小さな幸せ
夜。
勉強をしていたイルカの元へカカシが帰ってきた。
ある物を買って、いそいそと。
「これ、どうぞ、イルカさん」
カカシが仕事帰りに買ってきたものを渡すとイルカが歓声をあげて受け取った。
「わー、すごーい!いいんですか?」
「うん、いいよ。」
「開けていいですか?」
「うん。」
カカシから渡されたものをイルカは、がさごそと開く。
そして、再び歓声をあげた。
「あ!これ!」
嬉しそうな顔をしてカカシを見る。
「俺が欲しいって言っていたやつですね!」
「うん。店の前を通りかかったら思い出したから買ってきたの。」
「ありがとうございます!嬉しいです!」
イルカは本当に嬉しそうにしている。
こんなことで喜ぶなんて可愛いなあ〜。
ぽややん、とした気持ちでカカシはイルカを眺めていた。
カカシが仕事帰りに買ってきたのはファーストフードハンバーガーやポテトのセットで、今だけ何とかいうサービス期間だかフェアで買うとおまけがついてくるのだ。
そのコマーシャルをテレビで見るたびにイルカが羨ましそうな、それでいて欲しいなあという目で見ていたのをカカシは気づいていた。
もちろん、そんなことイルカは口には出さない。
そのおまけの何がいいのか、カカシには分からなかったがイルカが、それを欲しいのだということは分かった。
そういうところが、大人と子供の境目のなのかなあ。
おまけといっても、そのファーストフードの商品、つまりハンバーガーやポテトなどの模倣したキーホールダー的なもので人気があるらしい。
イルカはファーストフードなんて行かないし、食べない。
自炊しているし、節約という面もあるのだろう。
だから、カカシが買ってきたのだ。
偶にはいいか、と思って。
イルカの喜ぶ顔が見たかったし。
「やったー!」
イルカがおまけの入った袋を開封して喜んでいた。
「俺の欲しかったやつだ!」
やっぱり、すごく欲しかったらしい。
おまけは数種類あって選ぶことはできず、ランダムに中が見えない袋に入って渡される。
そして、おまけはイルカが欲しかったものだったのだ。
「かわいい〜!」
おまけのキーホルダーを見てイルカは目をきらきらさせている。
早速、家の鍵につけていた。
「カッコいい〜!」
さっきは、かわいいと言い、今度はカッコいいと言ったりで忙しい。
「よかった、喜んでもらえて。」
イルカの喜ぶ光景に、ほのぼのとした気持ちになるカカシ。
ちょっとだけ父親の気持ちを味わったような気がした。
「ありがとう!カカシさん!」
イルカがカカシに飛びついてきた。
余程、嬉しいのだろう。
イルカの方から、ぎゅうぎゅうとカカシを抱きしめてきた。
「すっごく嬉しいです!幸せ!」
なんて言っている。
幸せかあ・・・。
イルカに抱きしめられたカカシは、イルカを強く抱きしめ返す。
俺は、こうやってイルカさんを抱きしめていれば、いつだって幸せだよ〜。
心の中で、そっと思った。
そして、その後。
カカシとイルカは二人で仲良く、カカシが買ってきたハンバーガーやらポテトを半分こして食べたのだった。
「あーん」なんて食べさせあったりして。
偶然3
お墓参り1
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