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偶然1



「あ、カカシさん。」
明日は休みだという前の日。
イルカはカカシに言った。
「明日は俺、急遽、バイトが入ってしまったんです。」
「そうなの?」
「はい。」とイルカは頷く。
「友達がやっているバイトのピンチヒッターで。友達が風邪を引いたらしいんですが、穴を開けられないから頼むって。」
「へえ、どんなバイト?」
ちょっと興味が出てカカシは聞いた。
「どんなって。ホテルのレストランのウェイターですよ。」
照れたようにイルカは笑った。
「前に俺も少しだけやっていたんですけど、時間帯が合わなくて辞めてしまったんです。」
自給が良くてもったいないな〜と思ったんですけどね、とイルカ。
「そんなこともあって、俺、明日はバイトです。」
せっかく週末は二人きりで過ごせるのに、その時間を潰してしまったことに申し訳なさそうにしていた。
「ああ、いいよ。」
気にしないで、とカカシは、あっさり手を振った。
「俺も、実は明日、仕事が入っちゃってねえ。」
情けない顔をする。
「そうなんですか?」
「そう。どーでもいい仕事っていうか、仕事先の相手と接待でホテルで飯を食べるって言う・・・。」
カカシは心底、嫌そうな顔をしていた。
「わざわざ休みの日にねね。すっごく面倒、すっごく行きたくないの。」
飯くらい、ゆっくり食べたいよねえ、と愚痴っている。
「じゃ、明日は二人とも予定があるってことですね。」
「うん、残念。夜には会おうね。」
二人きりで、とカカシが言うとイルカは顔を赤くしたのだった。



あー、つまらん。
食事を始めて五分も経たないうちにカカシは嫌気がさしていた。
あー、早く帰ってイルカさんに会いたいな〜。
早くもイルカのことを考えている。
それが顔に出たのだろう。
両脇のアスマと紅に脇を小突かれた。
「おい、ちゃんとしろ。背筋を伸ばせ。」
「妄想するのは食事が終わってからよ。」
小声で怒られている。
「だってさ〜。」
「だってじゃない。」
「はいはい。」
「返事は一回で。」
「はーい。」
全く、やる気がないカカシだ。
仕事の話はアスマと紅にまかせてカカシは適当に相槌を打つことに終始する。
頭では別のことを考えていた。
イルカさんと一緒に住みたいなあ〜。
食事と共に出されていたワインを飲みながらカカシはイルカのことを思った。
一度はイルカに出て行かれてしまったが、今度こそは上手くいくんじゃないか。
そんな気がする。
もう、お互いのことを充分、知ったことだし。
気持ちも通じ合っている。
好きな人を一緒にいたい気持ちに嘘はつけない。
イルカは何事にもおいて遠慮がちだが、それはイルカの性格の一つであり、今ではカカシの前ではだいぶ、それは砕けて和らいできたと思っている。



だけども。
やはり、以前にイルカに出て行かれたことが気になって、カカシはそのことが言い出せずにいた。
さり気なく、イルカの家に住んで、もう一ヶ月。
イルカは気づいているのかいないのか、何も言わない。
カカシと一緒にいるのを楽しんでいるようだし。
自分がいるとイルカの顔が幸せそうに見えるのは気のせいだろうか。
自惚れるわけではないがイルカは今、とても幸せそうで輝いている。
まあ、恋人の惚れた欲目かもしれないが。
ワインのグラスを傾けて中味を飲み干したカカシの視界の隅に、とある人物が飛び込んできた。



上半身は白いシャツと黒い上着、下は黒いズボンを身に纏い、清楚な感じの、その人は・・・。
粉うことなきイルカであった。
髪はいつもと違い、項で一つに束ねている。
柔らかく人好きのする笑顔でイルカは接客していた。
イルカさん!
カカシの目は釘付けになる。
ホテルでウェイターのバイトって。
このホテルだったのか・・・。
偶然にもイルカと会ったことで、やっぱり運命を感じるカカシであった。





予定
偶然2.







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