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続 大人と子供12




俺の腕の中には間違いなく、大人のイルカ先生がいる。
笑顔で俺を見ている。
チャクラも覚えがあるものだし、何より、その笑顔がイルカ先生であることを物語っていた。
俺がイルカ先生を間違うはずがない。
「イルカ先生。」
俺から出た声は震えていた。
「はい、カカシさん。」
イルカ先生は笑顔を浮かべている。
俺の心も体も震えた。
何よりも望んでいた人が俺のもとに帰ってきたのだ。
再び会うことができた。
よかった。
心の底から思って、イルカ先生を強く強く抱き締めた。




「会いたかった、イルカ先生。もう・・・。」
もう会えないかと思った、そう言おうとしたけど言えなかった。
俺の目から涙が勝手に零れ落ちて、視界を歪ませていた。
最愛のイルカ先生が目の前にいるのに、その姿が霞んで見えなくなる。
喉に何かが詰まって言葉が出てこない。
ただただ、イルカ先生を抱き締めた。
どこにも行かないように、俺の傍にいてくれるように。
涙の流れる顔をイルカ先生の肩に押し付けた。
イルカ先生の匂いがする。
俺の大好きなイルカ先生が本当に、ここにいた。




「カカシさん。」
イルカ先生は小声で呟くように俺の名を呼ぶと自分の両手を俺の背中に、そっと回した。
「ごめんなさい。」
何故かイルカ先生が謝っている。
「カカシさんを傷つけて悲しませて。俺の所為で。」
消え入るような声だった。
「ごめんなさい。」




ごめんなさい。
その言葉は、小さいイルカ先生も言っていた。
悲しそうな声で言っていた。
最後に見た小さなイルカ先生の顔は寂しげだった。
そんな顔をさせて、俺。
小さなイルカ先生には、もっと笑っていてほしかったのに。
できなかった。

小さなイルカ先生を、もっと抱き締めて抱っこして頭を撫でて「好きだよ。」って言ってあげたかったのに。
たくさん甘やかして楽しい思い出をあげたかったのに。
激しい後悔が押し寄せてきて、また涙が出てしまう。
子供のイルカ先生に何もしてあげられなかった。
夜も変な躊躇いなんて出さないで、一緒の布団で寝てあげればよかったのに。
俺の寝言を聞いていたなんて、きっと不安で寝れない日もあったかもしれないのに。
察してやれなかった、俺は大人だったのに。




イルカ先生が、とんとんと俺の背中を軽く優しく叩いた。
「すみません、俺の不注意で、おかしなことに巻き込んでしまって。」
俺って馬鹿だな、とイルカ先生は自嘲している。
「違います。」
俺は、やっと顔を上げた。
きっと、涙で目は真っ赤になっているに違いない。
それでもよかった、今はイルカ先生を見ていたかった。
「俺、子供のイルカ先生に何もしてあげられなくて。」
イルカ先生は俺を、じっと見つめている。
「もっと優しくしてあげたかった、もっと笑ってほしかったのに。」
上手くいかなかったんだ。
謝るのは俺のほうだ。




「そんなことないですよ。」
イルカ先生は泣きそうな顔をして笑った。
「この術がどんなものか、よく分かりませんが俺の子供時代にカカシさんと過ごした記憶が残っています。」
ちょっと記憶が、ごちゃごちゃしてますけど、とイルカ先生は説明してくれた。
「子供時代の記憶の中のカカシさんは、とても大きくて頼れる優しいお兄さんになっていますよ。」
お兄さん・・・。
「俺、そのお兄さんが大好きでした。」
今も好きですけどね、とイルカ先生は笑うから、俺はもう一度抱き締めた。



俺も大好き、イルカ先生。
いつまでも、俺といてほしい。
好きな人がいないと、きっと俺は何もできないんだ。



イルカ先生は自分の袖で俺の涙を拭ってくれた。
俺の腕はイルカ先生から離れてないし、当分離れそうにない。
ずっと抱き締めていたかった。




続 子供と大人11
続 子供と大人13



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