子供と大人 3
「ああ。カカシ、つまり大きい方だが今、任務に出ていて十日間ほど帰ってこないんでね。」
五代目は次から次へと嘘っぱちを並べる。
イルカ先生、何も疑問に思わないのだろうか?
「ほら、子供だし、家に一人でいるのも可哀想だろ。一緒にいてくれないかねえ。」
イルカならアカデミーで子供に馴染んでいるからさ、と最もらしく付け加えている。
「・・・あの。」
イルカ先生は非常に躊躇いがちに聞いてきた。
「この子の、お母様は?」
「え?母親?うーん、それはねえ。」
五代目は、その場の思いつきで言ってるから、その辺のことは考えていなかったんだろう、天井を睨んで急いで考えている。
もうこれ以上余計なことを言わないでほしい。
イルカ先生の中の俺の株がどんどん下がる。
しかし、五代目の態度をどう取ったのかイルカ先生は慌てたように手を横に振った。
「あ、あの、やっぱり、そのことはいいです。分かりました。カカシ先生の帰還までの十日間ほど、お世話をすればいいのですね?」
「ああ。そうなんだが・・・。」
「では、俺の家でお世話をするということでよろしいですか?」
念を押して聞くイルカ先生に五代目は大仰に頷いた。
「面倒を頼んで悪いね。悪いことしたら遠慮なく叱っていいから。」
結局、イルカ先生は俺のことを引き受けてくれた。
イルカ先生に手を引かれて執務室を出る時、後ろを振り返ると五代目が声に出さずに言っていた。
十日間休みをやるから頑張れよって。
やっぱりバレていた、俺の好きな人がイルカ先生だってことが。
結局イルカ先生に本当のことは言い出せず。
俺は子供の姿のまま、イルカ先生の家で厄介になることになった。
騙すような真似をしたくなかったんだけど。
イルカ先生の家に行って泊まって一緒に日常を過ごすのが、とても楽しそうだったんだ。
子供の姿だし、多少無茶言ってもしても許されそうだし。
ナルトのように腰にも抱きついてみたい。
何だかわくわくしてしまう俺だった。
子供と大人 2
子供と大人 4
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