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Slow Starter18



イルカを自分の家に連れ帰ったカカシだったが、家に帰り腕の中のイルカを見ると目を閉じて、くったりと眠ってしまっていた。
安らかな寝顔だ。
何も心配事がなく、安心しきったような顔だった。
緊張が解けて、きっと色々、本当に安心したのだろう。
時間的にも夜明けに近い。
「しょうがないか。」
口の中で呟いて苦笑してカカシは、イルカの額宛とベストを手早く外し、ついでに髪を結っていた紐も解いてしまい、そんなイルカを自分のベッドに横たえる。
二人とも既に靴は脱いでしまっていた。
カカシも自分のベストと額宛を放り出すとイルカの横に滑り込んだ。
イルカに布団を肩まで掛けてやり、イルカの健やかな寝息を聞きながらカカシも目を閉じ、眠りに落ちた。



「いてっ。」
脇腹を蹴られてカカシは目が覚めた。
外は明るくなっている。
とっくに朝になっていたのだ。
カカシの蹴られた脇腹の上にはイルカの足が乗っている。
「・・・寝相直ったんじゃなかったの?」
確かに最初に会った時、イルカは寝相が悪かった。
二人の布団を遠く引き離して敷いたのにも関わらず、ごろごろと転がってきてカカシに蹴りを食らわせたのだ。
同じところに又もや、蹴りを入れられるとは・・・。
隣に寝ているイルカは手足を投げ出して、実に気持ち良さそうに寝ている。
二度目に会った時、一緒に寝たのだがイルカは毒を受けており、その影響で単に動くことが出来ずにいたのかもしれない。
「寝相の悪さは健在なのね。」
やれやれ、とカカシが小さな溜め息をついたときにイルカの眼が、ぱっちりと開いた。



「あ、おはよう。イルカ。」
カカシが声を掛けたのだが、イルカは天井を見つめて動かない。
「イルカ?」
心配してカカシは声を掛ける。
どこか、体が痛かったりするのだろうか。
「ここ、どこ?」
漸くイルカが声を出した。
絞り出すような声である。
「俺んちだけど。来たことあるでしょ?」
ばっとイルカがカカシの方を向く。
寝たままの体制だったから、二人の顔はより近くにあり、直ぐにキスでもできそうな距離である。
キスしちゃおうかな、と、その時、カカシは思った。
相思相愛は確認したわけだし、寝起きのキスとか、いかにも恋人らしいじゃないか、と。



ところがカカシの意に反してイルカはベッドから飛び起きた。
「俺、なんで、カカシさんの家に?」
「・・・え?」
「確か、昨夜は受付けの夜番で、そんで、上忍の方が・・・。」
だんだん、と声に勢いはなくなり小さくなっていった。
「・・・俺に。」
思い出したくないのか、イルカは、ぎゅっと目を瞑る。
「イルカ、大丈夫だよ。」
カカシは起き上がり、イルカの肩に手を置いた。
「思い出さなくてもいい。」
「カカシさん。」
イルカの大きな黒い目がカカシを捕らえる。



「すみません。」とイルカは下を向いた。
「何だか混乱していて、昨夜のことがよく思い出せないんです。」
「・・・・・・・・・え?」
「カカシさんは、昨夜、いつ受付けに来たんでしょうか?俺は、どういう経緯でカカシさんの家に来たんでしょう?」
「あの、イルカ・・・。」
「ご迷惑をお掛けしてしまったならすみません。」
殊勝に頭を下げられた。



イルカは本当に昨夜のことを何も覚えていないのか?
昨夜の自分の、あの熱烈な告白は何だったのか・・・。
念願叶って、イルカと相思相愛、恋人ロード一直線のはずだったのに。
朝っぱらから頭が痛くなるような出来事にぶち当たり、さーっと顔が青くなるカカシであった。




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