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Time is money 2





夕方、アカデミーでの仕事が終り職員室から受付け所に向かおうとするイルカに、先程一緒に資料を運んでいた同僚が伝えてきた。
「イルカ、伝言だ。今日の夜勤、キャンセルでいいってさ。」
「え?なんで?」
イルカは受付け所で夜勤当番のはずだった。
「ほら、イルカに代わってくれって奴が、やっぱり夜勤に入るって。」
元々、イルカは今日の受付け所の夜勤当番ではなかったのだが、急に具合が悪くなった者がいて代わりとして入ることになっていたのだ。
「ほら、代わってくれって言った奴さ、医務室で休んだら具合が良くなったんだってさ。」
「そうなのか。」
「ああ、だから今日はイルカは、もうアガリだよ。」
同僚はイルカに帰っていいと言う。
「んじゃ、また明日な。」
荷物を肩に掛けると同僚は「お先に。」と職員室を出て行った。




夜勤の予定だったイルカは心積もりも、そのつもりでいたので少々拍子抜けしてしまった。
「今晩、暇になちゃった。」
誰もいない職員室で一人呟く。
頭の中に、ふとカカシのことが思い浮かぶ。
カカシの優しい笑い顔がイルカは好きだった。
「カカシ先生、どうしてるかな。」
そんなことも呟いてしまった。
「俺が心配しなくてもカカシ先生なら・・・。」
大丈夫さ、と最後は心の中で呟いて、帰ってビールでも飲むか、とイルカも鞄を肩に掛けた。




外に出ると辺りは暗くなっており冷え冷えとしていた。
早く帰ろう。
足を早めたイルカはアカデミーの門付近で佇む人影を見つけた。
目を凝らして確認してみると、よく知る人物であるのが分かる。
「カカシ先生!」
イルカが思わず駆け寄るとカカシの周りの空気が、ふんわりと和らいだ。
「今晩は、イルカ先生。」
「どうしたんですか?こんなところで。」
春めいてきたとはいえ夕方は、まだまだ寒さを感じる。
「うーん。」
カカシは考えるような素振りを見せて、にっこりとした。
「もしかしてイルカ先生が来るかな〜と思いましてね。」
「来るかな〜って、俺、今日は夜勤だって・・・。」
夜勤がなくなったのはカカシには告げていなかった。
「実は夜勤はなくなったんです。」
口篭りながらイルカは、居心地の悪さを感じて上目遣いでカカシを見上げた。
「急に変更になって、なくなっちゃったんです。だから、待っていても来なかったかもしれないのに。」
今日は偶然にも来たけど、本来なら来ない人を待つなんて、とイルカは言いたかったが、その前にカカシがイルカの手を取った。



「まあまあ、来てくれたんだからいいじゃないですか。」
「でも。」
俺を待つなんてしないでほしいのに、もう待たないでほしいのに、とイルカはカカシに言いたかったのだが。
握られたカカシの冷えた手に何も言うことはできなかった。





Time is money 1
Time is money 3




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