AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


子犬の気持ち 4



休み二日目。
カカシさんはまだまだ忙しい。
任務の資料は分厚くて読み終わらないらしい。
多分一回読むだけではなく、何回も熟読している思う。
任務に対する責任感やら何やらがたくさんあるカカシさん。
だったら、じっくり読まないと駄目だよね。


なので、俺はいい子で待っていた。
偶には雑誌でも読もうかと思って、静かに読んでいたはずなのに。



いつの間にか。
ぼふ、とクッションでカカシさんの背中を叩いていた。
もう一回。
ぼふぼふ。
楽しくなってクッションで、カカシさんの背や頭を夢中で叩く。
「イルカ先生?」
カカシさんが俺の方を降り向く。
「どうしたの?」
「・・・え?」
じっと見つめるカカシさんの目。
どこか物憂げだ。
「な、何でもありません。」
すみません、邪魔してと謝った。
カカシさんの邪魔するなんて、俺、どうしちゃったんだろう?
「あの、俺、お茶でも入れてきます。」
慌ててカカシさんの傍を離れて台所に行ってお茶の準備をする。
お茶を入れて戻ってくると、カカシさんの背中が見えた。
お茶をテーブルの上に置いて、カカシさんの背中に見入ってしまう。



広くて逞しい背中だ。
俺の大好きな背中。
と、思っていたら、俺はカカシさんの背中に飛びついていた。
飛びつくというより、後ろからジャンプするような感じで。
「わっ。」
突然のことにカカシさんがすごく驚いていた。
「イルカ先生、な、何?」
普段、俺はこんなことをしないから、余計びっくりしているんだろう。
でも。
カカシさんは素早く体制を変えると俺のことを抱きとめてくれた。
広い胸に抱きとめられて。
背に廻った腕に、ぎゅっと力が加わって。
そして俺の背を優しく撫でてくれる。
うっとりするほど気持ちがいい。
自然と目が閉じてしまった。



なんていうか、柔らかくて暖かくて包まれている感じで。
心の底から安心して、体の力が段々と抜けていく。
カカシさんの体温を感じると、ものすごく心がゆったりして。
身も心も安らかになって。
何だか、何もかもどうでも良くなってしまう。
これだけあればいい、カカシさんに抱き締められているだけで。
ああ、幸せだ。




でも何か忘れているような・・・。
「お茶!」
俺は、ぱちっと目を開けた。
目を開けるとカカシさんの腕の中だった。
「あ、起きたの?」
カカシさんは俺を起こさないように、腕の抱えて器用に任務の資料を読んでいた。
そこで俺は眠っていたのだ。
「す、すみません。」
急いで飛び起きたけど、お茶はすっかり冷めている。
どんだけ寝てるんだ、俺。
またまた、邪魔してしまった。
俺ってば、俺ってば。
何の役にも立たないなあ。



悄気る俺を見てカカシさんは微笑んだ。
「イルカ先生とくっ付いていられて得したよ。」
「え?」
「俺の腕の中で、すやすや寝ていて可愛かったしね。」
「う・・・。」
「まるで子犬みたいだったよ。」
子犬!
忍犬を使役していて犬に詳しいカカシさんが言うなら。


多分俺は子犬の気持ちとやらになっているから、いつもはしない変なことをしてしまうのかな。
そういう意味では薬は成功だったのか?


効果は確か三日くらいって言っていたから。
明日までは、ちょっとおかしな行動をとる俺なんだな。

明日さえ乗り切れば。


俺がそんなことを考えていると、カカシさんがぽんぽんと軽く背中を叩いてきた。
「もう任務の資料は読み終りましたから、今から明日まではゆっくりと過ごせますよ。」
カカシさんの唇が額に降りてくる。
「ごめんね、一人にさせちゃって。」
明日はたくさん遊びましょうね、と言ってくれて。
すごくすごく嬉しかった。




子犬の気持ち 3
子犬の気持ち 5





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