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黄金律2



この話しの中でイルカ先生が死んでしまう描写がありますが次で生き返ります

流血表現が多いです

苦手な方は充分にご注意の上、お読みくださいませ

または読まない方がよろしいかもしれません

注意書きが多くてすみません












肉を切り裂く音は確かにした。
しかし、カカシの体に衝撃はない。
驚いて目を見開いたカカシの胸に飛び込んできたのは、自らの胸の深々と剣を刺したイルカの姿だった。



「イルカさんっ!」
目を見開いたまま、空を見つめているイルカ。
その目が、ゆっくりと閉じられると、まるでスローモーションのようにイルカの体が地面に倒れていく。
「イ、イルカ、さん・・・。」
倒れるイルカの傍にカカシは一瞬で近寄って、イルカが倒れないように、しっかりと胸に抱く。



「ど、どうして?俺を殺すんじゃなかったの・・・。」
カカシは言いながら、慎重にイルカに胸の剣を引き抜いた。
自分の手が傷ついて、血が流れ出るのも構わずに。
イルカは痛みのせいか顔を歪めて、ふうっと息を吐いた。
そして薄く目を開きカカシを見た。
「こ、こういうのを、人間の世界では何て言う、んでしたっけ?」
「何が?」

カカシはイルカの止血で忙しい。
胸から流れ出す血を一刻も早く止めたかった。
悪魔なのにイルカから流れ出る血は赤い。
「ミイラ取りがミイラになる?・・・でしたっけ。」
ごほっと咳をしたイルカの口の端から真紅の血が、するすると零れ落ちた。
「主に言われて、あなたの魂と体を取りにきたのになあ・・・。」
声が、だんだんと小さくなっていく。



「なのに、カカシさんのことを・・・・・・になってしまうなんて。」
俺、悪魔失格だ、と虚ろに掠れ声で呟く。
「え?」
イルカの言葉を聞いて、カカシは思わず治療する手を止めてしまった。
聞き取れない部分があったが、とても大事なことを言われたような気がする。
「イルカさん、今、なんて・・・?」
「もう、いいんです。」
僅かに微笑んだイルカは、己の口元から流れ出る血を右手の人差し指に付けると、もう片方の手でカカシの額宛をずらし、震える指でカカシの額に五芒星を描いた。
五角形をした星型だ。



「何を?」
カカシにはイルカの行動の意味が、さっぱり解らない。
「こ、これは・・・。」
苦しそうに喘いだ後、イルカは途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
「最強の呪印、守護の印なのです。・・・悪魔も天使も上級の者でも下級の者でも力に関係なく、天界魔界に属する者が死を持って行う印は・・・。」
カカシの腕の中のイルカは、ひどく震えている。
「何人たりとも打ち砕くことはできないと言い伝えられています。」
懸命にカカシに何かを伝えようとしていた。



「カカシさん・・・。」
息が細くなるイルカの体に変化が現れてきていた。
悪魔としても魔力を失い始めたせいなのか、命が終わる時が近づいたのか、姿が徐々に変わりつつあった。
耳の先が少し尖り、黒い髪が腰まで伸びて、爪が黒く変色し長く尖る。
イルカの体が再び、激しく震えた。
目の光が見る見るうちに衰えていく。
「イルカさん、イルカさんっ。死なないで、俺・・・。」
カカシは出来得る限りの力で止血を行っているのだがイルカの血は止まらない。
血が流れ出るたびにイルカの顔色は、それに比例して色を失くしていった。



「俺がいなくなっても次の刺客は来るでしょう。カカシさんは黄金律です、これからも狙われる・・・。」
「・・・だ、だから?」
カカシの声は震えていた。
最早、涙が零れ落ちそうになっている。
自分がイルカに出切る事は余りにも少ない。
嫌な予感が押し寄せてきていた。
「だから。」

ふと、イルカの眼差しが優しくなる。
その目がカカシを捉えているのかは分からないが穏やかな顔つきになった。
「あなたに史上最強の守護の印を授けました。」
イルカは満足そうな笑みを浮かべる。
「悪魔の心臓は右にあります。しっかりと自分で貫いたので俺は、もう・・・。」



目の光りを急速に失ったイルカの瞼は閉じ始めていた。
「カカシさんは何も心配することはない。これで・・・・・・いい。」
そして瞼は完全に閉じられた。
震えていたイルカの体も動かない。



体は、まだ温かいのに。
カカシは自分の腕の中の動かないイルカに呼びかけた。
「ねえ、イルカさん、目を開けて。・・・嘘でしょう。」
イルカの体を軽く揺する。
目の前で起きたことが、どうしても信じられなかった。
「死なないでよ、俺の傍にいてよ、イルカさん。」
ぎゅっと動かない体を抱き締めた。


その時である。
キンと金属音のような音が鳴り響き、カカシの額に鋭い痛みが走った。
直ぐに痛みは治まったが、それは守護の印が発動した証である。


同時に、それはイルカの完全なる死を意味した。





黄金律1
黄金律3





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