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Time is money 4





任務から帰ってきたカカシが怪我をしたと聞き、イルカは仕事帰りにカカシに家に寄ってみることにした。
見舞いというほどの大げさなものではなかったが一人暮らしのカカシが、なんだか心配になったのだ。
一応、見舞いの品というか手土産みたいなものは用意してみる。
スーパーで買った果物だったけれど。




以前、カカシに教えてもらったとおりに道を行くと、教えてもらったとおり家があった。
大きな平屋の一軒家で庭も広く、隠れ家の一つと教えられていたイルカは少々驚いてしまう。
「すっげー家だな。こんな家を何軒も隠れ家に持っているのかなあ。」
俺の家とは大違いなどと思いながら、表札の出ていない家のドアチャイムをおっかなびっくり押してみる。
ピンポンと軽やかな音がして家の中から、ばたばたと足音が聞こえてきたかと思うと玄関の扉が乱暴に引き開けられた。
「イルカ先生!」
出てきたのはカカシだった。
いつもの忍服ではなく家で寛いでいたのだろうか、寝巻きのような格好だ。
素顔も、そのまま現している。

もしかして、任務から帰ってきた疲れて寝ていたのかも。
そのことに思い至ったイルカは急激に肩身が狭くなった。
俺って、なんてタイミングが悪いんだ。
カカシの顔が見れなくなって、イルカの視線は自然に下がってしまった。
「あ、カカシ先生。こんばんは、あの、怪我をしたと聞いて。でも寝ていらしたようなので、もう帰りますね。」
イルカは自分の突然の訪問を詫びながら買ってきた果物を差し出しカカシに受け取らせた。
「お邪魔してごめんなさい。これ少しですけど、よかったら食べてください。」
これ以上、邪魔しないようにと早口で言い終えるとイルカは踵を返した。
「すみません、夜遅くに。これで失礼します。」




なのに、足は進まなかった。
「待ってよ、イルカ先生。せっかく、初めて俺んちに来てくれたのに。」
振り向くとカカシ左手がイルカの手首を強く握っていた。
「ねえ、何をそんなに急いでいるの?用事でもあるの?」
「いえ、特にはありません。」
「じゃあ、せっかく来てくれたんだから、お茶の一杯くらい飲んでいってくださいよ。」
「でもお疲れでは?」
そう聞かれたカカシは、ふっと微笑んだ。
「イルカ先生の顔を見ていたら元気になるよ。」
「え?」
「そばにいて。」

カカシが聞いたこともないような真剣な声と顔で言う。
「カカシ先生。」
こんな真剣なカカシは見たことがなくて、どう答えていいものやらイルカは困ってしまった。
怪我をして弱気になっているのだろうか?
でも、そうだったら、尚更、俺じゃなくて、もっと他の人の方がいいんじゃないだろうか。
迷うように一度カカシから視線を外し、もう一度、目をカカシに向ければ、そこにはいつも見ているカカシの顔があった。




いつものようカカシは笑っている。
「なあーんて、ね。実は利き腕を怪我しちゃって、イルカ先生にお茶でも淹れてもらえないかな〜と思って。」
さっきは気づかなかったがイルカの手首を掴んでいない方の、カカシの右手を見ると包帯が何重にも巻かれていた。
「そうだったんですか。」
イルカは何故か内心、胸を撫で下ろす。
「そんなことで俺がお役に立つのでしたら。」
顔にも笑みが浮かんだ。
カカシの傍にいられることの嬉しさと、その理由があることに安心したのだ。
「さあさ、どうぞ、上がってってください。」
カカシに促されたイルカは「お邪魔します。」と言って、初めてカカシの家に足を踏み入れた。





Time is money 3
Time is money 5




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