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協定者たち19



里が嫌な雰囲気になってきていた。
簡単にいえば総てが、きなくさい。
木の葉の里、全体が戦場になる気配が近づいている。



カカシはイルカのことが気になってはいたが、自分の受け持っている七班の子供たちが中忍試験に挑むので、準備で何かと忙しかった。
上忍であるカカシは里の動向にも気を配らなければならないし、毎日、休む間もないほどだ。
イルカに直接、会えない日が続いて深い溜め息が出た。



そんな中、昼の遅い時間にアカデミーの食堂を利用したら、偶然にもイルカに会う機会ができカカシは嬉しくて、にこにことした顔が止まらない。
「あの、カカシさん、何か嬉しいことでもあったんですか?」
遅い昼食を一緒に摂りながら、イルカはカカシの顔を不思議そうに見ていた。
「何って、そりゃあ嬉しいですよ。」
イルカと食べているメニューと同じ、カレーを食べながらカカシは嬉しそうに答える。
「好きな人を再会できた喜びを心の底から噛み締めているところなんですよ〜。」
「す、好きな人って・・・。」
そわそわとしたイルカは周りをそっと見回した。
食堂に人は疎らで、幸いにも誰にも聞こえてないらしい。



ほっとしたイルカは安心して笑顔になった。
「カカシさん、最近、すごく忙しいですよね。体調とか大丈夫ですか?」
「ええ、まあ。そこんところは頑健に作られていますんで、ちょっとやそっとのことじゃ、ぜんぜ〜ん平気ですよ。」
「そうですか。」
「イルカ先生こそ。」
カカシは食べ終えたカレーの皿を先に避けながら、イルカの方に体を乗り出した。
「そこかしこで、イルカ先生のこと遠くから見かけたり聞いたりしますよ。イルカ先生こそ、無理して休んでいないんじゃないですか。」
「俺の方こそ、そこんところは平気ですよ。」
平気と言う割にはイルカは疲れているようで、カレーを半分残していた。
カカシの咎めるような視線を受けて、苦笑いをする。



「あ、ちょっと食欲がなくて。でも、ほら、俺はトマトジュースを欠かさなければ、左程、影響ないので。」
「あのねえ、そういうことじゃなくて。」
「皆が頑張っているんです。俺だって、こういう時こそ自分の特性を生かして頑張りたいんですよ。」
体は平気でも心はどうなのだろうか。
心だって、忙しければ疲れてしまう。
それは心身ともに不調にも繋がり、やがては隙を生む。
忍にとっての隙は死を意味する。
確かにイルカは忍ではあるが、少し人とは違っている。
でもなあ。
なんとなく嫌な想像をして、カカシは眉を潜めた。



「あ、でもですね。」
冷めたお茶を一口飲み、イルカは言った。
「明日は久々に休みが貰えそうなんです。午後からですけど。」
「そう、しっかり休んで疲れをとってね。」
カカシの労わりの言葉にイルカは、ちょっと照れくさそうに頷いた。
「すみません。カカシさんは忙しいのに、俺、休みをとってしまって。」
「いいのいいの。」
イルカに気を遣わせないようにカカシは笑って手を振る。
「好きな人が元気だと俺も元気が出るし、好きな人の元気がないと俺も元気が出ないから。」
「す、好きな人って、あの・・・。」
そわそわと、またイルカがし始めた時、背後から声が掛かった。



「へええ、カカシさん、イルカのこと好きなんだ〜。知らなかったなあ〜。」
揶揄うような声に、ぎくりとしたイルカが声のした方を見るとゲンマが、そこにいた。
「ゲ、ゲンマさん。びっくりさせないでくださいよ。」
「な〜んだ、ゲンマか。」
イルカと二人でいたところを邪魔されたカカシはゲンマを軽く睨んだ。

「俺とイルカ先生のこと知ってるなら逢う瀬を邪魔しないでよ。今、すっごく盛り上がって超〜ロマンッチクな甘〜いムードだったのに。」
恨めしそうにする。
「う、嘘です、ゲンマさん。そんなムードなんて欠片もありませんでしたから!」
「イルカ先生、否定しすぎですよ。一欠片の半分の半分位はありました!」
大慌てて否定するイルカだったが人の少ない食堂では逆に、とても目立っていた。
ゲンマは呆れたように溜め息をついて、二人を見る。



「分かってるって、イルカ。あ、カカシさんも睨まないでくださいよ。せっかく、いい知らせを持ってきたのに。」
「いい知らせ?」
「カカシさん、明日の午後休んでいいって伝達です。」
「本当!」
カカシは、がたんと椅子の音を立てて立ち上がった。
「嘘じゃないよね?」
「嘘じゃないです。」
「やったー!」と両手をあげて大喜びしたカカシはイルカに向き直った。
期待に瞳を、きらきらと輝かせている。

「イルカ先生、明日の午後はデートしましょう!」
「デ、デート?」
「何でも言うこと聞いてくれるって約束してたでしょう。」
それは、かなり前の約束だった。
約束というよりもイルカがカカシから逃れるために、その場凌ぎで言ったことに過ぎなかったのだが。
「明日はイルカ先生とデートだ!」
諸手を上げて喜ぶ、大張り切りのカカシを食堂にいた全員が見て、会話の総てを聞いていたのだった。




協定者たち 18
協定者たち 20



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