AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


告白2



カカシのイルカを思う気持ちに後押しされるようにイルカは、ぽつぽつと話し出した。
「俺、カカシさんに実家があるって聞いた時・・・。」
「うん。」
穏やかな声でカカシは相槌を打つ。
話を急かすようなことはしない。
「すごく羨ましかったんです。帰る家があっていいなあって。」
イルカは自分からカカシの手に握り締める。
その手に視線は落ちていた。
「帰る家があるなんて。いつかは、その家にカカシさんは帰ってしまうんだなあと思うと寂しいような悲しいような、胸が潰れるような感じがして・・・。」
そのイルカの言葉にカカシは何も言えなかった。
「昔から友達は帰る家があっていいなあって、ずっと思っていました。それに・・・。」とイルカは言葉を切り、気を落ち着かせるためなのか深呼吸をする。
吸って吐いてを繰り返した。
「それに、友達の中には俺の事情を知ると離れていく人もいましたから・・・。俺も人と違うことが、なんとなく後ろめたくなって、それで会わなくなったりして。」
事情とはイルカの家族が現在はいないことをさすのだろうか。



「だから俺は対等な関係でないと、周りの人は離れていくと思い込んでいて。なのにカカシさんは・・・。」
カカシの名を呼びイルカは、ゆっくりとカカシを見た。
黒い瞳は頼りなげに揺れている。
寂しさが滲み出ている瞳は見ているだけで胸を締め付けられた。
「俺のことを好きだって言ってくれて、傍にいてくれて嬉しかった・・・。」
答える代わりにカカシはイルカの手を強く握る。
本当は直ぐにでも抱きしめたかったが、イルカの話を聞きたかったので敢えて我慢した。
「でも、そんなカカシさんには実家があってご両親もいて、社会人で経済的にも感情の上でも大人で・・・。それに対して俺は独りだし、学生で色々未熟で一緒に暮らしていても光熱費はカカシさんが負担してくれていたし・・・。」
イルカはカカシに引け目を感じていたらしい。
多分、カカシに出会う前にも引け目を感じるようなことが度々あって、コンプレックスになってしまっていたのかもしれない。
ずっと孤独の中で生きてきた者の言葉だった。
「カカシさんが俺のことを好きだって言ってくれているのに嫌われたくなくて。好きな人に迷惑をかけるのも、嫌になって。」
イルカの声が、だんだん小さくなる。
「自分のことも嫌になっていって。なんだか疲れて・・・。」
「イルカさん。」
「このままじゃ、カカシさんに嫌われてしまうんじゃないかと思うと怖くて。だったら、その前に家を出ようと思ったんです。」
話し終わるとイルカは目を閉じて、深く深く息を吐いた。



「カカシさんの家を出てからもカカシさんのことを忘れられなくて、すごく会いたくて・・・。」
「そっか。」
次にイルカが目を開けた時、目の前にカカシの顔があった。
イルカの手を握ったまま、場所を移動してきたらしい。
「そうだったんだね。」
カカシの声は優しかった。
イルカを労わり、すべてを包みこむように。
「話してくれてありがとう。」
それからカカシはイルカを抱きしめる。
「やっぱり、俺・・・。」とイルカの耳元で囁く。
「イルカさんが好き。大好きです。」
声には嘘偽りがなく真実だけがこもっていた。
イルカも、それを感じ取る。
おずおずとカカシの背中に腕を回して抱きしめ返す。
「俺も・・・。カカシさんが好きです。」
自然と目と目が見つめう。
そして二人は再会してからの、初めてキスをしたのだった。


告白1
恋人





text top
top