AIで普通の動画を3D動画に変換する
ハイスペック専用サーバー
39周年!BIGサンクスキャンペーン


Slow Starter2



多分、あの少年が情報収集をしているのだろう。
幼さが残る外見だが、それが必要なのかもしれない。
適材適所というやつだ。



カカシは、夜まで適当に時間を潰すと、紙切れに書かれていた宿に向かった。
そして書かれていた部屋の中へと、すっと忍んでいく。
誰にも見られず、部屋の中に入るなんてカカシにとっては容易いことだ。
しんと静まり返った部屋に降り立ったカカシは、部屋の中を見渡した。
「案外、広いな・・・。」
昼間に会った、あの少年が一人で泊まっているのだろうか?
一人で泊まるにして広い。
広い部屋の中には片隅に荷物が一つ、ぽつんと置いてるだけだ。
机や茶器などは部屋の付属品らしい。



「で?」とカカシは首を傾げた。
少年の姿が見えなかったからだ。
夜、と紙には書いてあった。
今の時刻は、もう深夜午前を回っている。
「どこに行ったんだ?」
カカシが眉を潜めた時部屋の扉が、がらりと開いた。
「あー、いいお湯だったー。」
そんなことを言いながら、少し大きめの浴衣を羽織った昼間の少年が入ってきたのだ。
さっぱりしたー、などと言っていて機嫌が良さそうだ。
どう見ても湯上り姿にしか見えない。
「あ!」
部屋の真ん中に仁王立ちしてしていたカカシに気が付くと少年は顔を輝かせた。
「来てくれたんですね。」
嬉しそうに、にっこりとした。



「どうぞ。」
少年は部屋の茶器を使ってカカシにお茶を淹れてくれた。
「ありがと。」
カカシは不機嫌そうだったが一応、礼を述べる。
これが本当に忍者か、と複雑な気持ちになったのだ。
カカシは今は忍服に戻っていたが、目の前の少年は寛いだような格好で浴衣姿である。
少年は自分の分もお茶を淹れるとカカシと机を挟み、向かい合わせに座った。
「やっぱり、あなただったんですね。」
「やっぱりって何が?」
「いえね。」
少年は一口、茶を飲み「熱い・・・。」と顔を顰めてから話し出した。



「情報を届けるのが遅れるって式を飛ばしたら、じゃあ、直接受け取った方が早いから、受け取る人間を向かわせるって来たんですよ。」
「ふーん。」
「その向かわす人間の特徴が『眠そうな目をした若者で、やる気のなさそうな優男だけど一応上忍』ってだけだったんで、誰だろう?って探していたら、あなたが歩いていて。」
「・・・ふーん。」
カカシは書いた人間を後で問い詰めようと密かに心に決めた。
「それだけで、よく俺だって分かったねえ。」
呆れたようにカカシが言うと少年は肩を竦めた。
「こう見えても俺だって忍者ですよ。一般人と一般人の振りした忍者の違いくらい分かりますよ?」
「・・・本当は?」
「・・・第六感で。」



やれやれ、とカカシは、ここまでの少年との会話に妙に疲れて、お茶を飲み干した。
そして一言感想を述べた。
「あんた、ぜんっぜん、忍者ぽくないね。」
「あ、それ、よく言われます。」
少年は照れたように笑った。
「だから、今回の情報収集に回されたそうです。俺みたいのが適任らしくて・・・。」
「あー、そう。」
カカシは勝手にお茶を自分で注ぎ足した。
そのお茶を飲みながら本題に入る。



「その情報とやらは、いつ手に入るの?」
「ああ、明日には何とかなると思います。」
「明日?」
「ええ。実は二人で、この任務にあたっていたんですけど、もう一人が昨日盛り場の喧嘩に巻き込まれて怪我した上に目立っちゃって、そのまま任務から抜けたんですよ。それで、本来なら昨日には手に入るはずの予定だった情報が 、ちょっと無理になってしまって。」
「ふーん。」
二人で任務にあたっていたということは、この広い部屋に二人で泊まっていたのだろう。
「だから、明日まで待ってもらえますか?」
「分かった。」
カカシは了承して立ち上がった。
「じゃ、明日また来る。」



それを聞いて「えー。」と少年は予想外の声を上げた。
「ここに泊まっていけばいいじゃないですか。」
「泊まる・・・。」
「元々、二人用の部屋で寝具はありますし、この時間からどっか寝床を探すのも大変でしょう。」
忍者なので、どこでだって寝れるのだが、カカシは少年の言葉に甘えることにした。
「じゃあ、まあ。そうするかな。」
カカシの返事を聞いて少年は嬉しそうに布団を敷き始める。
「ところで。」
カカシは気になっていたことを質問した。
「名前、なんていうの?」
「え?えーと、イルカです。」
「そう、俺はカカシ。」
よろしくね、とカカシは目を細めた。




Slow Starter1
Slow Starter3









text top
top