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二人きり 第二話



「じゃあ、今日の記念として」
明るい顔をしたカカシが、にこにことして言った。
「仕事が終わったら食事にでも行きましょう!」
張り切っている。
「え、ああ、そうですね」
付き合う記念ってことで二人で食事するのかな、と単純にイルカは考えた。
カカシさん、可愛いところあるなあと微笑ましくなる。
「嬉しいなあ」
本当に嬉しそうにカカシは笑った。
「イルカ先生とお付き合いができて」
そんなカカシの顔を見ていると皆に自分たちが付き合っていることを隠すなんて些細なことだとイルカは思え、要は気持ちが大切なのだと思うことにした。
「また、あとでね」
カカシは手を振って姿を消した。
「はい、またあとで」
イルカも軽く手を振る。
「さ、俺も仕事に戻らなきゃ」
気持ちを切り替えてイルカは午後の仕事に戻ることにした。
実はカカシに告白されたのは昼休みで昼飯を食べ終えて、偶々、二人きりになった時であった。
だから突然の告白にイルカは、ひどく驚いた。
でも、それ以上に初めてのお付き合いなるものにイルカが淡い期待を胸に抱いたのだった。



「イルカ先生、仕事終わりましたか?」
夕方、アカデミーの仕事をしていたイルカの元へカカシが、どこからともなく現れた。
ちょうど仕事が終わったところだったのでイルカは頷く。
「はい、終わりです」
「よかった!じゃ、食事に行きましょうか。アスマと紅も待っていますよ」
「はい。え・・・」
途中まで聞いたイルカは見知った名前が出てきて眉を潜めた。
今日は二人きりで食事ではないのか?
カカシは今日の記念としてと言っていた。
だったら言わなくても当然、二人でという流れなのでは、とイルカは疑問に思う。
しかしカカシが余りにも自然に言うので、そういうものかとも思ってしまった。
記念日でも二人きりではない。
特に追求もしなかった。
そうしてイルカはカカシに連れられて行ったのであった。



それは食事と称した飲み会に近いものだった。
お酒が好きな紅がいれば食事に酒がつくのは、ほぼ間違いない。
そして食事より酒がメインになること間違いない。
「・・・でしょう?イルカ先生」
酒の入った紅に話しかけられてイルカは曖昧に微笑んだ。
「そうですね」
手に持ったビールのグラスに口に付ける。
店のテーブルは四人がけでカカシとイルカ、対面にアスマと紅が座っている。
イルカの目の前にいるのは紅だ。
紅は、さっぱりとした性格で切符もいいしイルカも好いていた。
話しやすい上忍の一人である。
紅相手に話をし酒を飲みながらイルカは思った。
これって普通の飲み会と変わらん・・・。
カカシを含む、このメンバーでは何回か飲みに来たことがある。
アスマと紅は普通の飲み会だと思っているはずだ。



横に座るカカシに、ちらと視線を送るがカカシはちっとも気がつかない。
目の前に座っているアスマと馬鹿話をして盛り上がっている。
イルカの方は一度も向いてくれない。
それどころか店に着き、席についてから話もしてない。
どこが記念・・・なのかなあ。
イルカの胸の中は、もやもやが溜まっていく。
告白された時は、そりゃあ嬉しかったけど。
これってどうなんだろ・・・。
これが付き合うってことなのか?
自問自答してみたが恋愛経験皆無のイルカに分かる訳もなかった。
なんだか空しくなってきたイルカは気がつくと紅に注がれるままに酒を飲んでしまっていた。



そんな雰囲気の中、食事という名の飲み会も終わり店を出た。
もう、いい時間である。
明日も仕事があるイルカは、そろそろ帰らなければならない。
紅は酒に滅法強いので、この後も飲みに行くらしかった。
アスマは半強制的に、それに付き合わされるらしい。
カカシは、と見るとカカシはイルカに意外なことを言った。
「俺も、あいつらに付き合って飲みに行きますけどイルカ先生、どうします?」
「え、えと、俺は明日、仕事なので」
やんわりと断った。
「そうですよね」
カカシは、あっさりと頷く。
「じゃ、今日はこれで。おやすみなさい、イルカ先生」
それだけ言ってカカシは紅らと共に飲みに行ってしまった。
イルカを置いて。
一人残されたイルカの心に隙間風が吹き込んできた。
冷たい風はイルカの心を寂しくさせる。
イルカは、ぽつっと呟いた。
「・・・これって付き合うってことなのか?」
答えてくれる者は誰もいなかった。




二人きり 第一話
二人きり 第三話





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