ先生ね」
アスマの肩に寄っ掛かって寝ているイルカを見て紅は頷いた
「最近、忙しそうだったから偶には気分転換にお酒でもと誘ったら、飲んだら早々に寝ちゃったのよね」
「ビール、一杯でだぞ」
何故か弁解するようにアスマが言った
無理矢理は飲ませていないということのだろう



座敷のテーブルは四人用で対面するようにアスマと紅、アスマの横にイルカが座っていた
確かに最近のイルカは忙しかったと思う
火影さまに好いように使われていたからなあ・・・
イルカの人の良さからして頼まれたら断らなかったに違いない
例え、それが自分の仕事でなくても
一生懸命な人だよね
そういえばカカシがナルトたちの担当になった時も挨拶と共にナルトたちのことを熱心にカカシに話して、 よろしくお願いしますと何回も頭を下げていた
そんなイルカを見てカカシは好印象を持ったのを覚えている



「とりあえず、そこ退け」
「あ?なんだよ」
意味が分からん、という顔をするアスマを押しのけて半ば強引にカカシはイルカの隣の席を陣取った
上忍同士なのでイルカを起こさずに席を入れ替わるなどお茶の子さいさいだ
カカシに席を奪い取られて紅の隣の席に移動したアスマは興味深げにカカシを見る
「いったい、何がどうしたって言うんだ」
いつもは割と冷静なカカシの行動に、ちょっと驚いていた
「えー、何がってさー」
自分も酒を注文してカカシは飲む
イルカが自分の肩に頭を乗っけて寝ている姿に非常に満足していた
「べーつーにー、何でもないんだけどね」
適当に誤魔化す
「あら、そうなの?」
そうは問屋が卸さないのが紅だ



「この部屋に入ってきたとき、おっかない顔していたわよ」
からかうような口調だった
「まるで好きな子を取られて怒っているような感じだったわね」
女性の勘も鋭い
「好きって」
紅の言葉にカカシは眉を顰めた
「俺もイルカ先生も男だよ?」
「それが何だってのよ!」
もしかしたら紅は、ちょっぴり酔っているのかもしれない
テーブルの横には既に空になった一升瓶が数本、転がっていた



「愛には性格も性別もお金も国境も酒量も関係ないのよ!」
拳を握って力説している
「好きだっていう、その気持ちが大切なの!」
「ふーん」
言っていることは分からなくはないが下手に突っ込むと絡まれるのが今までの経験から 充分知っていたのでカカシは軽く相槌を打つのに止めた
紅の隣に座っているアスマも、それを承知しているので淡々と酒を飲んでいる
紅の演説は続く
「だいたいにしてイルカ先生のことを好きじゃなかったら何で、この場に来たのよ? イルカ先生の姿を見たからでしょ、そして、そのイルカ先生が他の男に寄っ掛かって寝ていたからでしょ」
それ即ち嫉妬よ、違う?と紅は切り込んできた
「それは、まあ」
突っ込まれてカカシは、ぐうの音も出ない
紅の言ったことは総て当たりだったからである
「それに」 にやり、と紅が口角を上げた
「私、カカシの好きな子がイルカ先生だなんて一言も言ってないわよ」



「あ・・・」
口の中に入っていた酒を、ごくりと飲んでカカシは出ている片目を、ぱちぱちと瞬きさせた
確かに紅は、好きな子を取られて、と言っていたがイルカの名前は出していなかった
「あー、でもさ」
咄嗟にカカシは取り繕った
「ほら、なんていうかイルカ先生って人が好いからさ、ちょっと心配になるっていうか」
それで、ついここに来たとカカシは言い訳する
「寝ているし、変なことされたり厄介ごとに巻き込まれたりしないかと思ってさ」
「ふーん」
今度は紅がカカシの苦しい言い訳に軽く相槌を打つ
その目は楽しそうに笑っている
「それにイルカ先生のことが気になり始めたのって昨日、今日くらいからなんだよ、 今日は会えなくて残念だから家まで行こうと思っていたくらいなんだけどね」
「やっぱ、好きなんじゃねーのか」
アスマは、ぼそっと呟いた



「カカシ」
紅はコップに、なみなみと注がれて酒を一気に飲み干しカカシに言った
一言一言、ゆっくりと
「恋はね」
その言い方は、まるで人生の先駆者のようである
「ある日、突然、始まるものなのよ」
「恋って言われても」
そんな実感、カカシには沸いてこない
「もう、自分の気持ちに鈍いんだから」
紅は焦れたような目をして自分のグラスに酒を注いだ
「俺がイルカ先生を好きだなんて・・・」
先ほどとは違う意味でカカシが眉を顰めた時だった



「うーん」
イルカから唸り声のようなものが聞こえた
カカシの寄り掛かっていた体が身じろぎする
瞼が、ぴくぴくと動いてイルカの目が少しずつ開いていく
薄っすらと開いたイルカの目はカカシを見ている
イルカの黒い瞳の中にはカカシの顔が映っていたのであった





それはいわゆる一つの恋愛感情 3
それはいわゆる一つの恋愛感情 5



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