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おかわり



「ふうーん。で、無事に元鞘に戻ったわけね」
「そうなんだ〜」
カカシは、でれっとした顔で頷く。
ここはイルカのバイトするバーでカカシはバーのマスターの女性、アンコに向かって話をしているのだ。
カカシはカウンターで一人、水割りを飲みながらアンコ相手に惚気ていた。
「イルカさんって、ほんっと可愛い人だよねえ」
「あ、そう」
アンコは冷めた返事だ。
人の恋の話には興味がない。
興味があるのは甘味だけだ。



「あ、そだ」
アンコが奥から何かを取り出してきた。
「これ。今度、出す新作の甘味。試食してみてよ」
カカシの前に餡子とクリームたっぷりのった、見ているだけで胸焼けをおこしそうな甘味が置かれる。
「え、俺、ちょっと甘いものは・・・」
カカシは甘いものが苦手であった。
滅多に口にしない。
「いいから食べてみなって。イルカちゃんも試作する時に手伝ってくれたんだよ」
味見を、とアンコは言う。
イルカの名前を出されると断れないカカシだ。
「じゃ、一口だけ」
ものすごく乗り気でない口調で、甘味を一口、スプーンで掬うと口に入れる。
カカシは「甘い!」と顔を歪せ、眉を顰めさせた。
それを見てアンコは、してやったりとほくそ笑む。
聞きたくもない惚気話を散々聞かされたので、ちょっとした逆襲である。



カカシは会社が終わると、いつもイルカのバイト先まで来てイルカのバイトが終わるまで待ち、一緒に帰るのが習慣なのだ。
それは別に構わないのだが今日のカカシは店に来るなりイルカとの再同棲のことをアンコに長々と話して聞かせ、それが二時間、三時間に及べば、さすがにアンコもお腹いっぱい胸いっぱいだったのだ。
イルカと言えばカカシが来ても、せっせと仕事こなし真面目に一生懸命に働いている。
特別な間柄のカカシがバイト先に来たからといって惑わされることもなく、カカシも大事なお客様の一人として接していた。
「イルカちゃんは、いい子だよね」
イルカの働き振りをみてアンコは呟く。
「裏表ないし、素直で生真面目で、いっつも全力で仕事しているし」
「でしょう?」
イルカの名前を聞いたカカシは甘味攻撃から、あっという間に立ち直った。
「イルカさん、すっごくいい子だよね!」
「まあね」
「でも、俺の大事な人だから手出しは無用だからね!」
俺の、を強調している。



「もう、あんたは帰りなよ」
アンコは冷たく言い放った。
イルカちゃんは一人で帰れるからさ、と。
しかしカカシは聞いちゃいなかった。
「あ、すみませーん」
イルカに向かって手を上げている。
すぐにイルカが来た。
「はい、なんでしょうか。ご注文ですか?」
手には注文したものを書く伝票を持っている。
「うん、これと同じのもう一杯、おかわり」
「かしこまりました」
丁寧に言ったイルカは目の前いたアンコに告げた。
「マスター、水割り一つです」
「オッケー」
イルカは帰った客のテーブルを片付けに行ってしまった。
アンコが呆れたように言った。
「注文するなら私に言ったらいいでしょうが」
いちいち、イルカを呼ぶなと言いたいらしかったが。
「イルカさんがいい」
カカシは、きっぱりと言ったのだった。





お帰り
お辞儀







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