AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


子供と大人 14






次の日の朝、家を出る前にイルカ先生は俺と同じ目の高さまで屈んで俺をしっかりと見据えた。
「カカシ君。あのさ。」
躊躇ってから決心したように言う。
「抱き締めてみてもいい?」
イルカ先生は俺の返事も聞かずに、ぎゅううっと俺の小さな体を抱き締めてきた。
そのまま、一、二分、何も言わずにただ抱き締められる。
何を思ってイルカ先生がそうしたのか分からず、俺は動くことができなかった。
そうこうしているうちにイルカ先生の腕の力が、ふっと緩んでゆっくりと離れていく。
「じゃ、行こう。」
イルカ先生が手を差し出してくる。
俺は、その手を握って五代目の所まで連れて行かれた。





五代目の所の行くまでの道程、イルカ先生は何も言わなかった。
イルカ先生には、どこか張り詰めたような緊張感があって昨日の夜の寝る前の、あの一言についても聞けない雰囲気だ。
俺も、そのこと以外に話題が思いつかず何も言えない。
二人きりの時間が、もう終わりそうなのに。
気の利いたこと一つも言えないなんて悲しい。
イルカ先生の声が聞きたい。
だけど結局、終始無言のままだった。





そんなことをぐるぐる考えているうちに五代目の部屋の前まで来てしまっていた。
イルカ先生は扉にノックして部屋に入る。
「五代目、連れてまいりました。」
五代目は俺達を見ると、ぱっと顔を輝かせた。
「やっと来たかい。」
五代目が勢いよく立ち上がると机の上の山積みの書類が、はらはらと宙を舞う。
机の上の書類の山の高さが尋常じゃなかった。
どれだけ溜め込んでいるんだ。
俺が呆れて見ていると、五代目は颯爽と俺の前に来て驚くべき一言を放つ。



「カカシ、術を解くよ。」



「えっ?」
「ええっ!」



俺は事の成り行きが分からずに声を上げたのだが、隣のイルカ先生も何故か声を上げていた。
イルカ先生が急に落ち着きなく、おろおろとする。
「ご、五代目、お待ちください。」
「なんだい、イルカ?」
五代目が、ぴくりと片眉を吊り上げイルカ先生を睨んだ。
邪魔をするな、というように。
複雑な解術の印を、既に結び始めながら五代目はイルカ先生と話している。
「今、解術中なんだよ。」
「か、解術は俺が部屋を一度、退室した後にって。」
「そんなこと言ったかねえ。」
「言いました!約束したじゃないですか!な、内緒にするって!」
「約束?さあねえ・・・っていうかね、すぐにでもイルカに書類の整理を手伝いやってもらいたいのに、退室したりしていたら時間がもったいないだろうが。」
「そんなあ・・・。」
イルカ先生が情けない顔をしている。
「やらなきゃいけないことが、たくさんあるんだよ。」
五代目は、そう言い放つと「解!」と俺に向かって人差し指を向けた。
一瞬、眩い光が俺の体を包む。
光が止んだ時には、体の中からチャクラが増幅してくるのが分かり力が漲るのが感じていた。




そうして俺は元の大人の姿に戻った。
小さなカカシはいなくなったのだ。






子供と大人 13
子供と大人 15








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