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天使の入浴



「ねえねえ、イルカさーん。」
朝、カカシは可愛くイルカに、おねだりしていた。
「今日、イルカさん、バイトお休みだよねえ?」
「え、ああ。はい、そうですよ。」
イルカは濃い目のコーヒーを飲みながら欠伸まじりに答えた。
昨夜は遅くまで勉強していたのだ。
「でね。」とカカシが首を傾げる。
可愛いつもりらしい。



「今夜は会社の知り合いを家に招いて、お酒飲んでもいいかなあ?」
窺うようにイルカを見る。
あっさり、とイルカは承諾した。
「勿論、いいですよ。だって、カカシさんの家じゃありませんか。」
「え、と・・・。そういうことじゃなくてね。」
「あ、もしかして俺、いない方がいいですかねえ。」
「駄目!いて!絶対、家にいて!」
「はあ。」
カカシはイルカの肩を掴んで、すごい形相でお願いしてくる。
どこかへも行くな、と言わんばかりに。
「でも、俺、邪魔なんじゃあ・・・。」
「邪魔じゃないです!ぜんっぜん!いてくれないと困ります。邪魔なのは、会社のやつらの方ですから。」
「はい。」
何がなんだか、よく分からなかったがイルカは、こくりと頷いた。



会社の人たちを自分の家に招いておきながら、その人たちを邪魔だと言うカカシが、いまいち分からない。
だが、絶対にいてほしいとカカシに、うるっとした目で懇願されると訳が解らずも断りきれないイルカであった。
「あの、俺、今日は家にいてもいいんですね?」
確認するように聞くとカカシは、ぶんぶんと首を縦に振る。
「うんうん、そうそう。」
「分かりました。そうしますね。」
イルカが笑顔を見せるとカカシは、やっと安心したようで掴んでいたイルカの肩から手を外した。
外しながら、イルカの唇に掠めるようなキスをしていく。
軽く唇に触れながらも、一瞬のことなのでキスかキスじゃないのか錯覚を起こすくらいのキスだ。
イルカは、このキスというか、キスらしきものに突っ込んでいいのか、どうなのか判断できず二杯目のコーヒーをお代わりすることで自分を誤魔化した。



二杯目のコーヒーを飲みながら「あ。」とイルカは声を上げる。
「どうしたの、イルカさん。」
「ええと。」
今度はイルカが窺うようにカカシを見た。
「あのう、俺もお願いがあるんですけど・・・。」
言い難そうにしながら、イルカは両手の平でコーヒーカップを包み込むように持って、もじもじとしている。
「なあに、言ってごらんなさい。」
カカシに促されるとイルカは言った。



「今日はバイト休みなんで、その、風呂に入っていいですか?」
「あ・・・。いいですよ〜、そんなことくらい。いつでもオッケーです。」
「ありがとう、カカシさん。」
イルカは輝くような笑顔を見せる。
「俺、風呂大好きなんですよね。今日は大学から帰って来たら風呂入るの楽しみです。」
嬉しそうなイルカにカカシも嬉しくなる。
「存分に入ってください。」
にこにこしながら、そう言った。


勿論、イルカは毎日風呂に入っている。
だが、イルカがカカシに敢えて風呂に入っていいかと訊くのは、その入浴時間が極端に長くなると思われたときだ。
長時間、風呂場を占拠してしまうので、その際にはイルカはカカシに了承得ていた。
風呂好きなイルカは何時間も湯に浸かっている。
それが大好きらしい。
イルカは温泉も好きだというのもカカシは最近知ったばかりだ。




その夜。
会社の知り合い、アスマと紅を伴ってカカシが帰宅した時はイルカは既に風呂に入っていた。
風呂場から、時々が湯の流れる音が聞こえてくる。
「で、カカシの大事な人ってのは、今、お風呂なの?」
紅が缶ビールのプルタブを開けながらカカシに訊いた。
「あー、うん。お風呂が大好きでね〜。」
にやけ顔でカカシが答える。
「可愛いよね〜、風呂に入るのが好きなんて。」
「あー、そう。」
紅は、ごくごくとビールを飲む。 カカシの幸せが詰まった家に連れてこられて、その幸せに中てられ胸焼けがしていた。



「で、いつ、風呂は終わるんだ?」
アスマは至極当然のことを尋ねる。
「カカシが勿体無いけど会わせてあげる、とかなんとか言ったから来たんだがな。」
語尾には、しょうがねえなあという感が漂っている。
「うーん、それはねえ。不明。」
「不明って何よ?」
「不明って何だ?」
アスマと紅に間髪おかず、指摘された。
「だってイルカさん、お風呂好きだから、ずううっと入っているんだよ〜。まるで、お風呂の天使みたい。」
カカシの浮かれた言葉にアスマと紅は反応はせず、二人はビールを開けていたビールを煽ると一気に飲み干して、新しいビールに手をつけた。
やってられない、と目が語っている。
お風呂の天使ってなんだ、そりゃあ!と言いたげであった。



そんな二人にお構いなくカカシは嬉しそうにしている。
嬉しそうな顔に嫉妬でもしたのか、紅が悔しそうに訊いた。
「で、その天使とカカシは一緒に、お風呂に入ったわけ?」
途端にカカシが黙った。
小さい声が聞こえる。
「・・・・・・・・・入っていない。」 少々意地悪く紅は追求した。
「それは『まだ』なの?見込みなしなの?無理なの?」
「まだ、だ!」
カカシが、ぎっと紅を睨み、そこへアスマが「まあまあ。」と割って入る。



そこからカカシ、紅、アスマの三人はヒートアップして酒を飲み酔っ払っい、散々、恋人と一緒に入る風呂談義とやらを熾烈に交わして、結局イルカと会うことなく深夜遅くにカカシ宅から帰っていた。
幸い、イルカはその間、やはり風呂に入っており、いかがわしい大人の風呂談義を聞くことはなかったが聞かない方がよかったのかもしれない。
「イルカさ〜ん。」
誰もいなくなった居間でカカシは一人呟く。
カカシは結構、酔っていた。
「あー、もう、こんなに好きなのに〜。」
そして本音が、少し漏れる。
「いつか一緒にお風呂に入りたいなあ。」
しかし、イルカのことをお風呂の天使だとか思っているうちはカカシの、その望みは到底、叶いそうにもないのであった。





愛の入った・・・
犬の話




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