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クリスマスの悲劇



ひょんなことから、会社勤めの見知らぬ関係だったカカシと一緒に住むことになった大学生のイルカ青年は、最近はカカシとの生活に、だいぶ慣れて楽しい学生生活を送っていた。
ついでにカカシとの不可解な恋の行方は、今のところ暗礁に乗り上げている。



イルカは「明日はバイトで遅くなる。」とカカシに伝えた。
今日はクリスマスイブの前日である。
「へえ、明日は忙しいんですか?」
カカシはクリスマスの予定についてイルカに予め尋ねており、二人だけで過ごすように約束を取り付けてあったので特別、慌てたりしなかった。
「まあ、そうですね。」
イルカは頷く。
「俺、店頭でクリスマスケーキを販売するんですよ。たくさん、売れるといいな〜。」
「そうなんですか!」
何故かカカシの目が輝いた。
「ええ、そうなんですけど・・・。」
カカシの妙な迫力に慄きながら、カカシさん、どうしたんだろう?と疑問が沸くイルカだ。
あ、もしかして、とイルカは訊いた。
「クリスマスケーキ、まだ予約とかしてませんよね。買って来ますか?」
なら俺、買ってきますね、とイルカは言ったのだがカカシは首を振った。
「いえ、いいですよ。俺、会社帰りにイルカさんのコンビニに寄りますから、その時にケーキ買いますよ。」
にこにこしてカカシは言ってから、ふふふ〜と不気味な笑いを漏らし、何事かを企むように部屋の隅でごそごそと何かを引っ張り出していた。



クリスマスイブ、当日。
イルカは、せっせとクリスマスケーキの販売に精を出していた。
ケーキは結構売れている。
時間は夜八時を過ぎると客足も、まばらになってきた。
「あ、雪だ・・・。」
ちらちらと白いものが空から降ってきたのを目に留めて、イルカは空を見上げる。
「クリスマスに雪なんて、ホワイトクリスマスになったなあ。」
クリスマスケーキの店頭販売で外にいて寒いのにイルカの心は、ぽっとあったかくなる。



そこへカカシが現れた。
「イルカさん!」
「あ、カカシさん・・・。」
カカシの手には何故かカメラがある。
しかも一眼レフとかいう、すごいカメラだ。
昨日、部屋の隅でごそごそしていたのは、カメラを引っ張り出していたからだったらしい。
なんでカメラ?
不思議に思ってイルカがカカシの手にあるカメラを見ているとカカシが、くわっと目を開いてイルカに詰め寄ってきた。
「なんで!なんでサンタの格好してないの?」
「サンタ?」
「クリスマスケーキの販売するっていうから俺は、てっきり、絶対、イルカさんはサンタの格好すると思って、それを撮ろうと思ってカメラも用意してきたのに〜〜。」



カカシは何やら、すごくショックを受けている。
「そ、そんなこと言われても、あの〜。」
それはカカシが勝手に思っていたことでイルカに責任はない。
なのに、カカシは子供のように駄々を捏ねている。
「イルカさんのサンタ姿を見れると思って、今日は仕事を、いつもの1.5倍くらい頑張ってきたのに〜。」
幸い、客はいないが家の外で駄々を捏ねられてイルカは、ほとほと困り果ててしまった。
「カ、カカシさん。そんなこと言わないで、ね?」
「じゃあ、家に帰ったらサンタの格好してくれますか?」




「・・・え?」
カカシは右手に下げていた袋を見せた。
「こんなこともあろうかとサンタの衣装、買ってきましたから。」
「・・・・・・え。」
呆然とするイルカにカカシは明るく宣言する。
「じゃあ、そういうことで。約束ね。」
素早く指切りもさせられてしまった。
「俺、ケーキを買って先に帰って、料理とか準備して待ってますから。早く帰ってきてね!」
カカシはケーキを買うと意気揚々と手を振って「あとでね〜。」とか言って行ってしまった。
数分後、はっと正気を取り戻したイルカであったが、カカシと約束した事実の内容に、再び、はっとする。



「カカシさん、何言ってんだ。・・・ってか本当にやる気か?」
多分、カカシは本当に実行する気だろう。
本気でやるに違いない。
何しろカカシだから。
「俺がサンタの格好して何が、どう楽しいんだ?」
さっぱりカカシの考えていることが分からなくて首を捻っていたイルカであったが、バイトが終わって家に帰ると真実が判明して、そして・・・。
ちょっと忘れられないクリスマスイブとなったということは言うまでもない。
余談であるが、カカシの用意したカメラが役に立ったかどうかは、カカシとイルカとの間で永遠に封印される事実になったのであった。




一目惚れ、その後の二人、そして行く末(その四)
年末の誓い






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