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花の咲く色 14



そうだったのか、知らなかった・・・。
俺は今、明かされる真実にびっくりしていた。
そんな切っ掛けでカカシさんは俺のことを好きになってくれたんだ〜って。
ものすごく気恥ずかしい。
優しいところが好きだなんて、いったい、どこの少女漫画なんだ。
赤面してしまう。
「だからね」
カカシさんの声は優しかった。
「優しすぎるイルカ先生が、優しすぎて傷ついたり騙されたりしないか、心配なんです」
「大丈夫です。俺、大人ですから」
「それは知っていますよ」
俺の顔を覗き込んだカカシさんは微笑む。
「ん〜、でもね、心配なんですよ」
だって好きだから。
恋人だから。
「解ってくれますか?」
そう聞かれると俺は頷くしかなかった。
顔を真っ赤にしながら。
どうにもカカシさんの顔が見れなかった。



「あの」
ふと、気になってカカシさんに訊いてみた。
「それって、困っている人を助けちゃいけないって事ではないんですよね?」
カカシさんが俺に優しさを全部、くださいって言った意味はって。
「まあ、そういうときはですねえ」
非常に渋い顔をカカシさんはした。
「俺を思い出してください。俺の顔を思い浮かべて、最低限の優しさで助けてあげてください」
イルカ先生が怪我したり、酷い目にあったりしないように。
「はあ」
いまいち、ぴんとこない。
困っている人に優しくするのは当たり前で。
困っている人を助けるのは当たり前。
アカデミーの情操教育でも、そう教えている。
それを俺は率先して、やっているんだけど。
「でも、駄目です」
カカシさんは主張する。
「イルカ先生の優しさは俺のものなんです。優しくして、他の誰かがイルカ先生のことを好きになったら、どうするんです」
「俺はカカシさん以外の他の人は好きになりませんよ」
そう言ってはみたものの、カカシさんは引かない。
「それは解っていますけれど、備えあれば憂いなしです」とか言っている。
日頃から警戒していなければいけないと。
備えって何を?
「そりゃあ、ライバルですよ」
「ライバル?」
カカシさんのライバルはガイ先生じゃないのか?
いつも勝負をしているのを見かけるけど、これ以上、勝負を挑まれる相手を増やしたくないってことか。
カカシさんも大変だなあ。
有名人で実力者ゆえの、俺には解らない苦労がつきものなんだな・・・。
カカシさんの心中を思いやって、少しでも苦労が減ればと俺は言った。
「困った人がいたら、最低限の優しさに少し上乗せして助けることにします」
カカシさんは一応、納得してくれたけど複雑な顔をしていた。



それから、まあ、なんというか。
キスで仲直りをした。
カカシさんが「これは恋人の定番なんです、キスをして仲直りは古代から受け継がれてきた恋人たちの儀式なんです」と嘘か真か解らないんだけど、カカシさんが言うと真実のように聞こえる。
まあ、うん。
キスで仲直りも悪くないってか、いいかもしれない。
キスした後は幸せな気分になるもんなあ。
今日のキスは何となく抱き合って、何となく唇を合わせただけのキスだっただけど。
あー、そのね。
どうして、キスすると幸せな気分になるのか、その理由が解った気がした。
こんなこと口には出せないんだけど、口に出すと恥ずかしくて穴掘って入りたくなると思うんだけど。
その・・・、キスすると・・・。
ああ、愛されているんだ、この人に。
そういうことを肌で感じるというか、体温で伝わってくるというか。
ね?
カカシさん、大好きって再認識しちゃうわけ。
カカシさんは「イルカ先生、大好き」って必ず、言ってくれる。
嬉しい。
キスした後のカカシさんは、きらきら輝いて、生命力に満ちている。
すごい気力が漲っている感じ。
キスって、すごい。
改めて、そう思った。



次の日の朝。
セクシーなカカシさんを見ることが出来た。
布団の中から半分だけ顔を出して、セクシーなカカシさんを眺める。
綺麗な人だな、カカシさん。
やっぱり、カカシさんは俺の目にはセクシーに映る。
他の誰も、つまりセクシーだと言われた人を見ても俺は何も感じなかった。
・・・うむむ。
「朝から何を難しい顔をしているんですか」
カカシさんが、ちょんちょんと俺の眉間を突付いた。
「そんなイルカ先生もセクシーですけどね」
・・・どこが?と言いたかったが、カカシさんの目には俺がセクシーに映るらしい。
目の錯覚でなければいいのだけれど。
「イルカ先生、可愛い」
俺の額に落ちていた髪をかき上げるとカカシさんは俺の額にキスをして、隣の部屋に行ってしまった。
朝ご飯の用意をしに。
偶には俺も手伝おう。
いつもカカシさんが作ってくれているし、悪いし。
そんで手伝ってはみたものの、ぼーっとしている朝は俺は包丁と相性が悪いらしい。
手を切ってしまった。
それから薬缶と相性が悪いのも判明した。
お湯が入った薬缶を床に落として、熱湯が少し足にかかってしまった。
カカシさんの足じゃなくて、自分の足でよかった・・・。
そして諺にあるとおり、二度あることは三度あるで、その日は髭剃りをしたら手元が狂い、少しばかり頬を切ってしまった。
失敗失敗。
しかし、そんな俺を見たカカシさんは・・・。
その日の朝、悲鳴を三度、あげていたのだった。






花の咲く色 13
花の咲く色 15



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