子供と大人 7
イルカ先生がいなくなるとて家の中が、しんと静まりかえった。
一人だと、やけに広く感じるなあ。
それとも子供の目線だから家が大きく広く見えるのか。
多分、イルカ先生が帰ってくるのは夕方だよね。
それまで一人で何しようかな。
愛読書でも読むかとも考えたが、万が一、イルカ先生に子供の俺が大人向けの本を読んでいるところを見られたら、いい訳のしようもない。
無難に昼寝でもするか。
幸い、イルカ先生の家には縁側に続く座敷がある。
日も射していて暖かいし、絶好の昼寝日和だ。
俺は座布団を枕に昼寝をすることにした。
昼寝といっても、まだ朝だけど。
がちゃっと玄関の鍵が開く音で目が覚めた。
イルカ先生の気配がする。
もう帰ってきたのかな。
でも外を見ると、まだ日も高く夕方ではない。
時計で時間を確認すると昼を過ぎていて、一時に近かった。
不思議に思っていると「ただいま〜。」と声が聞こえて、やっぱりイルカ先生だった。
足音を立てて、家の中に入ってくる。
「カカシ君?どこ?」
俺を探しているようだ。
「ここです。」
声を出すとイルカ先生が、にこにことしながら俺のいる部屋に来た。
「ここにいたのか。ごめんね、一人で寂しかった?」
「いえ。」
大丈夫、寝ていただけだから。
「そう?お昼は食べた?」
そういや、まだだった。
用意してくれたお弁当があったけ。
首を振るとイルカ先生が、ほっとしたように言った。
「良かった、俺もまだだから。一緒に食べよう。」
「あ、はい。」
それはいいんだけど。
まだ、昼間なのに仕事はどうしたんだろう?
イルカ先生に限って、あり得ないけど、もしかして、さぼりとか?
お茶を入れて昼ご飯のお弁当を用意しているイルカ先生は、俺の疑問を感じ取ったのか笑って言った。
「仕事はね、休みを貰ってきたんだよ。今日を入れて三日間休みなんだ。」
そうなんだ。
イルカ先生が休みなら、その間ずっと一緒にいられる。
すごく嬉しい。
「さぼりだと思った?」
イルカ先生が面白そうに俺を見る。
「え?いや、その。」
焦る俺を更に面白そうに見る。
「最近、休みを取ってなかったんでね、丁度、貰えたんだよ。」
そうなんだ。
「俺もカカシ君と一緒にいたいと思ってね。」
その発言に胸が不覚にも、どきどきしてしまった。
微かに顔が赤くなるのが自分でも分かる。
イルカ先生は、そんな俺を見て優しく笑うと「さ、食べよう。」と自分でも作っていた自分の分のお弁当を広げた。
俺も作ってもらったお弁当を広げる。
二人で一緒に食べる食事は美味しい。
今日から三日間イルカ先生は、どこにも行かず俺と一緒だ。
俺だけと。
子供の姿になってイルカ先生に迷惑かけたかな、と後悔もしたけど。
思わぬ展開に今は、ただただ嬉しい、それだけだ。
子供と大人 6
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