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天使の眼2



※オリキャラ注意




「処分って・・・。」
イルカの言葉にカカシは唖然としてしまう。
「処分って、どういうこと?お別れって、いったい、何?」
「そのままの意味です。」
「じゃ、じゃあ。」
カカシは、ごくりと唾を飲み込んだ。
「その天使とやらにイルカ先生は殺されるってことですか?つまりは死ぬ・・・・・・。」
「この世界から消されるということです。」
イルカの答えにカカシは、自分でも驚くくらい激昂した。

「なんで?天使って、平等とか無償の愛をモットーにしているじゃないの?」
今はイルカは天使ではないのだがカカシは天使に少なからず興味持ち、それとなく異国の書籍を読み天使なるものについて調べていた。
「それは人間が作った天使のイメージです。本来の天使は冷酷で無慈悲な面も持っています。」
そんなこと聞いても、イルカの説明に納得いくはずがない。
「だいたい、一番悪いのは俺でしょう?俺のせいでイルカ先生は帰れなくなったのに、とばっちりがイルカ先生にいくのはおかしいよ。」
「いいえ。」
静かにイルカは首を振る。

「俺が至らず未熟だったからです。カカシさんは何も悪くありません。」
「そんなこと言われて俺が、はい、そうですか、って言うと思ってるんですか!」
イルカは眼を伏せ黙っている。
「イルカ先生、何で、そんな簡単に俺の前からいなくなろうとしているの?俺と一緒にいるのが嫌なんですか。」
「そんなこと!」
思わず顔を上げてイルカはカカシを見る。
その目には必死さと真実が映っていた。
「思うわけないじゃないですか・・・・・・。俺だって、カカシさんと一緒にいたい、と思っています。」
イルカの声は、だんだんと小さく弱々しくなっていった。
「でも、それとこれとは話が別です。・・・・・・禁を犯したなら、それなりの罰が科されるべきなんです。」



イルカは自分に非があると思い、一切、逆らわずに罰を受け入れようとしている。
自分が、この世界から消される、つまり死んでもしょうがないと思っているのだ。
これっぽっちも一片たりとも、抵抗しようという考えはないようだ。
カカシは、ぎりりと唇を噛んだ。
イルカが、そのような態度なら自分にだって考えがある。


安々と、大事な恋人を手放してなるもんか、とカカシは、今一度、腕の中にイルカを抱きしめた。




それからカカシは、自分がイルカの傍にいられない時は、イルカに内緒で忍犬を付けた。
また、役に立つかは不明であったが、カカシは自ら強力な武器や巻物を持ち歩き、写輪眼も常にすぐ使える状態にしておいた。
どうなるかは分からなかったが、できる範囲のことはしておきたかったのだ。


イルカは相変わらず『天使の眼」を感じているようだったが、カカシに『天使の眼』のことを話してからは、その姿を探そうとするのを止めていた。
何かしら心の内に覚悟を秘めているようだった。


数日後、唐突に忍犬から連絡が入った。
イルカが任務でもないのに、仕事の合間を縫って、大急ぎで里外れに向かっているというのだ。
それはカカシが七班での任務中ではあったが、その場に分身を残したカカシは忍犬から教えられた場所に全速力で向かった。




そこは木の葉の里の外れにある湖だった。
イルカが湖面の上に立っていて、あるものと対峙している。
あるものを見てカカシは眼を細めた。
眩しくて直視できなかったのである。


それは燦然と輝く光の球体であった。
光の球体は林檎くらいの大きさで、ふわふわと空中に浮いて温かい光を放っている。
その温かさは、イルカの持つ温かさと酷似していた。



あれが天使?
カカシが心の中だけで、そう思った時、答えるように心に声が響いてきた。
−そうだよ。
「え?」
戸惑っているとカカシに気づいたイルカが駆け寄ってくる。
「カカシさん!どうして、ここに?」
「それは・・・。」
カカシが答える前に再び、心に声が響いてきた。
−それは犬に教えられたからだよ。
「やめてください!」とイルカは、らしからぬ様子で光の球に大声で言うとカカシに簡単に説明してくれた。



「これは念の一種で、精神に直接、話しかけているんです。慣れてないと変な感じですよね。」
イルカはカカシの胸を押すと、一歩下がった。
「ここから去ってください。俺は、これから、あの。」と光の球を指す。
「天界から来た天使と話がありますので。」
「それって・・・。」
危惧していたことが現実となるのか。
イルカは自分の前からいなくなってしまうのか。



すると光の球から、男性とも女性ともつかぬ声がした。
「なんか勘違いしているようだけどね。」
のんびりとした様子だ。
「僕は、そこにいる・・・、この人間の世界ではイルカと呼ばれているんだっけ?そのイルカを迎えに来ただけだよ。」
「迎え?」
カカシとイルカは同時に眉を潜めた。
予想していない展開だったからだ。



光の球からは緊張感のない、のんびりとした声が聞こえる。
「ほら、イルカは、また背中に翼が生えてきたでしょ?、それって、つまりさ。」
再び、イルカの背に生えた小さな翼は毎日、少しずつ成長していた。
今は手の平より一回り大きい。


「許されたってこと。だから、帰っておいで。」


「帰るって・・・・・・どこに・・・・・・。」
理解できていないのか、呆然とイルカが呟いた。
「どこって決まってるじゃないか。」
呆れたような声がする。
「天界だよ。」



それを聞いたカカシは、イルカを絶対に離すものかと、雁字搦めに強く強く抱きしめて腕の中に閉じ込めた。




天使の眼 1
天使の眼 3








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