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子供と大人 8






それから、二人で夕飯の買い物に行くことになった。
イルカ先生は、どこから持ってきたのか、子供用の帽子を俺に被せる。
所謂、野球帽とかいうやつだ。
青い野球帽の正面には『I』と白く文字が書いてあった。
イルカの『イ』かな?
俺に帽子を被せるとイルカ先生は満足そうに頷く。
「よし、これで、カカシ君がカカシ先生に似ているってバレないぞ。」
・・・そう?
帽子被っただけで?
俺の疑いの眼差しをイルカ先生は、するりと避けて両手を広げた。
何だろう?
広げた両手を俺の方に伸ばしてくる。
俺の体の脇の下にイルカ先生の手が入ったと思ったら、ひょいと抱き上げられた。




「わ!」
体勢が一瞬ぐらついて俺はイルカ先生に、しがみ付く。
イルカ先生は、ははと軽く笑って易々と俺を抱き上げていた。
「大丈夫、カカシ君?意外に軽いねえ。」
そりゃ、子供の重さなのでイルカ先生してみたら軽いだろう。
いや、そうじゃなくて。
「もしかして、このまま、買い物に行くの?」
嫌な予感がして恐る恐る尋ねると、予感は的中した。
「ああ、そのつもりだけど。」
イルカ先生が小首を傾げて俺を見る。
顔が、とても近くて、変に緊張してしまった。
「いや?」
こんな近い距離で可愛らしく聞かれたら、例え、いやでもいやとは言えない。
大好きなイルカ先生に抱き上げられているんだ、いやだと言うことができる訳がない。
この状況が嬉しくもあるんだ、子供の姿でもイルカ先生と密着できることが。
俺は小声で「いやじゃないです。」と言ってしまう。
元々、本心には邪な気持ちが含まれているものだから、ちょっとだけ罪悪感が沸いてしまった。




イルカ先生に抱き上げられて外に行くと、何故か、いつもとは景色が違って見えた。
なんていうか、木や草が瑞々しくて空が美しく映えて見える。
そんな景色の中、イルカ先生が、のんびりと俺を抱き上げたまま歩いて行く。
時々ぽつぽつ会話したり、黙って景色を見たりしながら。
話さない時は別に気詰まりとかじゃなくて、それが自然に思えて穏やかに時は過ぎる。
そして、俺が思ったのは。


こういう時間もあるんだなあ。
胸が満たされるって、こういう時なんだなあ、と。
好きな人といる時間て、いいもんなんだ。



そして、痛烈に思ったのは大人の姿に戻ったら、必ずやイルカ先生に告白して。
告白して・・・。
とりあえず告白してみたい。
積年の思いをイルカ先生に伝えてみたいんだ。
それから先の事は告白してからでいいだろう。
できれば大人の俺とでも、こんな風に一緒にいてもらいたい。
大人の姿の時でも二人で穏やかな時を過ごしたいと思うんだけど。
そうなるかな?
・・・頑張ろう、振り向いてもらえるように色々と。





イルカ先生は俺を抱いたまま、お店で魚と野菜類を買っていた。
魚は俺の好きな秋刀魚で野菜の中には、これまた俺の好きな茄子が入っていた。
偶然だろうか?
確か、大人の姿の時に俺の好物を話したことはあったけど。
覚えていてくれたのかなあ。
でも今、俺は子供だし。
親と嗜好が似ていると思われたのだろうか?
考えてみたが分からなかったけど、まあ、いいか。
なんたって好物だし。




それからイルカ先生の言ったとおり、買い物中、野球帽を被っていたおかげで誰も俺の容姿に気づく人はいなかった。
こちらの方が俺のにとっては不思議だった。






子供と大人 7
子供と大人 9








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