子供と大人 2
「カカシ先生に小さなお子さんがいらしゃったなんて。」
イルカ先生は前屈みになると小さい俺に視線を合わせてきた。
「可愛いなあ。目元なんてカカシ先生にそっくりですね。」
頭を撫でられては俺は、どきどきをしてしまう。
こんなに近くでイルカ先生と顔を合わせるなんて初めてだったから。
イルカ先生はそんな俺を見て、にこにこと笑顔を絶やさない。
笑顔を間近で見て、俺は更にどきどきしてしまう。
俺のドギマギしている様子を五代目が敏感に感じとって、にやりとしているのが視界の隅に見えた。
さっき、好きな人云々話したから、俺の好きな人がイルカ先生だってバレたかも知れない。
そんなことに気を取られているとイルカ先生が聞いてきた。
「何て名前なのかな?」
高揚した気分のまま俺は、うっかり答えてしまった。
「畑カカシ。」
「カカシ君?お父さんと同じ名前なの?」
イルカ先生が不思議そうに問い返してくる。
「う・・・。」
俺は言葉を詰まらせた。
失敗した、同じ名前なんて変だよな。
というより、これ以上誤解を受けないうちに、今、ここで自分は大人のカカシで術にかかって子供の姿になっているだけだと言ってしまった方がいい。
その方がいい。
しかし。
心の中では言わなくちゃと思っているのに、俺の頭を撫でるイルカ先生の手は心地良すぎた。
本当のことを言ってしまったら、この手は離れてしまう。
このまま、ずっと撫でいて貰いたいのに。
そんな俺を見て、イルカ先生が心得たとばかりに頷いた。
「そっか。お父さんと同じ名前なんだね、カッコいいね。」
変じゃないよ、とフォローしてくれる。
俺が、いつまでも名前に関して返事をしないのでイルカ先生は気を回してくれたらしい。
どうしよう、言う機会を逃してしまった。
術にかかって子供の姿になっているだけなんですって。
中味は大人の俺なんだって。
そんな俺たちの様子を傍観していた五代目が言った。
「イルカ、良かったら、この小さいカカシの面倒を暫く見てくれないかねえ。」
「え、面倒って、俺がですが?」
イルカ先生は急なことに驚いている。
そして俺も驚いていた。
何を言い出すんだ、五代目は。
子供と大人 1
子供と大人 3
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