AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


協定者たち 2



「イルカ先生。」
「わっ、わああっ。」
突如暗闇から現れたカカシにイルカは思わず、大声をあげてしまった。
場所は受付け棟の地下倉庫。
イルカは過去の書類がファイルされたホルダーを取りに来たのだ。
カカシは電気の点いていない所から何故か現れた。
「カカ、カカシ先生。な、何でここに?」
「さあ、何ででしょうねえ。」
カカシはわざとらしく首を傾けて無駄に可愛さを振り撒いた。
「だってねえ。イルカ先生、暗い所が好きかなと思って。」
「暗い所なんて好きじゃないです。」
イルカはきっぱりと言い放ち、探していたファイルを早々に見つけて倉庫から退散しようとする。
「電気消しますけど、カカシ先生はまだ居ますか?」
「いーえ。イルカ先生がいないならここに用はないです。」
「そ、そうですか。」
カカシの掴み処のない返事。
最近はこんなことが多い。
やっぱり畑カカシは苦手だとイルカは改めて思った。





「で?どう思いますか?」
イルカは頼れる人物達にカカシのことについて相談していた。
「何で、俺に付き纏ってくるんでしょうか?それとも付き纏っているというのは俺の思い過ごしで錯覚で自意識過剰だったりします?」
「うーん、そうだな。」
「そうですねえ。」
頼れる人物達、ゲンマとハヤテはイルカの問いに考え込む。
「カカシさんがねえ。」
「畑上忍がねえ。」
相談は人が賑わう居酒屋で行われていた。
皆、酒を飲み話し声が大きく周囲のことを特に気に掛ける者はいない。
「イルカ、心当たりはないのか?」
ゲンマの問いにイルカは首を振る。
「全然ないです。」
「本当にですか?」
ハヤテの重ねての質問にもイルカは首を振った。
「本当にないんですって。俺何か恨まれているんでしょうか。」
「いーや、それはないって。」
ゲンマは大げさなほど手を降ってイルカの言葉を否定した。
「俺は何でイルカの傍にカカシさんがいるのか多少心当たりはあるぜ。」
「私もです。」
ハヤテがごほごほと咳き込みながら同意した。
「ええっ。」
「そんな驚かなくても。畑上忍に少し同情したくなります。」
「そうだなあ。」
ゲンマとハヤテは小さく溜め息をついた。





ゲンマとハヤテはイルカと同じ種族になる。
所謂吸血鬼なのに血を飲まないタイプだ。
血を飲まない代わりに赤い液体を一日一定量摂取しなければならない。
吸血鬼も身のうちに宿してはいたが、能力はそれぞれ違っていた。
そして木の葉で里と長と協定を結び暮らしていた。
人間のように。




「まあ、あれだ。」
ゲンマがごほんと咳払いをしてイルカに言った。
「本人を呼んであるから直接聞いたほうがいいだろ。」
「ですね。本人が自分で言いたいって言ってましたし。」
「ここにカカシ先生を呼んであるんですか!」
イルカが驚きの声を上げた瞬間、後ろから肩を掴まれた。
「実はもう、ここにいますよ〜。」
「ぎゃあ。」
飛び上がるイルカを除いて、他三人はのんびり会話する。
「あ、カカシさん。こんばんは〜。」
「お待ちしてしました、出るのを今か今かと。」
「あはは、ばれてたみたいね。」
和気藹々になって三人で乾杯なんてしている。
「ちょ、ちょっと。ゲンマさん、ハヤテ。どういうことですか?」
一人取り残されているイルカはちょっと可哀想かもしれない。
「まあまあ。イルカ先生、落ち着いて。」
そこで何故か取り成すのはカカシだった。
自然な感じでイルカの隣に座っている。
おまけに自然な感じで肩に腕を回してもいる。
「実はね、イルカ先生に告白があるんです。」
カカシがひそっとイルカの耳に口を寄せて囁いた。
「告白?」
告白と聞いてイルカは眉を潜める。
嫌な予感がする。
聞かないほうがいいかも。
イルカは第六感に従い、聞きたくありませんと断ろうとした時、カカシが絶妙なタイミングで言ってしまった。



「俺、イルカ先生のことが好きなんです。」



場所が居酒屋でムードがなかったり喧騒がすごいとかあったりしたのだが。
イルカの耳にはばっちりと聞こえてしまった。
すき?すきって何だ?
はっと目の前のゲンマとハヤテを見ると「おおー。」とか言いながらパチパチと手を叩いている。
「良かったな、イルカ。」
「何がです?」
「カカシさんがイルカに付き纏っているっていうのは気のせいじゃなかったんだよ。」
「付き纏っていた原因というのは、畑上忍はイルカのことが好きだからっていうことです。」
二人は、めでたしめでたし、みたいな雰囲気で喜んでいるように見える。
「あ、あの。」
あたふたするイルカの両手をカカシはぎゅっと握り締めた。
「事情はゲンマとハヤテに聞きました。大丈夫、俺は味方ですからね。」
「ええ、ばらしちゃったんですか!」
さらに驚くイルカにゲンマは、軽く「まあ、いいじゃん。」と流した。
「だってカカシさんには前からばれそうだな〜って思っていたしさ。なら、いっそ、ばらしちまえと。」
「そうそう。第一イルカに好意を持ってくれてますしね。」
「そんな簡単にいいんですか?」
イルカの必死の問いかけに「うん。」と頷く二人。
「良かったですね、イルカ先生。」
カカシがうきうきと話しかけてくる。
「公認ですよ、公認。」
「まあ、いろいろあると思うけど。とりあえず付き合ってみろよ。」
「種族を超えた愛って言うのもいいじゃないですか。」
三人に畳み掛けられて。
カカシの握った手は振りほどけず。
流されていくイルカ。
これからどうなるのか心配は尽きないのだった。



協定者たち 1
協定者たち 3

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