AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する
ハイスペック専用サーバー
39周年!BIGサンクスキャンペーン


一目惚れ、その後の二人の関係



「イル・・・海野さん、大丈夫?」
布団へ倒れこんだイルカに慌ててカカシは駆け寄って来た。
「無理しちゃ駄目です。熱があるんだから。」
イルカの肩まで、きっちりと布団を掛けながらカカシは聞いた。
「お粥があるんですけど食べれますか?」
イルカは布団の中で、こくりと頷く。
「じゃあ、今、持ってきますね。」
そう言ったカカシは器に装ったお粥をイルカの枕元に持ってきた。
「すみませんが勝手に食器を使わせてもらいました。」
「いいですよ、そんくらい。」
掠れた声でイルカは応える。



お粥を食べさせて貰えるなら、それくらいなんでもない。
「それに、このお粥、レトルトなんです。」
それもごめんなさい、と謝られた。
そして、小さなスプーンで掬われたお粥をカカシが、ふうふうと冷ましてイルカの口元に運んできた。
口を開けると、そっとスプーンが入れられる。
お粥は、ひどく美味しかった。
久方ぶりに食事をしたような感じがする。
「おいしー。」
思わず呟くとカカシが微笑んだ。
「よかった。もう一口、どうぞ。」
カカシはイルカを気遣い少しずつ、お粥を口元まで運んでくれて、結局、イルカはお粥を全部食べてしまった。
「食欲があるようなので安心しました。」
お粥を食べ終えたイルカを見てカカシは安心したように言う。
「最初に来たとき、イル・・・海野さん、ひどく苦しそうでしたから。」
「・・・すみません。」
ありがとうございます、と布団の中から礼を述べたイルカだったが、今更になって色々と疑問が湧き出てきた。



「あのう、畑さん。」
イルカはカカシに抱きかかえながら布団に起き上がり、水分と風邪薬と飲まされていた。
飲まされながらイルカは聞く。
「なんで畑さん、俺の家にいるんですか?どこで俺の家の住所聞いたんですか?それに家のストーブがついているのは、なんでですか?どうして・・・。」
矢継ぎ早に聞くイルカに対してカカシは「ストップ。」とイルカの唇に人差し指を当てて、発言を止めた。
「イル・・・海野さん、今は薬を飲んでください。飲んだら話しますから。」
それを聞いたイルカは大人しく言われるままに風邪薬を飲み布団に横になる。
横になったイルカを布団の上から軽く、ぽんぽんと、あやすように叩くとカカシは話し始めた。
「イル・・・海野さんの家の住所はバイト先の店長さんに教えていただきました。」
「えっ!」
イルカは、びっくりした。
店長は、先日、カカシに気をつけろとか言っていたのに。
しかも個人情報は親族にしか教えないはずだ。
そしてイルカに現在、親族はいない。
じとっと疑惑の眼差しでカカシを見ると、カカシは視線を逸らして頭を掻いた。
「実は・・・。」
ごめんなさい、と頭を下げられる。
「イル・・・海野さんがバイトに来てない理由を聞くに当たって、俺とイル・・・海野さんは幼い頃生き別れになった、血の繋がってない兄弟って言ってしまったんです!」



「・・・・・・・・・は?」
イルカの口から間の抜けた言葉が出た。
カカシは済まなさそうな顔をしている。
「イル・・・海野さんは、この事実をまだ知らなくて、俺は兄だって告白するタイミングを見計らうのと、長年、生き別れになっていた弟のイル・・・海野さんを隠れて見守っていたって言ったら店長さんが・・・。」
涙ながらにイル・・・海野さんの家の住所を教えてくれたんです、とカカシは説明した。
「そして、風邪にはこれがいいとコンビニで買える風邪にいいものを教えてくれて。あ、灯油は来る途中に買ってきました。この前、イルかさん、ストーブの灯油がないって言っていたので。」「そ、そうですか・・・。」
カカシの話を聞いたイルカは、ぐったりと疲れてしまった。
熱も上がってきたような気がする。



くらくらとする頭で考えた。
店長〜、どうして畑さんと俺が兄弟って思うんだよ、ってか血が繋がってない兄弟って何?
考えながらイルカは思い出した。
そういや店長は、お涙頂戴ものの人情ドラマや映画に弱かったけ・・・。
だからカカシの話を、いとも容易く信じてしまったのだろう。
あー、これから、俺、どんな顔してバイトに行けばいいんだろうか・・・。
悩み始めたイルカであったが、風邪薬が効いてきて否応なく眠りが襲ってくる。
もう眠ってしまおう。それがいい、とイルカは目を閉じた。
その傍らではカカシがイルカのことを優しく見詰めていたのだった。




一目惚れ、その後の二人
一目惚れ、その後の二人、そして行く末(その一)





text top
top