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青春時代 4



暗くなってから目が覚めた。
もう夜になっていたらしい。
大分、体が楽になっていた。
よいしょ、と布団の上で体を起き上がらせる。
まだ、ちょっと怠い。
それに相変わらず体に力が入らないのは、今日一日何も食べてないからだろう。
「イルカ。」
カカシが透かさず傍に来た。
「よく寝ていたね。」
「うん。」
喉の痛みも、かなり引いていた。
「何か食べれそう?」
カカシの問い掛けに、俺の腹がぐっーと音をたてて返事をした。




夕飯は昨日と同じお粥だったけど。
今の体には丁度よく、今の俺には優しい食べ物だった。
「美味しいよ、カカシ。」
俺はお粥を食べながら言った。
実は恥ずかしいのだけど、子供のようにカカシに食べさせてもらっている。
布団の上で。
カカシが、どこからが持ってきた座椅子に座わらされて。
背凭れが付いているので、とっても楽だ。
食卓に行くと言ったんだけど「病人なんだから。」とカカシに押し切られてしまった。
偶にはいいか。
お椀に少な目に、よそわれたお粥を食べ終わると俺はもうお腹がいっぱいだった。
「じゃあ、アイス食べようか。」
カカシが、いそいそとアイスを持ってくる。
「どれにする?」
袋の中から、綺麗な色のアイスを数個取り出した。
「葡萄のがいいな。」
紫色のを指差すと、カカシが再び食べさせてくれた。
もう恥ずかしいのには目を瞑ればいい。
このことはカカシと俺にしか分からないんだし。
アイスは小さめだったので一つ食べ切った。



食べ終わるとカカシが「良く食べたね。」と頭を撫でてきた。
食後の薬を飲ますと俺を布団に戻す。
肩まできっちり布団を掛けながら聞いてきた。
「明日は手の怪我の経過を診せに病院に行くんでしょ?」
「うん。」
「俺も一緒に行くからね。付き添いだよ。」
正直、付き添いは有り難い。
でもカカシ、任務は?
それに俺も任務に行かなきゃ。
「あ、それならね。」
カカシは俺が寝ている横で、自分もアイスを食べながら答えた。
「俺も暫く休みだし、イルカの上司には三日ほど休むからって連絡しておいたんだ。」
「三日?」
「うん!」
カカシは気安く言うが、三日も休んだら怒られる〜。
自分の不注意で怪我したのに。
きっと休み明けには雷が落ちるぞ、こりゃ。
上忍の先生の怒った顔が頭に浮かぶ。
あの先生、怒ると意外に怖いからな。
眉を顰めていると。
カカシが眉間をつんつんと突いてきた。
「何、考えてるの?」
「いや〜。」
まさか先生に怒られるのが怖いなんて言えないし。
カカシが善意でしてくれたことだし。
俺の体のことを一番に考えてくれたんだろう。
先生に怒られたら甘んじて受けよう。
「あはははは〜。」
布団に潜り込みながら笑って誤魔化した。




よく寝た次の日。
体力は殆ど回復していて元気になっていた。
朝ご飯も普通のを食べることができたし。
いつもより量は少なめだったけどね。
俺の回復にカカシは目を細めた。
「よかった〜、元気になったね。」
「うん、ありがとう。」
ちょっと照れくさい。
でも看病してくれて嬉しかったな。
だから治りも早かったんだろう。
そうしてカカシに手を引かれて、大人しく病院まで行ったのだった。



病院につくと、いつものお医者さんが診てくれた。
お医者さんはカカシが一緒にいるのを見て驚いていた。
「おや、珍しい人がいるもんだ。」
ちょっと揶揄う口調だ。
「カカシが誰かを心配しているなんてねえ。」 でもお医者さんの口調は揶揄っていたものの、どこか安心したようなものも含まれていた。
大人になったねえ、と染み染み言っている。
この二人は顔見知りらしい。
「俺のことはいいからさ。イルカを診てよ。」
カカシが苦い顔をして俺を前に押し出す。
カカシは、このお医者さんが苦手なようだった。
「ああ、分かった分かった。」
お医者さんは、にこにこ笑って、そう答えて俺を診察してくれた。



傷口は順調に塞がっており、抜糸の日もそう遠くないらしい。
若いと治りも早いんだって。
「よかったね、イルカ。」
カカシは我が事のように喜んでいる。
「傷跡も残らないって言っていたし。薬もしっかりと飲もうね。」
「うん。」

「イルカ。」
カカシが優しい目で俺を見た。
「本当によかったね。」
なんだか、ちょっとドキドキした。
ドキドキって・・・なんだよ、俺。
胸のドキドキを振り切るように繋いだ手を引っ張って。
「早く家に帰ろうよ。」とカカシを急かした。
「ちょっとイルカ!」
「帰って残りのアイスを食べようよ。」
「分かったってば。でも、まだ走ったら駄目だよー。」
カカシが叫ぶ。
「いいからいいから。」
俺が笑うとカカシも笑う。
楽しかった。




青春時代 3
青春時代 5



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