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どこへいずこへ2



イルカ先生はどこかへ走って行ってしまった。
で、正気づいた俺はもちろんイルカ先生を追いかける。
全力で。
上忍の力をフルに使ってイルカ先生を捕まえた。
「ちょっと待ってください、イルカ先生」
後ろからイルカ先生の肩を掴む。
肩で息をしているイルカ先生は俺に肩を捕まれて走るのを止めた。
「聞いてほしいことがあるんです」
イルカ先生は黙っている。
何も言わない。
俺の方を見てくれない。
掴んでいる肩に力が入り体が強張るのが分かった。
イルカ先生は俺に何を言われるのか恐れているらしい。
「何でしょうか?」
声がか細い。
イルカ先生の声が心なしか震えていて、それに俺の心臓が音を立てた。
だって俺も緊張していたから。
でも、ここで言わなきゃ男じゃない。



俺は先ほどのイルカ先生と同じように息を吸い込むと言った。
「俺もイルカ先生が好きなんです!」
言った!
イルカ先生の肩が、ぴくりと震えて反応した。
「さっきは驚いてしまって」
驚いて何も言えなかった。
すぐにイルカ先生に返事をすれば良かったのだが。
振って湧いた幸運に俺は酔いしれてしまっていた。
だって物凄く、じいーんとしていたんだ。
「ずっとイルカ先生のことが好きだったんです、好きで好きで好きで」
好きで好きで好きで好きで好きで、すっごく好きで。
夢に見るほど大好きで。
いくら好きと言っても足りないほどイルカ先生が好きなんだ。



「・・・・・嘘。」
振り向かないイルカ先生から声だけ聞こえた。
「本当です」
「・・・・・・嘘だ」
「嘘じゃありません」
イルカ先生の頭が横に振られる。
俺の言うことを信じてくれてないみたいだ。
すぐに信じられないのは無理もない。
俺も意中の人から告白されて信じられなかった。
夢見たいな出来事だったから。
「本当なんです、俺もイルカ先生が好きなんです」
真摯な態度で嘘偽りない言葉を俺は吐き出した。
イルカ先生と両思いなのに。
せっかく両思いになれたのに。
これで上手くいかなかったら悲しすぎる。



俺は掴んでいたイルカ先生の肩を、そうっと引き寄せた。
怖がらせないように、それでいて離れないように。
引き寄せられると自然にイルカ先生が俺の方を振り返るように見た。
その目が揺れている。
不安そうに。
「今、言ったこと・・・」
確認を求めるように俺を見てくる。
「本当に本当なんですか?」
自信なさげな顔だけど自信がないのは俺の方だ。
俺のこと本当にイルカ先生は好きなんだよな・・・。
「本当です、本当の俺の気持ちです」
はっきりと俺は、もう一度言った。
「イルカ先生が好きです」
「カカシさん」
やっとイルカ先生の目の色が落ち着いてきた。
不安そうだったのが穏やかに安らかに。
俺の言うことを信じてくれたみたいだった。
「カカシさん、嬉しいです」
恥ずかしいのか頬が、ほのかに赤くなっている。
いいなあ、こういうの。
可愛いイルカ先生。



本当に夢を見ているようだ。
だから俺はイルカ先生にお願いしてみた。
「もう一回、さっきの言葉言ってくれませんか?」
「さっきのって」
「俺を好きだって言ってほしいんです」
「えっと、それは・・・」
更に赤くなったイルカ先生は俺から視線を逸らして照れている、猛烈に。
好きだって言うのに抵抗があるらしい。
でも俺は聞きたい。
「ねえ、お願いします、イルカ先生」
甘い声を出して強請って見るとイルカ先生は俺を見上げて。
言ってくれた。
「カカシさん、好きです」
その言葉を聞いて胸が幸福感に満たされる。
そうして俺はイルカ先生と恋人になったのだった。



恋人がいる生活って素晴らしい。
生きていくのが楽しいってこういうことだろうな。
イルカ先生が恋人になってからというもの俺は毎日が楽しくて楽しくて仕方がなかった。
人生って素敵だと愛読書を片手に思っていた。
イルカ先生と出来る限り、いつも一緒にいた。
仕事が終わって帰るのも一緒。
夜は、どちらかの家で一緒。
食事をするのも眠るのも一緒。
イルカ先生といるといつも幸せで心が満たされる。
イルカ先生の笑顔一つで、どれだけでも頑張れた。
任務にも精が出るというものだ。
イルカ先生も控えめであったが俺のことが好きだと態度や表情で表してくれるし。
照れるところも俺の目には可愛く映り、目の保養となった。



そうして恋人がいる生活に馴染んできた頃。
俺は、ちょっと長い任務で里を離れた。
出発前にはイルカ先生に何度も怪我をするなと言われて心配された。
俺は必ず帰ってくると約束し。
任務を頑張って予定よりも早く里に帰還できた。
帰還して報告書を出してしまえば後、俺のすることは一つ。
イルカ先生に会うことだ。
一刻も早く恋人の顔が見たい。
離れていた間の空白を埋めるがごとくイルカ先生と抱きしめたい。
それだけだ。
俺はイルカ先生を探した。
仕事だったら邪魔をしないで我慢して家に帰ってイルカ先生を待っていようと思っていた。



ところが。 イルカ先生を探していた俺は衝撃的な光景を目にした。
それはアカデミーの裏庭で。
人目を忍ぶような場所で。
いたのはイルカ先生とアカデミーの教員と思われる女性の忍。
イルカ先生は、その女性から一通の手紙を受け取っていた。
薄ピンク色のそれはどう見てもラブレターにしか見えない。
それをイルカ先生は照れたように受け取っていた。
差し出した女性も照れくさそうにしている。
なんで!
なんで?
俺という者がありながら何ゆえ、イルカ先生は女性からラブレターを受け取っていたのだろうか。
任務で里を留守にして会わない間に俺のことを忘れてしまったのか。
まさか、そんなことが・・・。
目の前の光景を、にわかには信じられなくて。
俺は、ただただ呆然としていたのだった。



どこへいずこへ1
どこへいずこへ3




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