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拾う神 3



そうして俺はカカシ先生に連れられてカカシ先生の家に行った
家に行くのはいいんだけど考えてみれば話し相手って、いつからいつまで、どこからどこまでの範囲でなればいいんだろ?
そういう大事なことを考えなきゃいけないということが頭から、すっぽりと抜け落ちていた
「さあ、どうぞ」
通されたカカシ先生の家は物が少なく整理整頓されている
広さも俺の家と同じくらいで部屋の中央をベッドが陣取っていた
へえ〜、上忍てこんな感じの家に住んでいるのか〜
上忍の家に行ったことがなかった俺は家の中を、ぐるりと見回してしまった
意外に簡素で無駄な物がない
女っ気が微塵もなく、そんなところが俺と同じで何となく親近感が沸いてきてしまう
まあ、きっと外では、すごーくもてるんだとは思うけど

「イルカ先生、ビール飲む?」
冷蔵庫を開けたカカシ先生が俺に言いながら缶ビールを投げ渡してくる
それを「あ、どうも」とキャッチして俺はプルタブを開けた
喉が渇いていたので遠慮なくいただいてしまう
「うまー」
ビールは冷えていて本当、美味しかった
「そう、よかった」
カカシ先生もビールを飲んでいる
「夜は鍋でいいですか?」
「あ、はい」
って思わず返事したものの、もしかしてカカシ先生が作るのだろうか?
見ているとカカシ先生は冷蔵庫から材料を取り出して、ちゃっちゃっと手際よく切っている

「イルカ先生、そこの棚の上にガス台と土鍋があるから出してくれます?」
「はい」
指示を受けて棚から言われたとおりの物を取り出す
「部屋の隅っこに小さいテーブルがあるから、それにセットしてください」
「はーい」
目立たないような場所にあったテーブルをベッドの隣くらいに持ってきてガス代と土鍋をのせた
母親のように、あれこれ言うカカシ先生が面白い
テーブルを配置してガス台に鍋を乗せると、そこに切り終えた材料をボールに入れたカカシ先生が来て土鍋に材料を、どばっと移した
移したっていうか、投げ込んだっていうか
なんていうか男の料理風だなあ
続いて、だし汁のようなものを鍋に投入し蓋を閉めてガスを点火した
「これであとは待つだけです、煮えたら食べれますよ」
「わかりました」
あっという間に鍋の準備完了だ
カカシ先生て、すごい

俺たちは鍋が出来上がるのを待ちながらビールを飲んだ
向かい合わせに座っているのでカカシ先生の顔が、よく見えた
覆面を取った顔を初めて見たけど、男前だった・・・
その男前の顔が、にこっと笑うと更に男前
「鍋って一人じゃ中々、食べれませんからイルカ先生がいて良かったです」
そう言われると俺も良かったです、と心の中で相槌を打ってビールを一口飲む
ビールは美味いし鍋は美味そうだし部屋はあったかくて嬉しいんだけど、なんだか申し訳ない気分だ
話し相手ってつっても考えてみれば俺って気が利くような会話が出来ないんじゃないか?
こんな俺でいいのか、カカシ先生・・・
ちら、と視線を走らせると楽しそうにしているカカシ先生がいる
頑張ろう!と俺は思った

煮えた鍋は、とっても美味しかった
食べ始めると自然、会話も弾んでカカシ先生と色々と話すことが出来た
ちょっと、ほっとする
そして鍋!
鍋には蟹やら海老やら入っていて、すっごく豪勢だったのだ
めちゃくちゃ美味くて俺は、我が人生に悔いなし、とここで死んでも心残りがないだろうと思ったほどだ
少し大げさかもしれないが
こんな美味い鍋を食べさせてもらって幸せすぎる!
そう言うとカカシ先生は嬉しそうに笑った
「用意しておいて良かったです」
・・・ん?用意って
ふと疑問が首をもたげたのだがカカシ先生の話に引き込まれて、その時は忘れてしまった俺だった

食べ終わると、さすがに俺は後片付けを申し出た
食べっぱなしはいけないよな
っていうか後片付けくらいじゃ割りに合わないかもしれないけどさ
後片付けが終わったら、頃合を見て家に帰ろう
しかし洗面所兼脱衣所みたいなところから出てきたカカシ先生は言った
「イルカ先生、それが終わったらお風呂入りますか?」
どうやら風呂に湯を溜めていたらしい
それはいい、それはいいが、今、何と?
・・・風呂?
「えーと、風呂ですか?」
俺は一応、確認してみた、聞き違いかと思って
でも違った
「だってイルカ先生、泊まっていくでしょ」とカカシ先生は事も無げに言ったのだ
想定外だ、泊まるなんて
何も準備していないし、話し相手になるって始終一緒にいることなのかな

結局、俺は風呂に入ってカカシ先生のパジャマを借りた
そして風呂から出た後、何やかやと話していて寝る段階になったのだけど
「一緒に寝ましょうよ」
カカシ先生はベッドの上を、ぽんぽんと叩く
「予備の布団はないし、電気消してから暗闇で話すの楽しそうです」
確かに電気消してから、ひそひそ話すのって合宿みたいで楽しそうだけどさ
でも、これでいいのか・・・
一緒の布団で寝るのはさすがに気が引ける、カカシ先生が寝てからこっそり帰るってのはどうだろう?
しかし、その希望はすぐに打ち砕かれた
「あ、俺、誰か起きている人がいると眠れない性質なんです」
つまり俺が寝ないと寝れないって訳ですか?
掛け布団を捲って俺にベッドに入るように誘うカカシ先生
おそるおそる俺はベッドに入った

誰かと同じ布団で寝るなんて何年ぶりだろう
両親が亡くなって以来のような気がする
どきどきと波打つ心臓を宥めつつ、俺は邪魔にならないようにベッドの隅っこに横になった
寝るまでの間、カカシ先生と話していたのだが
気がつくと朝になっていたのだった




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