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二人きり 第四話



イルカが色んな疑問を胸に抱きつつも、日は過ぎていった。
なんたって誰かと付き合うということ事態が初めてであったイルカは付き合いとは、こういうものだと思い込もうとしていた節もある。
カカシさん、普段は優しいし・・・。
誰かと一緒にいる時は何故かイルカに見向きもしないが。
それは、きっと何か理由があるはずだ、それに。
誰かと常に一緒だったとしても不満があるなんていったらバチが当たるよなあ。
カカシとの距離を感じ、寂しいとは思うが。
結局、カカシの不可解な行動については訊けずにいたイルカであった。



「イルカ先生」
廊下で、ばったりカカシに会った。
「あ、カカシさん」
カカシを見ると自然、笑顔が浮かぶ。
好きな人を見ると笑顔になる。
最近、これが誰かを好きになるっていうことか、とイルカは思い始めていた。
大変、照れくさいことだったが。
「イルカ先生」
カカシはイルカの名を愛しげに呼んだ。
その顔は真剣だったが。
ただならぬ雰囲気を感じる。
「・・・どうかしましたか?」
不安に思いカカシに尋ねるとカカシはイルカの片方の手を取り、自分の両手で包みこむように強く握り締めてきた。
不覚にはイルカは、どきっとした。
実は付き合いをしてから、カカシとの初めての接触だ。



告白されて付き合いを始めてからカカシとイルカは、お互いの体に触れたことはない。
普段、生活していれば何かの拍子に肩が触れたり手が触れたりするものだが、そんなものは一切なかった。
それも不思議といえば不思議だったが。
カカシは思いつめたような顔でイルカの手を握っている。
「実は、俺・・・」
何かを言おうとしているカカシの緊張がイルカにも伝わってきた。
カカシは何を言おうとしているのか。
イルカまで緊張してきている。
「イルカ先生、俺ですね」
真剣な眼差しでイルカを見つめてくるカカシ。
ごくり、とイルカは唾を飲み込んだ。
「俺、今から任務で里外に行きます、明日の朝には帰ってきますけど」



「あ、そうなんですか」
もっと重大なことを言われると思っていたイルカは拍子抜けする。
任務なら、しょうがないし。
心の中で、ほっと安堵の息を吐く。
なんか、もっと悪いこと想像しちゃっていたよ。
ついでに苦笑いも出た。
「任務、頑張ってくださいね。でも怪我はしないで」
激励の言葉を言うとカカシが目を潤ませた。
出ている片目が、うるっとしている。
妙にカカシが可愛く見えてイルカは微笑んだ。
可愛いなあ、カカシさん。
「もちろん!任務は頑張ります」
握っていたイルカの手をカカシは己の胸に当てた。
「でも、それ以上に心配なのはイルカ先生です!」
そう、カカシは叫ぶように言った。



「え、俺?」
予想外のことを言われてイルカは目を、ぱちくりとさせた。
「俺が心配って、何でですか?」
カカシの言っていることが、いまいち解らなかった。
「俺は一応、安全な里にいるんですよ、特に心配なんて」
「そうじゃなくて!」
焦るようにカカシは言葉を続ける。
「俺がいない間、他の誰かにイルカ先生が告白されたりしたら・・・」
そんなことを言い出した。
ぱちくりさせた目を、もう一度ぱちくりとさせてイルカは呆気に取られる。
カカシの言っていることが、いまいちではなくて、さっぱり解らなかった。
「なに言っているんですか、カカシさん」
余りにも荒唐無稽なことを言い出したカカシにイルカは、つい笑ってしまう。
悪いと思いながらも。
「告白なんてされるはずないですよ、悲しいことに俺はもてませんし」
「そんなことないです!」
カカシは向きになる。
「だってイルカ先生は俺が好きになった人だから!」



その言葉はイルカの胸に深く染み込んだ。
じわじわと胸があったかくなってきた。
「カカシさん」
握られていた手の上にイルカは、もう片方の手を、そっと重ねた。
カカシの目を真っ直ぐ見るとイルカは言った。
「嬉しいです」
イルカが言うとカカシの顔が薄っすらと赤くなる。
「俺のことは心配しないで大丈夫ですよ。それより任務、お気をつけて」
安心させるように穏やかな笑みを浮かべるとカカシは素直に、こくりと頷いた。
「分かりました、任務を即効、終わらせて帰ってきますから」
「はい」
二人は見詰め合って微笑んだ。
周りには誰もいない。
二人きりであった。



二人きり 第三話
二人きり 第五話




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