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きっと大切な人だから 15



カカシの答えは、もちろん決まっていた。
にっこり笑って「喜んで」と答えたのだった。
「さ!」
カカシはイルカの手を取って、意気揚々と立ち上がった。
「そうとなったら行きましょう!」
「え、どこに?」
手を握られてイルカは部屋の外に連れ出される。
そのまま、カカシに引っ張られて行く。
「あの、どこに・・・。」
カカシは妙に張り切っていて、すたすたと軽快に歩いている。



「どこって、そりゃあ。」
足を止めずにイルカを振り返って、にやっと笑った。
「俺の家です。」
「家?カカシさんの・・・。」
「だってイルカ先生、俺の家、知らないでしょう?」
「え、まあ。そうですけど。」
「恋人が自分の家を知らないなんて、ちょっと悲しいじゃない。」
「はあ。」
「隠れ家でしか会ったことがないなんて嫌でしょう?」
「うーん。」



そりゃあまあ、晴れて恋人となったのなら相手の家くらい知っていてもいいとは思うけど。
でも、それって今日じゃなくちゃ駄目なのかな?
カカシに握られたイルカの手は、がっちりと捕捉されている。
「でも、俺・・・。」
試しにイルカはカカシに言ってみた。
「自分の家にも帰りたいなあ、って思うんですけど。」
任務で長らく留守にしたし、郵便物とかどうなっているか心配だ。
「あ、それにアカデミーとか受付に寄って仕事の状況とかどうなっているのか訊かないと。」
「だーめ。」
イルカが言ったことは総てカカシに却下された。



「恋人になったんだから、もっと他にすることあるでしょう。」
「することって。」
恋人になって、することってなんだ?
ハテナマークを頭に散りばめ、イルカは考える。
恋人になったら何かしなければいけないことなんてあったのか・・・。
俺の知らないところで、そんな仕来たりやマナーができていたのかなあ、なんて悠長に考えていた。
「あ、そういえば、火影さまがイルカ先生は三日間、お休みでいいって言っていましたよ。」
「そんなに、休みがもらえんですか?」
三日だなんて多過ぎる。
イルカは逆に申し訳なくなってしまった。



対してカカシは不満そうに口を尖らせている。
「俺は明日、一日だけしか休みじゃなんですよねー。」
「カカシさん、お疲れなのに一日だしか休めないなんて・・・。」
大変ですよね、とイルカは続けようとしたのだがカカシに不満は、そうではなかった。
「だいたい、火影さまは、ちっとも分かってないですよ。俺とイルカ先生が恋人だって知っているのなら。」
この頃になると里中に賑やかなところを抜けて、少し静かな住宅街らしき場所に来ていた。
カカシの家の近くなのかもしれない。
なんとなく、本能的に不安を感じてイルカは、キョロキョロと辺りを見回した。
なんとなく、誰かいないかな、と思ってしまったのだ。



「気持ちが、やっと通じあって晴れて恋人だって分かっているのなら、その恋人たちに共通の休みが一日だけなんて。」
一日だけなんて足りないし、ほんと分かってないですよねー、とカカシがぼやいた言葉にイルカは仰天した。
仰天して足が止まってしまった。
「カカシさん、今なんて言いました?」
「ん?イルカ先生、どうしたの?」
「今、火影さまがどうとか・・・。」
「火影さま?」
自分の言ったことに気がついていないらしい。
「・・・・・・火影さま、俺たちのこと知っているんですか?」
なんでか知らないが火影はカカシとイルカの、このプライベートな関係を知っているらしい、とカカシは言っている。



「えと、まあね。」
ははは、と誤魔化すように笑うカカシにイルカは誤魔化されなかった。
「な、なななんで火影さまが俺のたちのこと知って・・・。」
「あ、いやあ、ちょっと俺がうっかり口を滑らせちゃってねえ。」
「カカシさんが喋ったんですか!」
「喋ったというか成り行きで、ですねえ。」
その瞬間、かっと真っ赤になったイルカはカカシの手を振りほどこうとして、躍起になった。
「カカシさんとのことを誰かに知られるなんて・・・。は、恥ずかしすぎて・・・。」
「落ち着いてイルカ先生。」
「記憶がなかった時の俺も恥ずかしくて、カカシさんと、こ、ここここ恋人になれたのだって、なんていうか恥ずかしさの一線を越えてなんとかギリギリで・・・。」



イルカは自分の身に思いもよらぬ、たくさんの出来事が一度に起こり、気持ちが整理できてないらしい。
明らかに混乱している。
「や、やっぱり、一回、自分の家に帰って一人になって考えたいです、だから・・・。」
「だから?」
カカシは握ったイルカの手を放す気は、さらさらなくて。
だけども、そんなこと顔に出すことなく、ただ、イルカににっこりと笑ってみせた。
「帰すわけないでしょ。」と手短に自分の気持ちを告げる。



「さあ、イルカ先生。」
手を振りほどこうとするイルカを、いとも容易くカカシは引き寄せて、ずんずんと歩いて行く。
「俺の家、もうすぐ、そこですからね。」
「いや、俺はですね、カカシさん。」
「誕生日にイルカ先生は恋人なってくれるし、今年はいい誕生日だったなあ。」
「あの、カカシさん。」
「日頃から良い行いをしていると神様は見ていてくれるんですね、人生でこんな、一番素晴らしいプレゼントを贈ってくれるなんて。」
俺、感激〜とかカカシは言っている。



「あ、着きましたよ。」
あっという間にカカシに家に到着してしまった。
カカシは見るからに、うきうきとして家の鍵を開ける。
「さあ〜、どうぞ。イルカ先生、俺の家ですよ〜。」
上機嫌でカカシは言う。
「ここでならイルカ先生も、俺に気兼ねなく言えますよ。抱きしめても、キスしても。」
ね、だから、とカカシはイルカを抱き寄せながら玄関の扉を扉を閉めた。
「二人きりなんですから、たくさん言ってね。ちゃんと心置き無く、確実に実行しますから。」
閉められた扉の向こう側で何があったのかは知る由もない。
カカシとイルカだけしか知らないことである。



その後。
カカシがイルカを見る目が優しかったり、イルカがカカシに対して妙に照れていたりすることがあったりと。
二人が仲が良いのは間違いなく。
寄り添う姿は、とても幸せそうに見えたのだった。





きっと大切な人だから14
きっとバレるから 後日談






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