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その手の温もり16



シズネの引き摺られていった綱手を見送ったカカシとイルカは顔を見合わせて、ちょっと笑った。
「大変ですね、シズネさんも。」
「全くです。」
二人の間には和やかな雰囲気が流れたものの、笑った顔が変に強張ってしまって二人は同時、頭をさげた。
「ごめんなさい!」
「すみません!」
謝罪の言葉も同時に出る。



だが、次に出た言葉も同時であった。
「痛い!」
「いったーい!」
同時に頭を下げた二人は近距離にいたため、互いの頭をぶつけていたのだ。
ぶつけた頭を摩りながら顔を上げた二人の視線は、かち合う。
忍者であるのにも関わらず、初歩的な失態をしてしまったことに、少々、恥ずかしくなったカカシはイルカに提案する。
「お茶でも飲みながら落ち着いて話しをしましょうか。」
「・・・そうですね。」
イルカも、勿論、同意した。



カカシの淹れた茶を飲み気を落ち着けた二人は、ゆっくりと話し始めた。
「まずは俺から謝らせてください。」
イルカが、ぺこりと頭を下げる。
「耳が聞こえること、直ぐに言わなくてすみません。」
「いいんですよ〜。」
明るくカカシは手を振る。
「そんなのお互い様ですし・・・。俺もイルカ先生の耳が聞こえないことや目が見えないことをいいことに・・・。あー、ちょっと色々しちゃいましたし・・・。」
語尾を濁しながら言い訳した。
そのカカシの発言にイルカは湯飲みの茶に視線を落とす。



カカシがした色々なことを思い出して、カカシの顔を見ていられなくなったのだ。
「あの、イルカ先生。」
「はい!」
名を呼ばれて顔を上げると真正面にカカシの顔があり、その顔をまともに見てしまったイルカは、かっと体が熱くなる。
「お聞きしたいんですが、いつから耳が聞こえるようになっていたんですか?」
「あ、それはですね。」
イルカはカカシの顔を見ないように俯いた。
「昨日の昼頃からです。」
「昼頃・・・。」
カカシが任務を終えて病院に来たくらいの時間である。



ごくり、とカカシは一口、お茶の飲み、思い切ったようにイルカに訊いた。
「もしかして俺が中庭でイルカ先生に告白したこと、全部、聞こえてましたか・・・。」
「聞こえていました。」
体の熱が顔に上ってきたイルカは、熱くなってしまった頬を押える。
できることなら聞かずにというか、なかったことにしていまいたいような気持ちに駆られてしまう。
「そうですか。聞こえてしまっていたんですねえ。」
そう言うカカシは特に後悔しているようには見られない。
どちらかと言うと、嬉しそうな気配がカカシから溢れ出ていた。



「そうそう、俺も謝らないと。」
カカシもイルカの頭を下げた。
「最初に助けた時に身分を偽って、ごめんなさい。」
「いいえ。こちらこそ助けていただいて、ありがとうございました。」
助けてくれた礼を改めて述べたイルカは何事か思い出したようにカカシに訊く。
「そういえば、最初に駆けつけてくれた忍犬は、もしかしてカカシさんの?」
「はい、そうです。」
「そうだったんですか。でも、なんで。」
更にイルカは訊いた。
「どうして、最初から自分のこと、俺にカカシさんだって言わなかったんですか。」
不思議そうにしている。



「それはですねえ。」
湯飲みをベッドのサイドテーブルに置いたカカシはイルカの湯飲みも取り上げてテーブルに置くと、ずいっとベッドの上のイルカの迫った。
ベッドに座ってイルカの両手を握って、じっと見詰める。
「・・・どうしたんですか、カカシさん。」
イルカは身を引こうとするが狭いベッドの上では、それも適わず、カカシに軽く拘束される形になってしまった。
「あのねえ。」
カカシは鼻先がもう少しで触れる距離まで顔をイルカに近づける。
「それは、イルカ先生のせいですよ。」
「お、俺のせい?」
戸惑うイルカにカカシは低く囁く。
「イルカ先生、パックンに言ったでしょう。上忍が苦手だって。」
「あ・・・。」
イルカは思い出したようだ。



「それを知ってしまった俺はイルカ先生の嫌われたくなくて咄嗟に、あんな嘘をついたんです。」
だ、か、ら、とカカシは言葉を区切りながら、きっぱりと言う。
「俺を惑わしたイルカ先生が悪いんです。」
「そんな〜。」
「さ、なんで上忍が苦手なのか、言ってしまいなさい。」
ぎゅっと口を結んで、言いたくないとイルカは態度で抵抗している。
カカシの言い分は勝手で責任転嫁もいいところなのだが、何故か妙に説得力があるのは、どうしてなのか。



「あ、言わないなら今、キスしちゃおう〜。」
唇を近づけてきたカカシをイルカは一生懸命に制する。
「駄目です、ここじゃ駄目ですってば。」
「ここじゃなければいいの?}
にやり、と目を細め、カカシは人の悪い笑みを見せた。
「う・・・。そうじゃなくて・・・。」
カカシには勝てないと肩を落としたイルカは抵抗することを諦める。
「言いますけど・・・」
往生際悪くイルカはカカシを、ちらりと見てから渋い顔をした。
「誰にも言わないでくださいね。・・・情けない理由なんで。」
そう前置きして、上忍が苦手だという理由を話し始めたのだった。






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