AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


偶然2



カカシはイルカから目が離せなかった。
仕事といっても、食事するだけなので話は両脇のアスマと紅に任していても問題ない。
一応、仕事関係なのにその態度はどうなのか、と疑問が持たれるところだったがカカシにすれば、それどころではなかった。
背筋を伸ばし立ち姿の美しいイルカが、てきぱきを仕事をしている姿を見るのは気持ちがいい。
イルカさん、カッコいいなあ。
それに可愛い。
そんなことを思いながらカカシはグラスに注がれるワインを空けていった。
カカシはイルカの存在に気がついているが、イルカは接客に忙しくカカシには気がついていない様子である。
それをいいことにカカシは、じっくりとイルカを上から下まで舐めるようにとは言いすぎだが、そんな感じで見ることに専念した。
「あっ!」
イルカを見ていたカカシが急に声を上げて座っていた椅子から腰を半分、浮かせた。
両脇の二人から素早く、肘鉄を食らわされる。
「ちょっと!もう適当でいいから大人しくしていてよ。」
「好きなだけワインを飲んでいていいから、不審な動きだけは止めろ。」
小声で注意された。
そんなアスマと紅の声が聞こえないのか、カカシは立ち上がった。
「俺、行ってくる。」
それだけ言い残すと席を後にしてしまう。
残ったアスマと紅は顔を引き攣らせて怒りつつも、そこは仕事第一と笑顔を絶やすことはなかった。



食事の席を立ったカカシは、つかつかとイルカの歩み寄った。
その歩みに迷いはない。
後ろから、ぐっとイルカの肩を掴んで振り向かせた。
「えっ、あの・・・。」
振り向いたイルカは、はっと息を飲んだ。
「カカシさん!」
口の動きだけでカカシの名を呼び、立ち尽くしている。
そのイルカにカカシは言った。
「すみません。」
にっこりと愛想よく笑う。
「お手洗いの場所が分からないので案内してもらえますか?」
「は・・・。あ、はい。」
イルカは、すぐに現実に戻されたようで、接客する時の顔になる。
「こちらです、お客さま。」
丁寧な言葉でカカシを案内したのだった。
人気のない場所まで来るとカカシはイルカを壁に押し付けた。
腕で囲い逃げられないようにする。
「あの、お客さま・・・。」
「お客さまじゃな〜い。」
カカシの目は据わっていた。
「カカシって呼んでよ。」
イルカの顔に自分の顔を近づける。
ふとイルカが眉を潜めた。
「カカシさん、飲んでますね?」



ふふふ、と笑ったカカシは舌足らずな感じで答える。
実は結構な量のワインを飲んでいたのだ。
少々、酔いが回っているらしい。
「そうだ〜よ。」
「大丈夫ですか?」
「だいじょう〜ぶ。」
答えてカカシは、目を細めてイルカを少し睨んだ。
「それより、さっきのあれは何?」と咎めるように訊いてきた。
「さっきの?」
「そう、さっきの?」
首を傾げるイルカにカカシは言った。
「俺じゃない他の人に触られていたじゃない。」
ものすごく嫉妬深い目で睨まれている。
「触られるって、あれは握手されただけで・・・。」
イルカは口篭った。
ホテルには外国からの利用客も多いので、スキンシップが過多になることも多い。
「別に他意はないですよ。」
本当にそうだった。
だがカカシは、がばりとイルカに抱きついてきた。
「でも、俺は心配なの〜。」
イルカは、こんなところを誰かに見られたらと、そちらの方が心配になってきた。
カカシはイルカに抱きついたまま話す。
「イルカさんがどこで何してるか、いつもイルカさんのこと考えているよ〜。」
抱きしめる腕に力が込められイルカの背がきしむ。



「こんなに好きなのになあ。」
「カカシさん・・・。」
ひどく寂しげなカカシの声にイルカの胸が痛くなる。
「好きなのに。こんなに好きなのに。」
訴えるようにカカシは言う。
「いつも一緒にいたいのに。」
抱きしめていたカカシがイルカの目を見つめてきた。
「どうしたら。」
カカシは切なそうな顔をしている。
そして言った。
「どうしたら一緒に住んでくれるの?イルカさん。」





偶然1.
偶然3.






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