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月夜の狼男 7




イルカ先生に、俺に好きな人がいるのが、ばれていた。
やっぱり、さっき急に帰ると言ったのは俺が嘘をついたのがばれたからだったんだな。
今度は本当のことを言って。
でも、この状況でか!
言ったところで信用してもらえるのか?
言いたいけど言いたくない。
でも嘘は付きたくない。
ああ、どうしたら。
俺が悩みに悩んでいるとイルカ先生から予想もしなかった、思いもよらぬ言葉が。



「じ、実は俺、好きな人がいるんです。」



「ええっ。」
ちょっと待ってよ、それって誰よ?
イルカ先生ってフリーじゃないの?
いや、フリーなのは確認済み。
問題は、その好きな人が誰かってことで。
今まで、そんな匂いや雰囲気がなかったから油断していた。


どうしよう、新たな問題の出現で、また悩みが。
どうしよう・・・。
どうしよう、どうしようってだけで俺って、なんて決断力がないんだ。
ああ。



「それで、あの。」
悩んでいる俺を見かねたのかイルカ先生が再び口を開く。
「何でこんなことを言うかと云うと。」
ごくりと唾を飲み込む。
「カカシ先生の好きな人ってのが、俺の知っている人物ではないかと・・・。」
イルカ先生は仄かに頬を染めている。
「そ、それで、烏滸がましいのですが。」
躊躇うようにイルカ先生は上目遣いで俺を見る。
何か重大なことを言いそうな感じだ。


言う前に景気づけのためにかイルカ先生は、グラスに残っていたお酒をぐっと飲み干した。
飲んでから、大きく深呼吸をする。
何度も深呼吸してからイルカ先生は。



「俺の好きな人もカカシ先生のご存知の人物かと思って・・・。」



イルカ先生の好きな人は俺が知っている人?
瞬時に色んな顔が思い浮かんだが、総て打ち消した。
イルカ先生が俺以外の他の人を好きだなんて、嫌だ。
嫌だ、とても。



イルカ先生が他の人のものになるなんて耐えられない。



「そ、そそそれですね。」
声のひっくり返ったイルカ先生が、手酌でグラスにお酒を注ぎ再び呷る。
ぐぐっと飲み干して口の端についたお酒の雫を、ぐいと手の平で拭った。
また何度も深呼吸している。
イルカ先生は何て言うんだろ?
心臓がバクバクしてきて、すごい緊張してきた。
生きてきた中で一番緊張しているかも。
これが運命の別れ道ってやつか?
天国か地獄か。
さあ、どっち、みたいな。





月夜の狼男 6
月夜の狼男 8



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